第4回 「ラメ糸をうまく縫うために」

                平成18年11月 
≪ アズマ? メール・マガジン 4号 ≫
≪ラメ糸をうまく縫うために≫

今、市場でラメ糸が、大ブレイクしています。
しかし「ラメ糸の縫製は難しい」との声が、弊社に多く寄せられています。
そこで弊社なりに「どうしたら縫いやすいか」を研究してみました。

【目次】 
§1.ラメ糸縫いの難しいポイント
§2.ラメ糸のための中厚用ミシン設定
§3.ラメ糸のための厚物用2倍ガマのステッチ・ミシン設定
§4.ラメ糸の縫い方
§5.アズマからのお知らせ

§1.ラメ糸縫いの難しいポイント 
? ザラザラしていて スムーズでない。引っかかり、滑らかに走らない。
⇒ 調子が乱れる。
? 硬い = 糸の銘柄により、かなりの差があります。
? 調子皿バネ(上糸テンション)を強くすると、糸がしごかれて
乱れます。

§2.ラメ糸のための中厚物用ミシン
(標準ガマ)の設定 
1.ミシンの準備(前段取り)
? カマ・上調子皿バネ・糸取りバネを厚物機種用純正に交換します。
     特に 太糸用カマは必須です。
? 針板・押えも、厚物用に設定します。
「参考ミシン機種」表 厚物機種番号参照。
? ?・?を実施しても #20まで?  
過大な期待はしないで下さい。
  針棒ストロークなど、ミシン本来の設計性能により限界があります。

参考ミシン機種:             中厚物  厚物機種番号
□□Brother  S−7200A      −403   −405 
□□       SL−1010      −3     −5     
□□三菱     LS2−1380    −M1T    −H1T
□□        LS2−1130    −MOB   −HOB
□□JUKI     DDL−5571    −N     −NH 
□□         DDL−5550    −N     −NH 

ミシン各社のHP(関係資料) 
Brother  http://www.brother.co.jp/product/ism/lineup/index.htm
三 菱  http://www.mtco-web.co.jp/misin/products/index.htm
JUKI http://www.juki.co.jp/industrial_j/products_j/model_j.html

2.中厚物ミシン(針軸取付け 針柄=1.62mm)につく、
太い針の上限。
  DBx1   #18     (針穴#18)   先=「R」  
  DBxA20 #19〜23  (〃 #19〜23)   〃   
  DBxK5  #18     (〃 #20)      〃   
  DBx5 ST #20・22 (〃 #21・24)先=「S」=推奨  DBx9 ST #18    (〃 #21)   先=「S」=推奨   
  [ 注意 ]  DBx1 #20以上 針柄の太さ 2.02mm
(#19 1.90mm)
         DPx5   全番手の針柄の太さ 2.00mm
 針板(針穴):2.0〜2.4mm 面取り有り(§2.1項?)
     使用する 針幹の太さのほぼ2倍以上の針穴が必要。

3.押え金 

  ステッチ・ミシン(厚物2倍ガマ)純正(写真B) 又は本縫厚物用
(写真C)
?針周りの穴が 大きいもの。= 多種・多様なので 注意が必要です。
?面取り必須。面取り溝が後ろまで突き抜けるものもあります(写真A)。
?各種押えも ??の配慮が必要です。 例= 段付押えなど。
?テフロン押えを利用し、面取りや針落ちを加工すると、楽で良いです。
?コバ・ステッチも、針・糸が太いので「太コバ」の指示が望ましいです。

押え金 各種 
  左側ほど 太糸 厚物に適用。
A) Brother 147328   B) Brother 145157   C) JUKI・D1524 555 DAO 

§3.ラメ糸のための厚物用2倍ガマのステッチ・ミシン設定    

 ステッチ専用(厚物用 2倍ガマ)を推奨します。
  注意: ジーンズ用=最大針目を4mm程度にして、回転数を向上させた
倍釜太糸用。ミシンステッチ用としては「針目長」
不足の可能性があります。

  各メーカー本縫ステッチ(厚物・2倍ガマ)専用ミシン
?Brother DB2−B746−8A(ステッチ)
?  〃             −7A(厚物用)
?三菱     LS2−1130−BOB
?JUKI   DDL−5600NL

  参考: 1番上のランクの太糸用カマに交換することを推奨します。
太めのラメ糸とミシン糸#6以上では必須です。(#8微妙)        
交換したカマは 整備して保管。糸かみ事故が多いので、修理迅速です。

§4.ラメ糸の縫い方
1.上糸使いの縫い方       
  ? 「下糸」は #30 又は #20 
(スパン & ポリエステル・フィラメント糸)
?ラメ糸は できるだけ巻きつけないで、針までもって来ます。
糸の銘柄によっては、ひどく抵抗のあるラメ糸があります。
指先で引っ張り、糸の抵抗を確認します。
?ミシンの設定は、やや上糸が締まる方向で調整する。
極端にやると結果が良くないです。
=上糸調子バネの負担を減らしたい。  
  ?上糸の下への多少の抜けは、許容しないと、
調子が取れないことが多いです。
   チョウチン事故は、当然 許容範囲外です。

2.ラメ糸 上・下使いの縫い方   
?下糸テンションは、(4−1)に比べて強め。糸によっては、
かなり強くします。
?上糸もその分糸調子は強い。   
?上糸に無理が掛かると、糸割れや糸切れの原因となります。
上糸の負担を減らすには、(4−1)項の 方向で微妙な調整を
します。
?それでも安定しない・糸割れ・糸切れなどが発生するときはどこかに
無理があります。
?糸が上・下使いに対応出来ないときは無理をしません。
上糸使い・下糸使いで対応を考えます。

3.下糸使いの縫い方
?針板の針穴以外はミシン調整と考えます。素材と相談ですが、
針穴は大きい方が良いです。
?下糸テンションは、安定が取れる限りゆるいほうが望ましいです。
?上糸は、細いほうが(#30)調整の負担は少ないのですが? 
試行して決定します。  
?針は、上糸に合わせますが、少し太めの選択が有利と考えます。    ?ラメ糸は 硬い糸が多いため、?・?項に反して、強い調子・
#20上糸にしないと、蛇行が止まらない糸があります。

ラメ糸を縫うための押えと針については、太糸仕様の応用になります。
HP「縫製研究室 これまでの特集」例 に、その記事が掲載されて
います。 ぜひご覧下さい。

1.<太糸の調整についての提案> では、#20ポリエステル・
フィラメント糸を使用した場合の、実際の対策の一例が、紹介されて
います。
2.<太糸用ミシン針の提案> には、太い糸に適する、ミシン針が、
一覧表形式にて、掲示されています。
今回提示いたしました針を含む、全体的な資料です。

§5.アズマからのお知らせ
  弊社では 話題のラメ糸[金/銀糸]を 下記ブランドで提供中です。
1.エンゼルキング
2.パールヨット
3.エース金・銀糸
4.グンゼラメ糸
5.キング金・銀糸
6.キンバステッチラメ糸
  ※ 弊社にて 可縫性、洗い加工に耐え得る ラメ糸を開発中です。

  文中の交換用のカマや針・針板・押えなども用意いたしております。
各営業にご下命ください。

編集後記  

 ラメ糸の検証作業や、試作をしながら、考えたことを、書いてみました。
 読んでいただいて、「なるほどね」と言っていただければ幸いです。 

 記事に限らず 困りごと、疑問、質問、検証 等々 御用の際には、
弊社担当者に お声を掛けてください。
または、弊社 HP上「縫製研究室 お問い合せ」に eメールを
お寄せ下さい。
   アズマ? HP http://www.azuma-jpn.com/

アズマ株式会社 縫製研究室 浅川幸夫
Tel 03-3865-7103, Fax 03-3865-7107
東京都台東区小島2−1−1

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