第32回 第二部「光る副資材」カジュアル・アパレルとアウトドア・スポーツのフュージョン

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第32号≫

ファッション業界の傾向が”スポーツテイスト”のものを取り入れるようになってきました。スポーツテイスト、それは外で活発に動きやすいもの、雨・風、汗などに備えたもの、自分の存在がわかるもの、このようなものが求められ、作業着関連の店舗でファッション、タウンユースとしても購入するケースが増えています。

そこで今回はその中で自分の存在が分かるもの、”シンボル”として主張できる副資材「光るもの」にスポットをあててみました。

光を反射する材料を練り込んだ糸と合わせたミシン糸です。
使用アイテム例 一般アパレル、靴、鞄、スポーツ衣料等、幅広くご使用いただけます。上の写真はフラッシュを焚かずに撮影したもので、下の写真は暗いところでフラッシュを焚いて撮影したものです。とてもインパクトがあります。

2) 蓄光糸

【特徴】 光源が無くても光ります。
紫外線を吸収して発光するため、事前に光源に当てることは必要です。
※LEDの下では光を吸収しません。

時間が経過すると光らなくなります。
時と所・場合で存在を変化させます。
デザインが自由に描けます。

【用途例】ナイト・ウォーキング、 キャンプ、
登山・トレッキング、 犬など散歩
フィッシング、ツーリング、ダンシング
Tシャツなどのワンポイント

3) 蓄光ボタン ≪新商品≫

新商品の蓄光ボタンになります。
蓄光糸同様に、蓄えた光を徐々に放出する事で光ります。

こちらの商品は、受注生産品にはなりますが様々な形や大きさで製作する事が可能になります。釦付け用ミシンで縫製可能となります。
釦の形状や、縫製を行う生地等により、縫製方法や使用するミシン糸も変わりますのでお問い合わせください。

4) 光るテープ

LEDユニットと特殊な光ファイバーを織り込んだテープになります。

スポーツウェアや、バッグ、作業着といった夜間、早朝に使用する事が多いアイテムにおすすめです。
モジュール部分を取り外す事で、洗濯可能です。
通常のテープ同様、縫製可能です。
縫製方法や使用されるミシン糸についてはご相談下さい。

5) UV糸 7色セット(刺繍糸)

紫外線をあてる事で、糸の色目が変わります。

紫外線が当たると下の写真のように糸カラーが変化します。
アルファベットを刺繍したTシャツは室内では白い文字、外に出れば紫外線が当たり色が変化します。一つの絵柄に7色の糸を使えばもっと面白いかもしれません。
UV糸 刺繍例(上の写真が赤外線を当てる前、下の写真が赤外線を当てた後になります)
アメリカ製になります。

6) 再帰反射テープ

再帰反射を使用したテープです。
織テープ、パイピングテープ、コードなど様々なテープの種類がございます。
スポーツウェアや作業着等、安全性、視認効果を高めるアイテムに最適です。

以上、光る副資材特集になります。
ご紹介した商品のご紹介、ご用命については最寄りの弊社営業担当または本メールへの返信やお電話でお気軽にお問い合わせください。
メール配信停止をご希望の方は、お手数をおかけいたしますが、返信くださいますようお願い申し上げます。

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アズマ株式会社 縫製研究室
鵜木 隆嘉
Tel 03-3861-7103
URL: http://www.azuma-jpn.com

第32回 第一部 縫製工場様の生産性改善レポート「ミドリ久慈衣料様ートヨタ生産システム活用術」

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第32号≫

今回は、ミドリ久慈衣料株式会社様(以下ミドリ久慈様)の生産性向上の取り組み トヨタ生産システム(TSS)の活用術を取材して参りました。

ミドリ安全様は高品質なオフィス及びユニフォーム業界のシェアNo.1で、近年毎年10%成長を成し遂げています。
ミドリ久慈様は、そのミドリ安全グループ様の衣服縫製部門です。
岩手県久慈市が所在地になります。

 

 

 

 

 

 

 

久慈市は東京駅から新幹線で4時間弱(二戸駅まで約2時間40分、二戸からバスで1時間)
久慈市は人口4万4千人強です。従業員72名の雇用です。
久慈市を含む北いわては、日本でも有数の縫製業の集積地です。

ミドリ久慈様は北いわてアパレル産業振興会に所属し、次世代を担う人材育成に向けた様々な取り組みを行っています。
(ファッションショーの開催、北いわて仕立て屋女子会など)

北いわてアパレル産業振興会ホームページ

【企業データ】
ミドリ久慈衣料株式会社
代表者:取締役社長 川代利幸
資本金:10,000千円
創業 :昭和60年(1985年)4月
従業員数:全72名(内 ベトナム研修生7名)
※2019年1月30日現在の情報
 トヨタ・ソーイング・マネジメントシステム(TSS)を創業当初から導入

ユニフォーム・カジュアルウエア生産状況
工程数    40~50工程
一品種ロット 22枚平均
日産     250~300枚/4ライン(1日10~15品種)
4ライン編成
(内訳 縫直:42名、裁断:7名、準備(芯貼等):7名、生産管理:9名、他:6名)
丸縫い(服一着を作れる)できる方は、30人以上(半分以上)10ヶ月で丸縫いができるように教育しています。
一人で1品番、3~5工程を掛け持ちしています。

主な設備
フルデジタル本縫いミシン JUKI DDL-9000C を 48台導入しています。
カン止めミシン、インターロックミシン、延反機、刺しゅう機、CAD、CAM他

同社では、メーカーや国外工場用のサンプル品の製造も数多くこなし、海外工場のマザー工場的な役割も担っています。

日々改善をしている。とにかくやってみる。そして業界No.1 毎年10%成長。そのようなミドリ久慈様のことを私は東京で聞いておりました。
具体的にどうしているのか、その神髄はなんなのか勉強させて頂きたく、岩手・久慈へ飛びお邪魔いたしました。
ご案内をミドリ久慈/川代社長からして頂きました。
レイアウト、道具、人の動き、見るたびに随所で”工夫”が感じられ、活きいきとしたエネルギーが伝わってきました。


技能者(単に作業をしているのではなく考えて仕事をしている方を技能者と呼びます)一人が毎月2点の改善案を提出しています。
印画像の提案書がそれです。

現場の声 改善提案書が的確に書かれていました。
問題の本質を追及され因果関係を主語述語でわかりやすく表現してありました。
このように現場から日常で問題解決を出されているところが現場力かと痛感いたしました。
その習わしが新入社員が毎年入っているなかで伝わっておりました。
提案内容に、「そうかなぁ?」と少し疑問に思うところがあるものもあるとのことですが、多少の疑問は目をつぶって、まずは実行しているとのことです。
毎月一人2件の改善が提案されています。
ここにも工夫があり、提案を全員が出す雰囲気を作っています。提案を出さなければならないようなシステムにしていました。
個々の問題とせずに、”システムが悪い”としてチームで改善をしています。

ベトナムにある自社工場から1年、久慈で研修を行って帰ります。
ベトナムに帰国した時に丸縫いができ、改善の指導ができる人材に育てています。(海外研修生制度が10年なりますが、縫製業界は過去の事例から5年のままになります)

これは、海外研修生も縫製業界に来なくなる可能性を示唆しています。
海外研修生の選択肢は、縫製以外、もっと自分が帰国後も活躍できる業種を選ぶようになる。
そんな時代になりました。
繰り返しになりますが、ミドリ久慈様は、ベトナム研修生が帰国後に活躍できるようになり、また人が人を呼ぶ、良い持続的循環が可能なシステムになっています。

この改善活動は、一回でも休めば、もとに戻すまでの労力は大変なものだそうです。
その意味は少しはわかった気がします。改善する空気が満ち溢れているので、一度その空気が抜けたら、それを満たすまでの時間は想像に難くありません。

トヨタ生産システムは”人を育てる”こと、私は一回工場内を拝見しただけで、他の方にお伝えできるレベルでないことを身に染みました。
勉強し直して、近々、新たな目でミドリ久慈様へ再度お伺いし学んできたいと思います。
続編の取材許可をお願いして参ります。

内容につきまして質問、ご意見等ございましたら、弊社担当者または返信にてお気軽にお問い合わせください。

取材協力 :ミドリ久慈衣料株式会社
取締役社長: 川代 利幸様
所在地  : 岩手県久慈市大川目町

末尾になりましたが、ご多用のところ貴重なお時間とご教授くださいましたミドリ久慈衣料株式会社 川代社長へ深謝申し上げます。

 

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第31回 縫製可能な金銀刺繍糸について

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第31号≫

金銀糸・ラメ糸等について種類が多く、種類によっては本縫いミシンで縫製が難しいとの問い合わせを多くいただいております。
ミシンによっては、糸切れを起してしまい縫直しができない場合があります。
製品企画の段階で適したタイプの糸を選んで頂ける様にすれば糸切れなどの問題を防ぐ事が可能になります。
今回は、本縫ミシンに使用可能な金銀糸・ラメ糸等のご紹介をさせて頂きます。

よくあるご質問
①縫製工場様からのご連絡
アパレル様より金銀糸でのステッチ縫製の指示を頂いたが、糸切れが多発して縫製が出来ない。ミシンの調整方法を教えて欲しい。

②アパレル様からのご連絡
金銀糸ステッチを指示したいが、どのタイプが本縫いミシンで縫製可能なのかわからない。

弊社からのおすすめ
一般的な本縫いミシンは重ねた生地を縫い合わせる事が目的で作られております。
これに対して刺繍ミシン(ジャガード)は、面に縫うためにあります。これには強度は求められません。
また一般的な本縫いミシンは生産性が求められるのでスピードが要求されます。そのためミシン糸には強度が必要となります。
これに対して刺繍糸は風合を求められかつ360度の方向に縫うためスピードが上げらません。
したがって、刺繍糸・ラメ糸には強度より柔らかさが求められます。

刺繍糸の構造とミシン糸の構造は同じです。刺繍ミシンと本縫いミシンの構造も同じです。此のことから刺繍糸でも縫えるといえます。
ただし、ラメ糸はミシンの回転数を850sti/min以下で縫っております。

下記対応表にてエンゼルキング商品でのステッチ縫製ができる商品のご案内をさせて頂きます。



記載致しました記事内容に限らず、縫製時の困り事やご質問等々につきまして弊社担当員の方にお声掛け下さい。
本メールへのご返信、もしくはお電話くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

取材協力 中村商事株式会社

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第31回 アジア・ものづくり・ネットワーク(略称 AAP) 展示会 出展レポート

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第31号≫

去る2019年 1月30日~2月1日に東京・千駄ヶ谷で、AAP 2019AW展示会が開催されました。弊社は AAP Made by Japanの一員として参加いたしました。
350名の来場され盛況でした。アジアでのものづくり、日本の品質のこだわりの需要を実感いたしました。
来場者は、アパレル企業、大手商社、繊維商社、小売店など多方面から来場いただきました。
前後いたしますが、AAPの活動概略を改めてご案内いたします。

AAPは、日本のアパレル生産企業が他国の進出企業との競争に勝ち残るために孤軍奮闘にならず、情報を共有し切磋琢磨している内閣府認証NPONPO法人です。

アジア各国の視察ツアーも行っており、各社のご苦労されている生々しい現地のカントリーリスクなどが 情報共有されています。メディアの眼鏡をとおしたレポートとは違った趣を読み取ることができます。
※1 詳しい内容はこちらのサイトから
   www.aap-net.com/info.html

弊社は、オーダー・オブ・メリット・プラニング(略称 OMP)様のサスティナブル・ファッションのものづくりミシン糸までこだわったセットアップスーツ・シャツのサプライヤーとして協力、出展をいたしました。

注目株は、木材を原料として、生分解する M CELL®ミシン糸でした。
多くのアパレルメーカー様、商社・OEM企画業者様からお問い合わせを頂きました。

M CELL®ミシン糸は、レンチング社テンセルTMリヨセル繊維を使用しています。
テンセルTMリヨセル繊維の原料である木材は、持続可能性を実践する森林植林から得ており、 繊維の生産自体が極めて環境負荷の少ないものとなっています。

M CELL®ミシン糸は、ライフサイクル分析の結果、コットン、ポリエステルに比べて環境に優しい ことが示されています。

M CELL®ミシン糸は、特殊製法により高強力を実現し、可縫製にも優れています。カタン糸やポリエステルミシン糸同様に高速ミシンに使用して頂けます。
更に発色性も高いため、製品染め用ミシン糸としても活用頂いております。
※1,MCELL®資料出典・製造元 モリリン株式会社。
※2,TENCELTM及びテンセルTMは 、Lenzing AGのブランドです。

モリリン社が中国・青島工場で紡績している 再生ポリエステルミシン糸 ”エコップ” も期待され ています。
2018年末に商標を取得してサスティナブルファッションが進んでいる欧州での要望に応えています。
トレーサビリティが確実に行えSCMの評価を受けております。

フッ素ゼロの撥水ミシン糸エースクラウンシリーズは、欧米大手アパレルが行っている有害物質排出ゼロ宣言に対応するミシン糸です。

掲載した試料はパッカリング対応ミシン糸 ハイパー の実例ですが、ポリエステルスパンなどの加工も 行っております。

また、弊社がベトナムで生産・販売している現地価格対応の V-Ginba spunミシン糸、V-KPFミシン糸も日本でご愛顧頂いているキンバスパン、KPFの見本帳色番号等と色目が近似色のため好評を頂いております。

末尾になりましたが、この場をお借りして、展示会のご指導、来場者へご紹介くださいました。
AAP事務局はじめAAP各社様、OMP宮崎社長ありがとうございました。

取材協力 AAP 事務局様
AAP会員各社様
会場提供 ・プロデュース OMP(オーダー・オブ・メリット・プラニング)様
東京都渋谷区千駄ヶ谷3-13-7

内容につきまして質問、ご意見等ございましたら、弊社担当者または返信にてお気軽にお問い合わせください。

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第30回 第二部 「倉庫や屋外での冬場の寒気対策のご紹介」

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第30号≫

今回は、冬場の寒気対策品として遠赤外線ヒーターの紹介を行います。
当メールマガジン第28号東北アパレル機器展示会で紹介し好評を頂いた冷風機の 静岡製機株式会社が製造元のヒーターです。

エアコンは空調設備導入をしなければならず、また固定になり、石油ストーブは吸排気・送油菅設備が必要なもの、灯油の補充が必要なものになります。
それに対し、遠赤外線ヒーターは移動が容易です(キャスター付き)。電源(200V)のコンセントがあれば十分です。

空調による暖房の弱点としては、暖かい空気が上昇してしまい、床付近は暖まりにくい事にあります。
設置した暖房設備だけではカバーしきれない箇所への寒気対策に使用ください。
 

【使用例】
縫製工場等では空調でまかないきれない机の下等の作業場に



 

 

 

 

空調の効きにくい作業現場、スペースを取らず暖を取れ、角度調整により作業姿勢に対応できます。



 

商談スペース等のスポット使用に


 

受付時のお客様のおもてなしに


 

今回ご紹介させて頂く縁先外線ヒーターは一般的なヒーターと比べて広範囲に反応出来る点です。


 

また、安全面に重点を置いております。


 

縫製工場などでは生地等の燃えやすい素材を扱う事も多く、火気に関しては十分に注意を払っていると思いますが、接触しただけですぐに燃え広がらない点や、万が一、人が接触してしまっても、重症化する事はございません。

その他、無音、無臭、無風での暖かさを実感出来る為、作業上の邪魔になる事はございません。
ぜひこの機会に試してみてはいかがでしょうか?

◆ヒーターの種類、明細
静岡製機様の遠赤外線ヒーター(200V電源)

WPS-20s           WPS-30A・WPS-30As

 

◆機能・特徴

・遠赤外線とは
太陽光の一種で、太陽に当たると暖かく感じるのは遠赤外線が含まれているからになります。
基本的にはどんな物体からも放出されており、高い温度になるほど強く放出している事になります。
また、体が最も吸収しやすい波長となっておりますので、より暖かさを実感できます。

・操作はシンプルな機能のみ装着されております。
電源、温度調節、タイマー
また、ランプ点灯にて電源のオンオフが判断出来ます。

◆電気代目安(1kWh 15円で計算)
WPS-20s 15~30円/時間(1日8時間稼働 240円)
WPS-30As 22.5~45円/時間(1日8時間稼働 360円)

※電力会社様との契約により料金は異なります。

◆   安全性
表面温度が100度に達しない為、万が一触れてしまっても重傷になる事や、可燃物が一瞬にして燃え広がる事はございません。
地震などの災害時、転倒した際、自動停止機能が付いており火災の不安を軽減します。
過熱防止機能搭載により、本体内部が異常に高温になった場合、自動停止します。
タイマー機能が標準搭載されておりますので、消し忘れなどにも安心してご使用出来ます。

◆その他、静岡製機様展開暖房器具です
使用する工場の規模や地域によって使用も異なると思います。

内容につきまして質問、ご意見等ございましたら、弊社担当者または返信にてお気軽にお問い合わせください。

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第30回 第一部 「縫製工場様の生産性改善レポート 第1弾 その2」

≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第30号≫
有限会社内房スバルソーイング様 編

第28号(2018年7月発行)でご紹介いたしました有限会社内房スバルソーイングさん(以下 スバルさん)の改革状況の続きをご紹介いたします。

シャツ・ブラウスが主体で、袋縫い・折伏せ縫い・本ケンボロが得意なスバルさんです。
大阿久社長様の御協力を頂き、筆者は密着取材をさせて頂きました。
前回までは、座学で基本的な考え方を、稲荷田先生(※1)がご指導をいたしました。

今回は、実践的な改善をどのように進めていくかにポイントを当てています。
まずは技能者の方々にヒアリングを行いました。

☞ ここでは、縫製現場従事者を ”技能者”と呼ぶことにしました。
  この呼び方は稲荷田先生が推奨しているものです。

従来は ”作業者” や ”オペレーター” と呼んでいましたが、これはやもすると隷属的になり、”言われたことをやればいい” と従業者も管理者も無意識になりがちなことを避ける意味があります。
縫製を担う方々が ”プライド” を持って、自主的に改善し続けるために”名は 体を表す”ものとして実行したものです。

技能者の方々、一人ひとりに ”改善シート” へ”会社をよくするために、思ったこと”を書いてもらいました。

設問は3点
1.デザインが切り替わるときに、どうしたら早く上げられるようになると思うか?
2.どうしたら午前中に枚数を上げられると思うか?
3.一か月の間に、こうした方がいい・こうしたい事。

皆さん、よく見ています。考えています。
管理者の方は往々にして、先に原因の仮説を思い込みで決めて悩んでいた部分もありました。
技能者の方々が 言いたいこと、考えていることを 引き出して、分析することの重要性を認識しました。

☞ ポイント
聞いてもすぐに答えないこと。
ヒントを出して、1日考えてもらうこと。

設問の結果をとりまとめると、
1.デザインが切り替わるときは、先上げサンプル技能者が、先上げサンプルを見せながら、生地特性や縫製の注意点、修正点等を縫製技能者へ的確に伝えること。
縫製技能者は説明を聞きながらメモを取り、先上げサンプルと検品表・パターン・仕様書を照らし合わせて確認すること。

 

2.午前中に枚数をもっと上げるために、前日に翌日の前工程を増やすこと。

3.一か月の間に、こうした方がいい・こうしたい事について、”直しをすくなくすること”という内容がが多いです。
まだ「こうした方がいい」、「こうしたい」と言える方は少なかったです。

次に、技能者全員が、シャツを一着丸縫いをしました。
アイロンや検品担当者、事務、海外研修生も含めて全員です。
全員、よくできました。
苦労した点、得意な点などを言ってもらいました。
これからは滞る工程へのヘルプを誰でも行えるようにします。

☞ ヘルプの時の留意点は、専任ではないので10のものが3でよいこと、10を求めないこと。

     検品担当者           事務

☆ 何回も解いて縫い直しをしたりしたなど、苦労話がありました。

入社4年目の野村さんは 国家技能検定(婦人子供服製造技能士)二級を受験します。
裏付きのワンピースを4時間で2着縫うことが課題です。早速1着縫いあげました。
検定日は実技が 2019年1月20日、学科が 1月27日です。 学科が1月27日です。合格祈願します。

       野村さん

検定練習

先日、アパレルメーカーさんの展示会にて、若手4人のみで初めて打ち合わせをパタンナーさん・生産担当者・の方々と行いました。
若手が積極的にノートに製品ポイント・イメージ、工程を描きながら、デザイン企画側・製造側で意思共有ができました。
若手の将来を期待されていました。活き活きとしているのが印象的です。

先上げサンプル技能者の池田さんは、母校の館山総合高校で、稲荷田先生の助手として後輩に指導を行っています。
この度、最終回を迎えました。皆さまお疲れさまでした。
このうちの誰かはスバルさんの未来を担うかもしれません。

 

スバルさんの次回改善レポートが、最終回になります。
管理者がどう導くのか、技能者が自主的に改善案を意見していくのか成果を楽しみにしています。

※1 稲荷田先生は、千葉県マイスター、厚生労働省認定”現代の名工”、文化ファッション大学院大学名誉教授です。
厚生労働省の「ものづくりマイスター」制度をスバルさんが使用して稲荷田先生から指導を受けているものです。

内容につきまして質問、ご意見等ございましたら、弊社担当者または返信にてお気軽にお問い合わせください。

取材協力: 有限会社内房スバルソーイング
代表取締役: 大阿久 孝子様
所在地  :  千葉県南房総市

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