第1回  加工種別の解説

製品加工とミシン糸は商品品質を保つために重要な
関係があります。
加工の特徴と目的を理解し適正なミシン糸や針選定を行なうことで品質安定に繋がると考えられます。

以下の資料は加工の目的と用途別に区分けすることで、加工からミシン糸の選定条件を導くために作成しました。

ワンウォッシュ = 製品の風合いとやわらかさがでる
バイオウォッシュ = 酵素が物質を分解する能力を利用して、繊維の風合い調整や表面処理などを行なう加工
ブリーチ = 生地色を抜き表情の変化をだす
ダメージ加工(ストーンウォッシュ) = 製品の古着感を出しアタリ感をだす
製品後染め(セルローズ再生繊維染色法) = 織物や編物生地に対し染色することで外観的価値を高める
プリーツ加工 = 布に耐久性のある折り目や襞(ひだ)をつける加工
シロセット加工 = 純毛のズボンやスカートなどの耐久性のある折り目をつける加工
皺(しわ)加工 = 布に皺を付与する加工

■【主な加工の種類と説明】

ワンウォッシュ 
   製品を水で洗ったもの。糊を落とし風合いを出す目的に使用。
   柔軟材や化学薬品(糊等)を落とし、残留縮率を少なくする事でサイズ安定を図ります。
   また、加工前の工程としても行なわれる。

2. バイオウォッシュ
   高温でなくても繊維の内部まで、収集の加工が出来る利点がある。
   生地をセルロース分解酵素(簡単に言うと生地を食べてしまう)で削げ落として古着感が有り
   少しの色落ちヌメリ感が出て風合いを柔らかくする。
   生地が脆弱(ぜいじゃく)化し弱くなる事があり注意が必要。

3. ストーンウォッシュ
   軽石やバレル石、プラスチック、多種多様の物を一緒に入れて洗い色を落としたり、
   洗いざらしや古着風にアレンジ出来る。
   近年は軽石に変わり人口セラミックや素材によってゴムボールも使用される事がある。

4. ブリーチ
   生地の色を抜き脱色する。
   中間色まで色落ちさせた状態をフェード、淡い色まで色落ちさせたものをブリーチと言う。

5. 製品後染め(セルローズ再生繊維染色法)
   織り上げられた綿の布は薄いベージュをしているが、合成繊維はそれよりやや白くなっている。
   また、糊が付いているためにごわごわして感触も良くない。染色工程とは、このように手を加えられ
   ていない未完成の織物や編物に色や模様を施すことで外観的価値を高めると共に着心地や感
   触的価値、耐久性などの使用価値を与るための加工工程。
5-1. オーバーダイ
   洗い加工後のジーンズをインディゴ以外で染める加工。色合いに深みが出る加工方法で
   着用後は自然褐色があり意外な変化を愉しめる染色方法。

6. 形態安定加工
   「プレキュア」と「ポストキュア」の加工があり、ポストキュアは繊維製品を縫製とプレス
   仕上げした後に、製品をハンガーにかけて形態安定加工を行います。従い、ミシン縫い目と    プレス後のプリーツ部分についても加工され、洗濯を繰り返してもパッカリング、プリーツにも   優れた耐久性を発揮します。

7. プリーツ加工
   加工方法には手加工法、マシーンプリーツ法、ハンドプリーツ法の3通りがありがあります。    また、プリーツの三大基本型として平型、箱型、アコーディオン型があり、これらを組み
   合わせることで様々な型が出来ます。

8. 防縮加工
   水洗いにより繊維同士が絡まり合いフェルト化して縮みやすいので、羊毛繊維表面を改質し   たり、繊維間を樹脂で結合して、繊維同士の絡まり合いを防ぐようにする
   セルロース系繊維では
   ?マーセリゼーション(※1)によって繊維構造の膨潤度を低下させる。
   ?繊維の非結晶部分に樹脂を固定もしくは架橋結合させ水による膨潤を防止する。
   ?サンフォライズド加工(※2)のように、織物の経方向に強制収縮を与え、濡れて膨潤しても収    縮しないようにする。
   ?羊毛の場合はフェルト収縮を防止するのが一般的。

9. シロセット加工
   羊毛繊維内部のシステム結合を還元剤によって解放し、
   生地に折り目を付けた状態で再結合させ永久セットを与える。
    CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)が開発。

10. 皺(しわ)加工
   加工目的は独自の感性を重視したもの。合繊繊維の皺付け加工では板締め、袋詰め、
   箱詰め状態で熱水、蒸気、乾燥処理によって皺が固定する。綿織物の皺付け加工では
   アルカリ浴中で耐久性のあるランダム皺が固定できるが、通常の皺加工では耐久性を
   付与するために樹脂加工を併用する。また、液体アンモニア処理後、高圧熱水により
   固定する方法やニップ(挟み)ローラーによる物理的方法、タンブルドライヤー乾燥で
   自然な皺を発生する方法もある。

※1 綿糸または綿織物をテンションをかけず苛性ソーダによる処理(シルケット加工)
※2 デニム生地の収縮を解消するために考案され生地の段階で処置される。