第40回 第二部 縫製現場に与える湿度・乾燥が引き起こす課題や原因と対策事例

≪ASC(アズマ ソーイング ラボ コネクション) メールマガジン≫ 第40号 (第二部)

縫製作業現場では、例年冬期間の乾燥の時期になると主に静電気が引き起こす縫製トラブル、また作業環境におきましてもインフルエンザの流行時期とも重など、オペレーター休業からの稼働率低減などさまざまな問題をひきおこします。
弊社お取引先の各工場様での対策事例をご紹介致します。

 

◆冬季間の乾燥の原因
下記に温度と飽和湿度のバランスをご説明致します

◆温度と飽和湿度の関係性

例:気温10℃の場合の飽和水蒸気量は約10g/㎥で有りこの気温の場合、湿度:50%は約5g/㎥対して、5g/㎥は気温25℃の飽和湿度に対し、約20%に相当=乾燥状態(室温25℃の場合の50%は約12.5g/㎥)

 

同じ湿度50%でも気温により空気中の水蒸気量は大きく変動
=冬場は寒い為、飽和湿度量が減少となります

自然環境(気温)の影響の他にも、乾燥には下記の要因も有ります。
・暖房用のファンヒーターは室内へ燃焼した際の水分も出ますが、現在主流のFF式暖房は燃焼排気を外部に出すので、湿度低下の要因につながります。

・工場内の換気扇 =夏場など工場内を舞うホコリなど室外廃棄で使用される換気扇により、室内で加湿した空気も一緒に排気され湿度低下の要因になります。
⇒冬期間の使用条件を見直す必要も有ります。

上記の様に冬期間はさまざまな要因で湿度の低下=乾燥につながります

◆乾燥による、縫製現場における悪影響
・地糸切れ
(生地の乾燥、作業環境の乾燥した状態での針先での地糸切れ)
・糸ヨレ
(糸立てへのクルクル) 静電気が帯電し特に細糸で糸立てまでの距離で発生
・縫製機器・ミシンを使用する際に、オペレーターが触った際に放電し、機器基盤への影響(誤作動)
・人体へのダメージ (パチッとした静電気放電)
・生地のまとわりつき = 裁断での延反機への絡みつき
・インフルエンザウイルス拡大・発生からの工場稼働率の影響

縫製時、針先での地糸切れ

 

 

 

 

 

静電気による糸ヨレ

 

 

 

 

◆対策提案 対策事例
(まずは、大型の温度・湿度計を設置し、見える化が重要です)

・業務用加湿器 :
空間の加湿においてはもっとも効果的ですが設備的にも大がかりになる為、設備投資も大きくなります

・局所的な対策:
①イオナイザ 加湿とは違う除電ブロアで機器など局所的に除電設置も色々な場所で可能なメリット有ります

②局所的な一時的な除電には除電スプレー
コスト的にも最も安価ですが、効果も一時的です

・移動可能な業務タイプ加湿器 :
設備投資費用は中規模ですが空間の一部空間の保湿水タンクへの給水など日々の手間も加わります

・既存のボイラー配管から利用 :
ボイラー配管工場様の場合、配管から直接専用バルブを取付工場内をバランス良く加湿(調整必要)

・家庭用加湿器での効果 :
縫製作業現場と言うより、事務所などの個室空間の保湿

・市販されている静電テープ・グッツの効果 :
帯電防止テープ・ネックレスその他、他の空間保湿と合わせてのご使用が効果的です
対策用の各種機器などに関しまして、弊社営業担当までお問い合わせ下さい。

レイアウト自由な除電ブロアイオナイザー

 

 

 

 

 

静電気防止スプレー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

移動型業務用加湿器 霧ペット

 

大型加湿設備

 

 

 

 

これからの時期
インフルエンザ対策に加湿と合わせて除菌対策にドーバーパストリーゼもご案内致します

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