第18回 「色」

≪ アズマ? メール・マガジン 18号 ≫

今回は、色をテーマにまとめてみました。
北の方では桜が例年より一週間早く咲き、散り、
(秋田・八幡平)では「春紅葉」から新緑と残雪のコントラストが見事な
ゴールデンウィークでした。
街角を見渡せば、コートから半袖と、かけあしで変わりました。
その変化を感じざるを得ない ” 色 ” について復習してみようと思います。

ミシン糸の機能の一つに ” 色 ” が備わっています。
時には目立つことなく、衣料製品や皮革製品を組み立てる部材として、
製品素材と同じ色目なって存在し、
時には、糸自体がデザインとなり、衣料・皮革製品を際立たせる装飾を
兼ねた部材として活用されています。

そのような中で、ステッチ糸に主な使用されている
ポリエステル・フィラメント50番手で10年間の色の推移を見てみました。
 
色の構成比をみていますと、
黒が手堅く3割を占めており、毎年堅調に推移しています。
白とオフホワイトで2割。オフホワイトには、色番号がついている白系を
含みました。
” 生地 ” 表示のものだけに絞ると5%ぐらいなのですが、アイボリー
(淡く黄色がかった 白色)を含みました。
ネイビーとダークグレーが拮抗しています。
2008 年からはネイビーが色では首位になって、
今年 2015 年はデニムの流行が見られてネイビーが動いています。

【色の構成比】

グレーというくくりを、ダークからライト系まで含むと、
15%〜20%を占め、ベージュも含めたものを ” ベーシック ” なものと
すれば、それで9割を占めてしまいます。

では、もっと大きな流れではどうでしょうか。
本年(2015年)1月に、日本流行色協会の大澤かほる様の講演を
拝聴いたしました。その中で、

色は、情熱、純粋、冷静 などといったイメージを喚起させます。
その時々の気持ち、年代・世相が映し出されているとも言われています。

【年代別 流行色】

19 50年代 戦争からの復興
  カラーの黎明
  色への関心の成長期

     単色志向
     パステルカラー、ビタミンカラー
     黒ブーム

 60年代 高度経済成長期
  カラー拡大期

    高彩色志向
    シャーベットトーン
    トリコロール

70年代 高度経済成長終焉
  自然色志向
  アパレル産業が主体

    ナチュラルカラー、アースカラー
    ブルー(ジーンズ)

 80年代 バブル期
   デザイナーズブランド
  
    モノトーン、ビビッドカラー
    黒がブーム「カラス族」

 自動車のボディーカラーで、 ” 白 ” が80%に。(スーパーホワイト)

 90年代 バブル崩壊
  保守志向 
  フレンチカジュアル 黒・グレー・白などベーシックな色使い
 
    紺(ブレザー)

20 00年代 低成長期
  白が新世紀を迎え、清新なイメージで人気。
  ファストファッションの台頭から多色化。
  
  ピンク男子が話題に

20 10年代 復興模索
  カラフル継続
  ベーシックカラー見直し
  紺が注目
  

白・黒・ビビットカラー:ブランド志向、自分を主張、
アースカラー     :環境に融合、心を穏やかに保ちたい
流行色は ” その時代の人々の気持ちを映す鏡 ” といえるようです。

   JAFCA 色の歴史サイト  ↓

http://www.jafca.org/colorhistory

もう5月も終わりです。新入社員も慣れてきたころであります。
ここで改めて、”色”の技術的な側面からみて、
基礎を復習し、問題の発生を防ぐようにいたします。

== 色の豆知識 ==================

◆  光源による色の差

【演色、条件等色】

屋内でみた洋服とステッチ糸が カーキ(茶色がかった黄色)だったのに、
屋外に出でみたらステッチ糸が オリーブ(濃緑色)になった
ということはありませんでしたでしょうか。

この現象を 「条件等色」(メタメリズム)と言います。
広義に「演色」を用いています。

「演色性」は ” 光源 ” を評価するときに、
北空昼光(自然光、D65)と、評価される光源(ライト)で物体を見比べて
差が小さければ、演色性が良い・高いライト。
差が大きければ、演色性が悪い・低いライト  と表現されます。
 演色性は数値化されており、 JIS 規格で検査方法、指数が定めれらています。

「メタメリズム」は、
同じ光源下で二つの試料が同じ色に見えて、
違う光源下で二つの試料に色差が出るものです。
染料の種類が異なっていると起こりやすくなります。

ブランドの違うミシン糸で(二種類の)、同じ色目を使う場合には、
昼白色蛍光灯と北窓自然光(D65)など二つ以上の光源で見比べる
ようにします。

◆  光源

光源によって色の見え方が違うことを述べました。

その ” 光源 ” にはどのような種類があるのでしょうか。

基準光源は 
北空昼光(北窓昼光とも言います)は、日の出3時間後から日の入り 3 時間前までの太陽光の直射を避けた北窓から天空光のことで、
CIE( 国際照明委員会)、 JIS( 日本工業規格)は標準の光として、D65を採用しました。
  他に標準の光が3つあります。

色温度
光の色を表すのに、 ” 色温度 ” で表現する方法があります。
色温度は単位をケルビン(絶対温度)を使用します。
    日常使っている摂氏で−287 ℃ が、絶対零度(0ケルビン)。

電球色 : 3,000K( ケルビン ) 赤み
蛍光灯
  白色 : 4,200K
  昼白色: 5,000K
  昼光色: 6,500K 青み
昼光色: 6,7000K 青み   [ 三波長 EX-D]

CIE,ISO の基準光源  D65 :  6503K

◆  色の数値化

ファッションを生業にしていますと、
色の再現 をしなければなりません。
再現するとき、基準となる色との差、この許容、修正が必要になってきます。
色が数値化されていると、表現も的確に伝えられることができて、
管理がしやすくなります。
色の数値化の実例を見てみます。

” 分光測色計 ” で数値化管理ができます。
   ↓
http://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/cm3600a/index.html

http://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/cr5/index.html

色彩管理ソフトウェア
http://www.konicaminolta.jp/instruments/products/color/cms100w/index.html
 

測色計を使用して、
染色工場で色を作り出すのが、 CCM(コンピューター・カラード・マッチング)です。

測色計のデータと人間の目で、若干のずれが生じるものがあります。
補正する計算も進化していますが、
まだ最後は、人間の目で確認しています。

数値化するのに測色計があれば簡単なのですが、
高価なことあって、設置場所(ハンディタイプもありますが)など考えずに、
もっと手軽な数値化をして、誤解がないように明確にする方法もあります。

PCCS表色系、マンセル表色系の色表シートを最初は参考にして、
色の方向などをみることができます。

http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/07.html

【表色系】

数値化している ” 表色系 ” というものが各種あります。

◇  基本  色には色相、明度、彩度の3つの属性があります
   色相、彩度、明度を3次元(X軸、Y軸、Z軸)に分けて数値化しています。

1)  L*a*b* 表色系   ( 慣用表現 CIE Lab : シーラブ)

     二つの色差を デルタ E として表しています。
http://www.konicaminolta.jp/instruments/knowledge/color/part1/07.html

2) マンセル表色系

     いきなり CIE Labを言われても難しいものがありました。  
     コンピューター、測色計が無い時代に、数値化されたもので、
     このマンセル表色系があります。
       JIS 慣用句の数値化にも使用されており、
   参考書も多くでているため、デルタEの概念CIELab に応用しやすいです。    
    色立体模型
    http://www.sikiken.co.jp/product/cata0709.html

2) PCCS表色系
    マンセル表色系でも 特に ”彩度” のイメージがわかりにくいものがあります。

   表色系の学習の一歩としてわかりやすいのが、このPCCS表色系です。

   彩度、明度を併せて ” トーン ” として一つの複合的概念でまとめられています。
   色相とトーンの2次元で整理されています。

     色彩検定というのがあります。
     3級がPCCS
     2級がマンセル
     1級で L*a*b*が出題されます。 表色系難度の参考まで。

4)  CMYK 表色系

    色の三原色 シアン、マゼンタ、イエロー、黒 による数値化です。

少し深い話になってしまいました。
色差が問題になって修正したいときに、
赤みにしてほしい、濃度を上げてほしいと伝えたい時あります。
その時、赤みなのか、青みなのか、悩む場面で、
この表色系をお互いにみて理解していれば、誤認されることなく進むことができます。

以上

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<<ジャスト・インフォメーション>>

◆ その1
エースクラウン・ハイパー ミシン糸に 『 ダウンの吹き出し防止効果 』が
確認されました。
今までどおりのコスト、在庫、調整で、ダウンの吹き出し量が
フィラメント糸の 1/4になります。(メーカー計測値)
  添付ファイル リーフレットを参照ください。

◆ その2
 キンバコア ミシン糸を使用した ジーンズの後加工スワッチ見本ができました。
 ストーンウォッシュ、ブリーチ加工など、
 ステッチ(キンバコア)とデニム地の 退色 の醍醐味をご覧いただけます。

弊社担当者がジーンズ加工ブックを持参いたしますので、
   ご下命ください。
   
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2級色彩コーディネーター    内閣府認定 公益社団法人
資格証番号  122016444    色彩検定協会  A ・ F ・ T
アズマ 縫製研究室 鵜木 隆嘉

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出典、参照サイト

カラーサンプル .com
http://www.color-sample.com/site/policy/
http://iro-color.com/dictionary/reference/faq.html#mail
   

日本流行色協会
http://www.jafca.org/privacypolicy/

色の歴史 日本流行色協会
http://www.jafca.org/colorhistory/

染色・CCM(コンピューター・カラード・マッチング)
http://www.kurabo.co.jp/el/ac/acnf2_01.html

色空間
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%89%B2%E7%A9%BA%E9%96%93

日本色研事業?
http://www.sikiken.co.jp/about01.html
http://www.sikiken.co.jp/product/cata0501.html

DIC カラー社  NCS( スウェーデン)カラー・オーダー・システム
http://www.dic-color.com/knowledge/081114.html

東京新聞 2015/4/26  世界と日本 No.1196 JFAFCA 出典・参考