第3回 「下着縫製」

平素は、アズマ株式会社をご愛顧賜り、厚くお礼申し上げます。
縫製研究室メールマガジン担当の門脇と申します。縫製研究室では日頃お取り引きをさせていただいているお客様へ、さまざまな情報をお届けするメールサービスを発信しています。

第1,2号は「後加工とミシン糸の関わり」で発信させていただきましたが今回のテーマは「下着」です。下着といっても大きくランジェリー・ファンデーション・肌着に分かれます。特殊な分野であり、品質を保つために
独自の技術と縫製ノウハウを確立しています。先ずは、ランジェリー・ファンデーション・肌着の各意味を纏めてみました。上着(うわぎ)に対する語で、通常、上着の下につける衣類の総称としています。

着用目的によって?ファンデーションとよばれる補整着?ランジェリーとよばれる装飾下着?肌着の三種類に大きく分けられています。1970年代から下着類全般を総合的な総称としてボディ・ファッションというよび方に変わるようになりました。

?ファンデーション (foundation)
土台、基礎の意。体型を整え、美しいプロポーションをつくるためにつける、補整を目的とする基礎下着。あくまでも上につけるドレスのシルエットをよくすることが眼目、従って保健衛生のための肌着類や、ドレスの着こなしをよくするための中衣的なランジェリー類などとは目的を異にする。

?ランジェリー (lingerie 仏)
装飾性を高揚し、しかも柔らかい感覚の比較的嗜好(しこう)性に趣きをおく女性用の下着類一般、及び部屋着の総称である。ランジェリーというのは、元来、フランス語からきた言葉で、今や世界共通の用語となっている。

?肌着
主として健康衛生的の目的で肌に直接つける下着の総称。
たとえば、体温の保持または調節、あるいは皮膚に付着した汗やあかや汚れなどを吸収するなど清潔を保つことにつながる。(服飾辞典より)

〜・〜・ 下着  ・〜・〜

近頃、弊社の縫製研究室へストレッチ素材に対する検証依頼が多くなってきました。ストレッチ素材はその特徴をいかした縫製が重要です。そこで、伸びる素材をあたり前に対応している下着を思い浮かべ、下着縫製について取材した内容を纏めてみました。

?ブラジャー(brassiere)
乳房を支え胸の形を整えるファンデーション。ブラともいいます。
用途に応じて各種のデザインがある。ストラップがあり、後ろホック、ソフトカップのバンドブラジャーが一般的に用いられてますが、ストラップのないストラップレスブラジャー、ストラップの間隔が広いオフショルダーブラジャー、また下半身をすっきりさせるためにカップの下布がウェストライン近くまでいたロングラインブラジャー、カップの内側にパットが縫い込まれているパテットブラジャー、カップの間をVネック型にくくり下げたプランジングブラジャーなどがある。

?ガードル(girdle)
腹部から腰部の体型を整えるファンデーション。コルセットのように骨を用いず全体に弾性生地をいて身体の屈伸が自由に出来るようになっている。

?二面シャツ
首周りを二本環縫いにし、後首に月形の当て布をした半前割れの男子用シャツで長袖と半袖がある。前立てに額衿をつけてボタン付きになっている。

?コットンシャツ(cootton shirt)
平型織機(成型着)で編んだ成型肌着。名称はコットン式編着によって編まれたことに由来。形は二面シャツと同様で、ズボン下と組になっているものが多い。

?丸首、V首、U首シャツ(round-neck,V-neck,U-neck shirt)
最も一般的な男子用肌着で首周りの形状により分けられる。夏物はスライス編地、冬物は両面編地がく用いられている。

肌着 ニットの用途別製品解説

[][][][][][][][][] ファンデーション [][][][][][][][]
女子の体型を美しく整えるための下着の総称
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直接肌にまとうもので、皮膚の保温、吸湿、保護などを目的
[
バンドー型
二面シャツ
V首シャツ
パッテッド型ブランジング型オフショルダー型ロングライン型
ガードル
?ランニングシャツ(running shirt)
盛夏用の一般肌着で衿ぐりが深く袖なしで、スライス、両面、平織などの丸編ニット生地を用いる。
?ブリーフ(brief)
体にぴったりつく脚部のない前開きの男子ばき。
腰周りと股裾にゴム紐やゴムテープを用いて身体に密着するように縫製されている。
?腹巻
腹部に巻く保温帯。
?スリーマ(slimer)
女性用肌着の代表的なものでかぶり型のシャツ。衿ぐりは、U首、V首のものが多く、ラウンド・ネックの
下部にスリットをもうけ、ボタンなどで止めるものもある。
?シュミーズ(chemise)
肩からひざくらいまでを覆う女子用のゆるやかな肌着。
?パンティ(panty)
女子用下ばき総称。
?ショートパンティ(short panty)
脚部の無いパンティ。腰周りと股裾にゴム紐やゴムテープを用いて身体に密着するように縫製されている。
?スリップ(slip)
上衣のすぐ下に着るワンピース形の滑りのよいランジェリー。上衣の滑りをよくするためにまとう着丈の
長さまでの薄手の女子用下着。
?キャミソール(camisole)
上半身用のスリップ。スリップのウエストから上の部分の形をしていますが、トップへのヘムがチェストラインの
ところで直線的になっている点がややスリップと異なる。
?ペチコート(petticost, half slip)
スリップの下半身だけのもの。通常キャミソールと一緒に着用する事が多い。
?パニエ(panier)
スカートのふくらみを出すためのランジェラリー。フレアスカートなどの広がりを内側から支えるため、堅い張り
のある生地の上に薄地の生地をかぶせた物が多い。
一部の若い男性などが、肌着をつけずに直接ワイシャツなどを着用しているが、ワイシャツはもともと肌着であり、
その意味ではむしろ復古調と言える。また、和服用の肌着としては肌襦袢(こしじゅばん)がある・・・
★☆★☆ ひとり言 ★☆★☆
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スリーマ
パニエ
アイテム別に分けると縫目形式は以下のように使われている事が多いです。
1本針本縫いミシン本縫い千鳥ミシン扁平縫いミシン2本針オーバーロックミシン3本針インターロックミシン(仮止め等) (2〜3点) (2〜3本針)
ファンデーション縫製では縫目が直接肌に接する事から、着用での違和感が着心地に大きく左右されます。縫目はデザインや生地特性に合った構成で決定づけられ、それぞれの目的別と特徴から以下のように纏めてみました。(生地や糸調整でデーター通りにならない事がありますのでご了承ください)
※ 各縫製条件の縫目伸度は運針数により異なります。 
素材・糸・縫い機構

下着の生地は、天然素材の木綿が最適とされるが、他に、麻、ウール、化学繊維、及びそれらの混紡や交織交編ものが用いられている事が多い。体温保持、汗、あかの汚れ吸収を行い頻繁に洗濯をされる事から、形態安定や強度が強く、尚且つコストパフォーマンスが高いのがポリエステルです。縫目形式は下着の特徴から生地伸度に対し追従する環縫い(扁平、ロック)機構、さらに強度保持を生かした縫い方の本縫い(千鳥)機能が多く使われています。

◆ 本縫いミシン ◆
◆ 本縫い千鳥ミシン ◆
◆ 扁平縫いミシン ◆
◆ オーバーロックミシン ◆
◆ インターロックミシン ◆
本縫い機構
環縫い機構
◎ 一般的に使用される各部の縫製
※ デザインや仕様により条件が異なりますのでご了承ください。

下着縫製では縫製箇所がストレッチ生地に対する追従性を重要とし設計されています。着用することで直接肌に接し違和感を与えないような工夫や、肌への刺激も少なくすることが必要になってきます。一般的な布帛縫製では1本針本縫いミシンを基本として縫製を行います。しかし、下着縫製では千鳥シンや扁平ミシン、環縫いミシンを基本に使用することが多くなっています。
本縫い
千鳥縫い
扁平縫い
オーバーロック
インダーロック
ファンデーション縫製では比較的ナイロンフィラメントが多く使われています。
上記の理由から主に代表されるナイロン糸(ナイロン糸の特徴)
ナイロン特有の伸縮性があるため、縫製後の生地に対応しやすいです。(伸度約30%)下着縫製では比較的に使用される縫い糸は、綿・ポリエステルスパンが多い。また、ナイロンやポリエステルウーリーも環縫い機構などで使われる事が多いです。上記の理由から主に代表される縫い糸

◎ 各種スパン   番手構成 120/100/80/60/50/30/20/8
◎ 各種綿糸    番手構成 100/80/60/50/30/20/8
◎ 各種フィラメント 番手構成 120/90/80/60/50/40/30/20/10/8
◎ 各種ナイロンウーリー     番手構成 低伸度/高伸度
◎ 各種ポリエステルウーリー 番手構成 低伸度/高伸度

(スパン糸の特徴)
スパン糸は耐熱性が大きく縫製時のミシン針熱やアイロン熱に堪えられます。また、ミシンの高速化に伴い糸強度も要求され、更に価格対応をはかられるようになりポリエステルスパン糸が使用されています。

(綿糸の特徴)

(フィラメント糸の特徴)
絹糸に近い革命的な繊維として開発されたポリエステルミシン糸です。
糸の表面には光沢があり適度な伸度を持ち、絹糸に変わる高級ミシン糸として広い分野に使用されています。

(ウーリー糸の特徴)

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ミシン糸に付いて

◎ キングレジロン   番手構成 60/50       413色
◎ サタン         番手構成 60/50       82色/166色
ファンデーションの意味は『土台、基礎の意。体型を整え、美しいプロポーションをつくるためにつける、補整を目的とする基礎下着』である事から、縫い糸に対する要求は強度保持と伸度追従です。肌着の意味は『直接肌にまとうもので、皮膚の保温、吸湿、保護などを目的とします』の解説から、縫い糸に対する要求は肌に触れたときのソフト感や安定した可縫性とされています。

取材協力:
株式会社マツモトソゥイング 様
株式会社コーセル 様
滑脱(スリップ)による縫目ほつれを防ぐために縫目を締め付け、または、肌に直接触れた時にソフト感を与えます。綿は濡れても丈夫で弱くならず、むしろ湿潤時の方が強い。さらに、アルカリに強く洗濯や漂白がしやす
く、染色性が良いなどが上げられます。

      【マガジン通信先】
    発行 : アズマ株式会社
   東京都台東区小島2丁目1−1

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