第17回 「縫製資材の対比」

≪アズマ? メール・マガジン 17号≫

昨今、異素材組み合わせなどが広く使用されています。
ある分野では当たり前のことが、意外なものもあるかもしれません。
今回、縫製資材で目的、用途が反対にあるものを定義として
まとめてみました。

1. 伸びる糸 vs 伸びない糸

2. 縫う時に  引っ張る vs 押す

3. 滑る vs 滑らない

4. 接着する  vs 剥がす

5. ミシン針 vs  ミシン回転釜先

6. ミシン針の先で 織・編糸から 逃がす vs 突き刺す

7. 製品の”アタリ”   アタリを出す vs アタリを消す

8. ポケット型材    型の外側を折る vs 内側を折る

9. 印をつける vs  印を消す

10. 芯地 仮接着 vs 永久接着  

【 対比紹介商品 説明 】

1. 伸びる糸 vs 伸びない糸 ————————-

 ”伸びる糸”は ナイロン素材、PTT素材、ウーリー加工などがありますが、
最たるものとして一例  (下糸限定ではありますが)

   ◎ キンバスパンデックス 伸度 300%

 ポリウレタンにナイロンをカバーリングした糸
         用途 主に シャーリング用下糸
           品番 1120 巻量 100g
            構成   芯糸    ウレタン 1120d
カバー糸  ナイロン 110d x 2

     

   
◇ ”伸びない糸” の代表として ” ナスロン®”
    
    ナスロン®は日本精線株式会社で製作、販売している
    ”ステンレス鋼”
    の商標登録名です

    品種   伸び   強力
    12μ 100f   1.3%    2.3kg
    12μ 100f/6×3 2.8%   38.7kg 

      太さは、比重が大きいので
      dtex(10000m当たりの重さ)
      表現ができません。
        参考 12μx100f 0.12g/m

    用途は 防火用(溶解点1,400〜1,500℃)などがありますが、
    耐食性、熱伝導性、電気伝導性もあり、
    各業界で使用されています。
                         
  出典URL http://www.n-seisen.co.jp/products/naslon005.html

2.縫う時に  引っ張る  vs 押す ——————— —

   一言で区分けはできないものの、強いて言えば
   カットソーを縫う時は手で押し気味に、
   布帛は、引き気味にしています。
   また、ミシン・アタッチメントでは、
   先引きと送り込みするローラー押さえがあります。

◎ ニッポー・ローラー押さえ (先引き)
   
   http://www.nippo-sewing.co.jp/product_pdf/012.pdf

◇ リング押さえ

   押さえソリに回転するテフロン製リングがついて、スムーズに
   布を送ることができます。
          
        

3.滑る vs 滑らない  ————————————-

   針板やミシンテーブルに貼るものの一例 をご紹介いたします。

◎ テーブルブ(テフロン) 

  テーブル滑り用テフロンシートです。
  生地がスムーズに送れない
  場合などにテーブルに貼り付けて使用します。
   

◇ すべり対策ゴムスポンジテープ
   

4. 接着する  vs 剥がす

◎ 貼る

  接着剤は スプレータイプ、テープ、塗布タイプたくさんありますが、
  まずはスプレータイプの一例

http://www.mmm.co.jp/tape-adh/adh/airsol/spray/index.html

       
◇ 剥がす
 一例 3M のシールはがし強力
http://www.mmm.co.jp/office/others/cleaner30.html
   

       
5. ミシン針 と ミシン回転釜先

    ミシン針と回転釜。どちらも硬度が高いもの、
    通常の硬度のものがあります。

◎ PD「チタンコーティング」ミシン針
    ”PD”は、超硬度TiN(窒素化チタン)による均質な
    蒸着被膜層を形成したミシン針。
    耐摩耗性で驚異的な威力を発揮します。
    針先端部の摩耗や損傷は、曲がりや針折れにつながる要因であり、
    精密な針先端の維持が生産性向上には不可欠であると言えます。
   
   出典: オルガン針?パンフレット
   http://www.organ-needles.com/pdf/leaflet/11_PD_2.pdf

    ◇ ミシン回転カマ  DLCコーティングとは

       「ダイヤモンドのように硬いカーボン」のコーティングです。

     DLCコーティングカマの特徴

     極微量給油(条件によっては無給油)での運転が可能

     l 給油機構のついているミシンであれば、
       極微量の給油のみで回転数を落とす事無く使用可能です。

     l 給油量を最小限にできますので、
       油による縫製物の汚れを防止できます。

     l 油の消費量が減りますので経済的です。(ECO)

     回転トルクが非常に軽い

     l 回転トルクが非常に軽い為、糸抜けがスムーズになり、
       厚物・薄物を問わず縫いが安定します。

     l 薄物やファンデーションなど、
       低張力での縫製で特に効果を発揮します。

     耐久性が優れている

     l 硬質クロムメッキ(通常カマの内カマの表面)と比較して
       表面硬度が3倍以上ありますので

     l プラスチック系無給油カマと異なり、
       通常の金属製カマの上にコーティングを施していますので、
       耐久性に優れています。
            
  出典: 佐文工業所 DLCカマ パンフレットより 添付ファイル参照

6. ミシン針の先で地糸から  逃がす vs 突き刺す

◎ 織・編糸の太さに、ミシン針先形状の丸み大きさを合わせて、
      地糸を切らないように逃がします。

        最大丸み Y ポイント

◇ 新合繊といわれた高密度の生地には、
  針先が尖ったものが、針が突き刺さった時に生地が押し込まれないので、
  パッカリングなどに効果があります。
    
       SPI ポイント

    針先形状一覧表  出典: オルガン針?

   http://www.organ-needles.com/pdf/usercatalog201309/03-05.pdf

7. 製品の”アタリ”  アタリを出す vs アタリを消す

◎  ジーンズ、パンツの脇などに”アタリ”を出すため
       当て布 を使う場合があります。
        不織布、共生地など

◇  ”アタリ”を消すための 溶剤

   アタテカトール
  

8. ポケット型材   型の外側を折る vs 内側を折る ———-

◎  バイリーン PP300 を ポケットや襟のかたちに切って、
   生地の中におき、型材の外側を折る

   http://www.vicre.co.jp/product/p20_03.html

◇  型材の内側をくりぬき、
   生地の中におくと、
   正確なサイズを出るようになりました。
   また、折り線が、きっちりする(エッジが効く)ようにもなります。

      アズマ縫製研究室・メールマガジン 第14号 参照

    http://blog.azuma-jpn.com/?eid=209420

9. 印をつける  vs 消す

◎ 印をつける チヤコペン

    http://blog.azuma-jpn.com/?eid=174123

◇ 印を消す チャコけし
                        

    http://www.sanwa-kasei.jp/products.html

10. 仮接着 vs 永久接着  芯地   ( 接着力の耐久性 ) ———-
 
永久接着芯

  水洗いやドライクリーニング後も接着力が維持される。
  ブラウス、ジャケット、コートに至るまで幅広く使用される。

  接着剤は ポリアミド系樹脂
       ほとんどの素材によく接着され用途が広く .
       特にドライクリーニングにすぐれている。

       ポリエステル樹脂
       ポリエステル繊維によく接着、耐水性にすぐれている。

  接着剤の形状

      ドットタイプ
       ドット ( 点 ) の形状の樹脂で
       大きいものから小さいもので使用されています。

         大粒   厚手素材
         中粒   中厚素材
         小粒   薄手素材用として分けられます。

      スピンウェッブタイプ
       クモノ巣状の樹脂形状で基布全体についています。
       アイロン接着性はいいが表素材が少し固めにあがります。
 仮接着芯

  接着力は弱く、水洗いやドライクリーニングにより剥離することがある。
  剥離する危険が有りますのでジャケットなどの前身頃、
  見返し、裏襟、裏カフスなどの一時的に接着させることを
  目的にした補強用に剥離した方が良い場所に使用します。
  接着剤は ポリエチレン樹脂
  

   接着剤の形状

        粉末状の樹脂が付着しています。接着力が弱いので
        ステッチなどをかける必要があります。

主観的にとりまとめてみました。
組み合わせで無理があるとか、違う資材があるのではなどのご指摘も
あろうか思います。
ご叱正をいただければ、これにすぐる喜びはありません。
いろいろなアイテム、ニット、カットソー、布帛など衣料に留まらず、
シート、かばん、家具縫製などでは「このアイテムはどうやっているのか」など
宿題をお待ちしております。
よろしくお願い申し上げます。

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アズマ株式会社
縫製研究室 鵜木 隆嘉
Tel 03-3865-4861 Fax 03-3865-8743

第16回 「静電気 対策」

≪アズマ? メール・マガジン 16号≫

縫製工場様において、”静電気”の問題はずっと続いているテーマになっています。
あの不快感による健康的・精神的被害、まとわりつきによる生産性低下の静電気対策をどうしているか、
各工場の状況を取材いたしました。

【縫製工場の静電気状況 】

1.解反、延反
   生地メーカーからの梱包からとるときに発生する静電気の不快感
   延反機から生地を引っ張るときの芯棒との摩擦による静電気の不快感

2.ミシン ボタン付け、AMSなど電子カン止めなど自動機・押さえ板の
      摩擦による静電気の不快感

3.芯貼り機 芯地と生地のまとわりつきによる生産性低下

4.仕上 ロールカバーをジャケット製品などにかけるときに
     発生する静電気の不快感

【対応策】

1.加湿器
2.プラズマクラスター
3.デンキトール(静電気除去ワイピングクロス)
4.静電気除去スプレー
5.アースをつける
6.キンバ導電糸 他 各ブランド 静電 類 糸
7.静電気除去装置

【 対応 詳細 】

1.加湿器

    業務用 効果があるものの、設備投資に数百万円かかります。
           ミシンや機械の錆に注意が必要です。

          参考使用例(機種)
              ユーキャン きのこ栽培用超音波加湿器
          http://www.ucan.co.jp/

    家庭用 静電気が発生している場所にスポット的に吹きあてる。
           効果が限定的になります。

2.プラズマクラスター
    http://www.sharp.co.jp/plasmacluster/effect/
  風が常にでているので、冬期間は寒くて使用が難しいようです。

3.デンキトール(静電気除去ワイピングクロス)

   説明サイト→   http://www.vicre.co.jp/tech/t12.html


効果、持続性、コストパフォーマンスから、多くの使用者がいらっしゃいます。
   
使用例 お客様の声
   
1) ミシンの金属部分に粘着シートを貼って、空気中に放電されパチっというのがなくなった。

2) 粘着シートを貼っている方と、布で拭いている方は半々ぐらいです。
   ミシンに布タイプをぶら下げている方もいらっしゃいます。

3) 布タイプをドアのノブに巻きつけています。

4) ドットボタン打ち具に貼りました。

5) CAMに貼りました。

6) 特殊ミシンに貼りました。

7) スポンジングです。

8) 衣料ではありませんが、塗装に使用しています。
    デンキトール(布)で拭いて、静電気によるほこり付着を防いでいます。
          

4.簡易スプレータイプ
   効果はありますが、一時的で、持続性がありません。
   ふきつける対象がしみにならないように注意が必要です。
    ・エアースタット
    ・ノーボンド
     など
5.アースをつける
    
 これが単純ですが効果でやすいです。
 銅線のアンテナをつくって避雷針のようにミシン頭部へ付ける。
       
 針金を体につけてミシン足などの金属へ針金をつける。

 など工夫をしていらっしゃいました。
    

6.[除電]、[制電]、[除去]、[防止] 機能糸

  キンバ導電糸  [除電]
  エレカット [除去]
  キングせいでん [制電]
  サンダーロンSP [除電]
  パチトリーナ    [制電]
  プリベントE [防止]

   こちらの糸を束ね房にして使用されている方もいらっしゃいます。
   本来の目的は、衣料縫製用ミシン糸でありますが。

7. 静電気除去機
      設備投資に、数十万円かかります。
      扱える場所がスポット的
    参照 URL
   http://www.keyence.co.jp/seidenki/

乾燥がひどい季節もおわりましたが、
来シーズンも同じ悩みを繰り返されないよう、
一助になれば幸いです。
取材にご協力頂きありがとうございました。

  P.S.
    ご紹介いたしまた商品につきましては、
    全て弊社で取扱い、販売しているものでございますので、
    最寄りの営業担当または本メールへ返信で
    資料請求ください。

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アズマ株式会社
縫製研究室
鵜木 隆嘉
Tel 03-3865-4861 Fax 03-3865-8743

第15回 織糸とミシン糸/ブラウス縫製体験記

≪アズマ? メール・マガジン 15号≫

§1 織糸とミシン糸

§2 ブラウス縫製体験記

—————————-
§1 織糸とミシン糸
  織糸はいろいろなものがあって進化しているのに、
   なぜミシン糸は旧態全としているのかとの声がありました。

   いえいえそんなことはございません、ミシン糸も
   製品染め、ストレッチ、薄物難素材対応など研究開発をしています。

   ただミシン糸に求められるものは、
   生地と生地をミシンで縫う(組み合わせる)機能が第一にあり、
   ミシンの構造上、どうしても不可欠な絶対条件があるため、
   制限があります。

   本縫いミシンの場合
   ミシン針が下死点から上に上がるときに生じたミシン糸のループの
   中を回転釜剣先が通って、上糸が内釜を一周します。
   この動作を保つために、ミシン糸には撚りがないと、
   糸が割れて、剣先がループの中に入らなかったり、
   糸を切ったりしてしまいます。
   さらに生産性の要求から、ミシンのスピードは毎分1000回転
   以上と速い動きについていかなければならず、
   なおかつ、ミシン針穴、内釜と外釜の隙間の大きさの制限から、
   凹凸の少ない滑らかな糸が、その性能を発揮します。
   撚り糸の断面も円形に近い方が安定します。
   一方、織糸は、縦糸と横糸が交差すればよいので、
   撚りが少なくてもよく、凹凸があっても織られていきます。
   いわゆる ファンシーヤーン・意匠糸 と呼ばれる
   凸凹型の
  ・スラブヤーン
  ・ネップヤーン
  ・モールヤーン
  ・スナールヤーン
  など、織り物では様々な形を表現しているものが、
  ミシン糸の世界では、規格外、不良品として設定されています。
  ▽スラブ ヤーン 画像
  
  ▽ネップ ヤーン 画像
  
  ▽モール ヤーン 画像 
    
   
  とは言え、ステッチ、飾り糸を効率よく生産したいために、
  本縫いミシンを使いたいという要望は絶えません。
  ミシン糸屋として研究開発をしていきます。
  次回、飾り糸を縫うための、刺繍機、特殊ミシンをテーマに
  予定しています。
  また、糸の進化と言えば、ナノファイバー、機能糸など
  それこそ日本が世界に誇るものがたくさんあります。
  機能糸一覧については、当メールマガジン第9回を
  参照ください。
  
      ▲ 織機 織り糸のイメージ

  
    ▲ 編み糸もいろいろな糸があります。
      糸案内や、ベラ針の大きさなど、ミシンよりも
      大きく、自由度があります。     

  
  

 
§2 ブラウス縫製体験記
   去る2013年10月6日(日)に大阪で「縫製塾」が開催されました。

   文化ファッション大学院大学・稲荷田教授より、
   「薄物素材のブラウス 〜上手な縫製技術とパターン展開〜」の
   実習を受けて参りました。
  

   生地は 薄手の 綿100%素材です。
   ミシン糸は エースクラウン・ ハイパー #80  生成を使用しました。
まずは、デジタル・テンション・a!<%?!<(DTM)を使用します。
過去に一番きれいな縫い目に縫えた時のテンション(張力)で
記録していたものを再現、その数字に合わせることから始めました。
下糸は 5g にセット。
DTM(画像の右上部分に)ボビンケースをセットします。
ボビンケースからでている糸を、各ローラーをとおして、巻取り部に
つけて、巻取り、メーターが 5 になるように、ボビンケースを
張力調整バネを、マイナスドライバーで回します。
DTMボビンセット部は、張力計測しながらバネを調整できるような
配置に設計されているので楽です。
このとき、空転防止バネは外しています。
それによって、繊細、スムースな張力になりますので、薄手の場合は、
おすすめされました。

    
▲下糸の張力を 5g に設定中

次に上糸の調整です。
上糸 は、下糸の 5〜6倍、
25g〜30g の間にセットします。
上糸のテンションDTM計測手順は、
縫っている状態に近いものの再現が好ましいので、
押さえ棒抱き糸案内
から、糸を横に(DTM)へ引き出します。
それまでの過程は、ピンピン(糸取バネ)も全て掛けます。
DTM部分は、各ローラーを通して、糸巻き部にセットして、
スタートボタンを押し、
ミシンのテンションダイヤルを回して、
DTMメーター数字が 25〜30の間になるように
合わせます。
下糸より、ピンピンや糸の性質(毛羽・ムラ)などにより、
DTM数字は微妙に動きます。
ミシンのスピードは 1800spmにセット、
運針数は 1mm にセットします。
これで、誰もがきれいに縫える状態になりました。
私もやってみたら、当然、きれいに縫いあがりました。
各箇所でのパターン、仮止めの意味を
教えて頂きながら縫うことができたので、
上がり、ラインもきれいになりました。
 

ただ、前日講義(パターンについて)を抜きにして
縫いをはじめたこと、
ブラウス1着をつくりあげたこともなく、
勝手とまどいがあって、
完成にいたらず、袖ひとつだけの縫いあがりでした。

先生は もっと薄い 綿100%の生地を
同じハイパー糸、設定で縫い、きれいに縫っていらっしゃいました。
【 要約 】
DTMを使用すると、再現性、みんなが同じ縫い上がりになりやすくなります。

【 使用した ハイパーミシン糸 の特徴 】
エースクラウン・ハイパーミシン糸は、テイジンの世界唯一の原糸特許技術と大貫繊維独自の加工技術を合わせ、毛羽に変わり特殊ループを持つ
高機能ミシン糸です。

● パッカリングの減少
● 熱セット性能 (発生したパッカリングの消去セット性能)
● 特殊可縫性(自動縫製ミシン対応)
● 素材を選ばない広いミシン調整幅(優れた平滑性と耐熱性)

※エースクラウン・ハイパーミシン糸の他、
  マナード、フィット、ファイン・ミュー、ユウゴ等
  各ブランド複合糸を取り揃えております。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アズマ株式会社
生産課 仕入課 縫製研究室
鵜木 隆嘉
Tel 03-3865-4861 Fax 03-3865-8743

第14回 2013第37回東北ミシンショー出展品のご案内                  (アイロン型折の利用方法、他)

≪ アズマ? メール・マガジン 14号 ≫

2013年6月8日(土)、9日(日)、第37回東北ミシンショーが
青森県の青森産業会館にて開催されました。
ご来場ありがとうございました。

アズマ・ブースでは、キンバミシン糸をはじめ各種縫製資材を出展し、
「アイロン型折の実演」をいたしました。
おかげさまで好評を得、多くのお問い合わせを受けておりますので、
改めてご紹介いたします。

【 出展品 】

1.クラウンマット
<立ち作業中の疲労をやわらげるマット>

2.スケールカウンター DC180/DC350
   <ラベルやボタンの重さを計って、数量を導き出す高精度な計測器>

3.アタテカリキッド
   <”アタリ”や”テカリ”の解消する液剤>

4.ウールリフレッシュ
   <ウール用 ”アタリ”・”テカリ”消し>

5.アイロンの型折り
  <アイロンの型折り 実演内容>

一般的に ”型材” は、折られる生地の内側に置いていますが、
生地の外側に置いているのがポイントです。

内側にある型材を挟んで折る場合は、
型材の厚みの分、正確なサイズが出でませんでした。

今回ご紹介する方法は、型材を生地の外側におくため
型材を挟み込むことなく、正確なサイズを出るようになりました。
また、折り線が、きっちりする(エッジが効く)ようにもなりました。

生地が型材の内側にあるため、生地が沈み込んでいる状態になり、
折りながらアイロンをかけやすく、
新人の方でも内側型材方式よりも短時間で”しわ”にならずに
アイロン掛けができるようになりました。

では早速、 一連の流れを画像でご覧ください。





*一連の手順をPDFファイルとしてご用意致しました。
ストレートベルトの作成
カーブベルトの作成
ポケットの作成 

アイロン型折
資料提供・作業工程ご指導は 
株式会社 青森エリート様(所在地:青森県平川市)
より頂きました。
ご協力ありがとうございました。

詳細等につきましては、
弊社最寄の営業担当にお問い合わせください。

次回配信予定日は10月31日になります。
テーマは 『織り糸とミシン糸』 をお送りいたします。
よろしくお願いいたします。

☆ 追伸
弊社ベトナム法人が、9月1日より営業を開始いたしました。

名  称:  AZUMA VIETNAM INVESTMENT AND TRADING CO.,LTD .
所在地: Unit 204C, 30 Nguyen Du st.,
Hai Ba Trung Dist., Hanoi Vietnam
TEL  : +84(0)−4−3944−9846
FAX  : +84(0)−4−3944−9872
日本人スタッフ Director Oohashi Masayuki (大橋 正幸)
現地スタッフ(日本語・ベトナム語可) 
          HOANG THU PHUONG
          DAO DUY ANH
          TONG THI HA

           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
           アズマ株式会社 縫製研究室  鵜木 隆嘉
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第13回 和紙布とは何か、和紙の縫糸は可能か

≪ アズマ? メール・マガジン 13号 ≫

<目次>
第1章 和紙糸による織布の特徴

第2章 和紙糸のつくり方

第3章 和紙糸【混紡】で作られる製品

第4章 縫製糸としての和紙糸

第5章 強伸度試験機 測定結果

           
以前から綿、麻、絹、毛などの天然繊維に興味を持っておりましたが、
今回のメールマガジンの題材を旬なところでエコロジー、環境、日本を
テーマで取材をしていたところ和紙が浮上してきました。
数年前から織布に和紙の糸を使用した製品が目に着くようになり、
和紙糸の布地について調査・分析をしたいと考えますが、
ミシン糸(縫製糸)としての和紙糸の可能性についても挑戦準備しております。

第1章 和紙糸による織布の特徴
「紙」と聞くと水気に弱い、使い捨ての材料、粘りが無く「硬い」、などの
イメージを持たれる方が多いと思います。
ところが最近は、和紙糸の織布やニット地の普及に伴い、
一概にそのような性質ばかりでは無いという事が、徐々に認識されてきたように感じます。
ただ、和紙のみではなく、混紡の形式で製品化されることも多いようです。

「 特 徴 」
1.通気性が非常に良い。
2.他の繊維に比べて非常に軽い。
3.毛羽がなく綺麗な糸になる。
4.吸水性・吸汗性に優れている。
5.乾燥性・発散性に優れている。
6.元が紙なので染色性に優れている。
7.天然繊維なので焼却も問題なく自然環境に優しい(和紙糸は地中では分解されます)

● 「糸」単体になると、やはり縫糸としては柔軟性に乏しく、
縫う時の、「こすれ」や「折れ」に弱いという思いはあります。

第2章 和紙糸のつくり方
1)代表的な作り方は、和紙を1〜30mm程度の幅にテープ状に切る。
  その素材を、紙縒り(コヨリ)と同じように、撚り、糸状にします。
  勿論、紙厚とカット幅により太い糸、細い糸が作れることになります。
  そのまま、単糸で使用したり、撚り合わせて使用します。
  合繊糸などと、撚り合わせれば、【混紡】になります。
2)レーヨンのように、溶融させて糸を作る方法もあるようです。
  この方法では、パルプの代わりに和紙を原料にするだけなので、
  既存のレーヨンや、テンセルと大きな差が出ないと考えます。
  ただ、引張強力にデータの差は出る可能性はあります。
3)1)と2)の中間で、1)の和紙を漉く際に、他の繊維を混ぜ【混紡】
  とし、カットするテープ素材を改質する方法もあると聞いた事がありま
  す。

 今回は、1)または3)の素材を分析していきたいと思います。
     2)の素材も、入手できれば対比したいと考えています。

第3章 和紙糸【混紡】で作られる製品
 和紙糸の製造において、混紡されることもありますが、織布では、一般に
 行われているように、織る時に、混紡にすることも多いです。

 1.紳士服        2.婦人服
 3.和服         4.T−シャツ、キャミソール等
 5.リネン類       6.靴下・手袋類
 7. バスマット
    等々、繊維製品を作ることが可能です。
   「和紙織」「和紙ニット」などを検索すると多数の製品映像が、
    出て参ります。
    ただ、糸そのものの伸びは、かなり乏しいので
    伸度の大きい糸との組み合わせは、相性が悪いと思います。

友人に、和紙織布にて製品を生産している方がいらっしゃったので、
どのような作りの和紙織布(ニットです)を使われているかお聞きしました。
 詳細は不明と前置きされ、お札と同じ和紙の材料(三椏(ミツマタ)+麻)を使用しているとのお話しでした。また、素材によっては溶融繊維(レーヨン、テンセル)を混ぜ込む事も有るとのこと。
ただし、「綿」は、和紙原料になじまず、漉き込む事は出来ないとのこと。
漉き方は、コスト・量の問題もあり、必然的に機械漉きです。

第4章 縫製糸としての和紙糸
  和紙糸織製品がこれだけ市場に出れば縫糸も和紙の糸を使って、
  和紙製品を縫製加工する事ができれば、よりその特性が生かせるのでは
  ないだろうか。糸と織布の親和性も上がるのではないだろうか。
  硬さや風合い、強度などのバランスも取れるのではないだろうか。
  どんな染料でも染まるのではないだろうか。などの可能性が
  広がってきました。 

  幸い和紙を取り扱う備後撚糸株式会社様より、
  和紙糸の提供がいただけました。
※ ご提供糸:1240 Z 720T/M(4mm幅の和紙を720回/m撚ったもの)
  この糸を利用させていただき大貫繊維株式会社・シルク課様にて
ご協力いただき、以下の糸を試作し、縫製糸としての可縫性について
分析してみたいと思います。    
  
1)和紙の2本撚り糸。
2)和紙の3本撚り糸。
3)和紙とスパン糸を撚り合わせた糸。
   
今回の試験縫製までに、完成したのは、
1)和紙の2本撚り糸。
  「オイル無し」糸は、撚りが大変困難で、少量しか制作できませんでした。
  「オイル添加」糸にすることにより作る事ができました。
  今回の 試し縫いと、強伸度試験機測定は、当該「オイル添加」糸を使用します。
   見た目ですが、太さは スパンの#20よりは細く、テトロン#8よりは、太い。
   針は、シンガー法により選択します。
  「観察」では、伸度は無いが、「オイル無し」糸と比べ、「オイル添加」糸は、
明らかに滑らかで、特に、柔らかい(しなやか)。

≪試縫い≫ =====〜〜〜〜〜*****〜〜〜〜〜=====
 三菱 LS2–180  
 針 DPx5 #21 (シンガー法で選定)
 生地 ? 綿カツラギ:厚物   ? 中厚ストレッチ
  糸に、伸度が無い事に配慮し、下糸には伸度のあるソロスパン#20を試してみる。 
? 綿カツラギ:厚物 
  特に、ソロスパンを使う必然はありませんでしたが試してみました。
糸調子は予想通り不安定でした。やはりこの布では、スパン#30が
妥当だと考えます。高速縫いは行いませんでしたが1300回転(推定)程度の、中速縫いは可能でした(下記写真参照)。


 
    
? 中厚ストレッチ
 下糸にソロスパン#20を使用。スピード変化により
やや不安定になります。
しかし、ストレッチ素材でも伸度のある下糸により、かなりの所まで
追従しますので実用性はあると考えます(下記写真参照)。

 ※ソロスパン#20 強度:1370.5(gf) 伸度:56.6%

 ◎ 縫製糸としての問題点。
1)和紙糸は、高速性に乏しいのと太い糸しか造れない。また糸も、強度・伸度に
乏しいので、地縫い糸としては難しくステッチ糸的な使用を推奨したい。
2)縫製糸として、最も懸念されるのは、縫製時の糸の解き方と考える。
今回の試作糸は、ボビン巻仕様になっていたので、並行にしか解けない。
その為、大きな問題にはならなかった。
しかし、コーン巻きにして端から使うと、キンクが簡単に発生し、
糸の解けに従い、かなりひどいことになる事が予想されます。
この点については、再度研究の余地があるようです。
和紙の3本撚り糸、和紙とスパン糸を撚り合わせた糸についても、
研究を続けていきます。

第5章 強伸度試験機 測定結果
     平均 強度:1190(gf) 伸度:5.4%
     添付ファイルを参照下さい。
  130410 和紙縫糸 (双子,ST=OIL).pdf ←ここをクリック

≪編集後記≫*********************
弊社縫製研究室メールマガジンを編集いたしました森田と申します。
今回研究させていただいた和紙の縫い糸は、まだ商品化されておりませんが、
皆様のご意見もいただきながら創意工夫してまいりたいと思います。
また、縫製研究室・浅川は5月より常勤から非常勤となりました。
浅川へのお問い合わせについては森田を窓口とさせていただきますので、
ご遠慮なくお申しつけください。
今後とも変わらずご愛顧くださいますようよろしくお願い申し上げます。

平成25年5月7日 アズマ株式会社 企画開発課 森田達也
                   縫製研究室 浅川幸夫

第12回 ストレッチ素材を本縫ミシンで縫いたい

≪ アズマ? メール・マガジン 12号 ≫

縫製研究室にストレッチ素材を本縫ミシンで縫う上で、
多くのお問合せをいただいております。
ほとんどが、同じ傾向のお問合せでした。

=お問い合わせ内容=
20%を超える(中には150%を超える)ストレッチ性の
素材を本縫ミシンで縫いたいが、縫糸・ミシン針・ミシンの
選択・設定について、教えてほしい。 

*****=====*****

§1.2つの問題点
1.力が掛かり解放された後に、正常な縫い目を確保できるか?
2.力が掛かったときに、縫糸が切れないで保てるか?

§2.縫糸の限界伸度(切れるまでの伸び)
 ストレッチ素材には限界伸度の高い糸を選択しようと考えるのは当然のことと思います。
 以下に、代表的な糸とストレッチ素材の対応時に
話題になる縫糸を上げてみました。

〇 #60及び#50の限界伸度
 (糸を伸ばし切断された時の伸びの割合)
 ポリエステル系
 ? スパン糸     17%〜20% (ポリエステル)
 ? フィラメント糸  20%〜26% (ポリエステル)
 ? 複合糸
   ハイパー     29% (ポリエステル)
   ファインμ    18%〜20% (ポリエステル)
   キングフィット  18% (ポリエステル)
   マナード     16.5%〜17.2%(ポリエステル)
           (各メーカー公開データ)  
 +++++=====
 ナイロン系
 ? ユニロン     23%〜27% (ナイロン66)
 ? レジロン糸    30% (ナイロン66)
 ? リンリン(グンゼ)30%〜40%(ナイロン66)
           (各メーカー公開データ)
=====+++++
ポリエステル系弾性糸 
 ? RSS50糸     48% (ポリエステル)
  (フジックス)
 ? エッフェル糸   64.9% (ポリエステル)
  (カナガワ)  
           (各メーカー公開データ)

 ?−?は、素材に関係なく最も多く使用されている糸。
 +++===
 ?−?は、伸びに対応する時に、使用されることの多い糸です。
 +++===
 ?−?は、最近、ストレッチ対応糸として、注目されている
高伸度な縫糸です。

§3.本縫ミシンで使用する縫糸
  一般的に考えればストレッチ素材に追随しやすい、
  超高伸度の縫糸(?−?)を使用するのが合理的であると考えますが、
  特性を理解して使用することが重要です。

 ? 超高伸度なので、糸が伸ばされた状態で縫製されると、
   縫製後、糸が縮むことにより縫目に波うちが形成される場合が
   あります。   
 ? 縫製後にテンションをかけた場合に生地とミシン糸の
   復元力の差によって縫目が乱れる場合があります。

§4.対応策
 1. 下糸は伸びて巻かれないように弱い張力で巻き、
    上糸も同様にテンションを弱くして縫製する。
 2. 生地も同様に伸びた状態で縫製されると、
    生地が元に戻った際の縫目にパッカリングが発生します。
    生地の伸びを抑えるためにも、送り歯が針板から平行に
    上がるようにし、押え金による圧力を抑えるために
    調整バネを弱いものにする。
    また、生地に対し滑りの良い押え金を使用することを
    お薦めします。
 3. ウーリー糸の使用。但し、伸度は大きいのですが
    上糸としては使用できないため下糸として使用してください。
    下糸をボビンに巻くときは片寄ると絡みやすくなるので
    注意が必要です。テンション1〜3gf程度が良いと思います。

§5.ミシン針の選択(本縫ミシン 基準)
ストレッチ素材の場合、必要な事は次の様になると考えます。

 1. 織糸に縫い糸が刺さると糸が動けず、地糸切れ、縫糸切れが
    起こりやすくなります。出来るだけ織糸に縫い糸を
    貫通させないことです。
 2. 縫製時に素材がズレ、伸びてしまうことにより、
    針が折れてしまう場合があります。

 ということから推測しますと
 ? 針先はボール・ポイントが良い。
 ? 中厚地の場合、強い針が良い。
 
以上から
 中厚地で動きやすい生地の場合、縫製時に針に負担がかかり、
 曲がりやすくなるため、
 「DBx1−NY2(Sポイント)」をお薦めします。
 従来の2段タイプと異なり針幹はロングテーパー形状を採用し、
 高速縫製時の針振れを減少させます(下図参照)。

   薄地では 「DBx1−KN」が推奨出来ます。
   中厚地同等に曲がりを抑えるために、
   薄地の場合でも標準以上に細い針は推奨出来きません。

 【オルガン糸針関係表】を参考にしますと
  (例)#60 ナイロン・フィラメント糸では
         #9〜#11が、指定範囲。 
       (ポリエステルも同様の指定でした)
よって、
   中厚地なら 『 DBx1−NY2 #10〜11「S」 』
   薄地なら  『 DBx1−KN #10〜11 』
   という選択を推薦させて頂きました。
   
  以上、お問い合わせ頂いたお客様とのやり取りを
  ご参考までレポートさせて頂きました。  

≪編集後記≫*********************
前任の鵜木から引き継いで弊社縫製研究室メールマガジンを編集いたしました森田と申します。
研究のレベルもその活用の有用性も、お客さまとのコミュニケーションによって向上すると考えております。
今後とも変わらずご愛顧くださいますようよろしくお願い申し上げます。
残暑厳しき折り、くれぐれもご自愛下さい。 

平成24年8月24日 アズマ株式会社 企画開発課 森田達也
                   縫製研究室 浅川幸夫

第11回 「印付けについて」

≪ アズマ? メール・マガジン 11号 ≫

≪目次≫

第1章 マーカー(印付け)について
第2章 ミシンが原因の上糸切れ など

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

第1章 <マーカー(印付け)について>

弊社では縫製工場様やアパレルメーカー様の各種作業用備品・消耗品を
お届けしております。
その中でも、印付け(=マーカー)、については、それぞれの特性説明が
複雑で、解りよい説明が、求められております。
 布地等素材や現場環境によって使用条件があまりにも多岐にわたり、
その全てを網羅することは難しいと思います。
 私ども全国の営業担当を通じ、お客様との、ご使用経験なども
お伺いしまして、少しでも解り易いガイドをメルマガ11号として、
お届けいたしたく、取材して参りました。

 営業担当者の報告では、多くのお客様が、印付け・マーカーには、
チャコペル、チャコペル水溶性、チャコエースを使い分けをされて
おられます。
 その中でもチャコエースが主流でした。
————————————————————–

フェルト・ペン 型

・消えるタイプ

? チャコエース

時間の経過で消えます。

〇チャコエースは色によって、消える日数の目安が
違っています。
・紫は、約2日から14日で自然に消えます。
・ピンクは、約1日から7日で自然に消えます。
現場でのご使用は、紫色が多いです。

〇[専用イレーサー]で強制的に消せます。

・ポリウレタン混の生地で消えなかった場合がありました。
・薄い生地の場合、時々色が再び浮き上がることがありま
した。
その場合も[専用イレーサー]で対応しました。

? チェコエース「ホワイトA」
黒、濃色素材専用のホワイトチャコペン 
【自然に消えるので、水を使いたくない時に最適です。】

〇約1日から4日で自然に消えます。
〇水やアイロン熱で消せます。
●[専用イレーサー]では消えません。

? チャコエース「青」
〇水のみで消せます。
●自然には消えません。
≪使用例≫
・婦人ショ-ツ生産時に縫い合わせ目に、印をつけるのに使用。
(1枚15所)。
製品は後染色の為、そのとき消えるので、使い勝手が良い。

? チェコエース「ホワイトP」
黒、濃色素材専用のホワイトチャコペン
消したい時に消せますので、長期作業・教材用にも便利。

〇水のみで消せます。
●自然には消えません。

◎フェルト型 消えるタイプについて
・いずれも生地・環境によって消えないものや、
消え具合が違いますので注意が必要です。

・出荷のタイミングによっては、製品に印が残っていたことも
あったため、自然に消えることを待たない方も多いです。

≪使用上のご注意≫
・チャコエースを使用して水で消した所、赤茶色に印が
残ったこともありました。
水道水を使った為であり、[専用イレーサー]もしくは
蒸留水を使わなければ鉄分が残る可能性があります。

・チャコエース(紫、ピンク)で、
「ポリエステル裏地 #1818染美人」「サテン系生地」に
対して[専用イレーサー]で消した場合、染みが残るとの事
です。
この場合、「綿棒に水を付けて落とした。」との事です。

・消えた印が、袋詰め等で再浮き出したこともありました。

・使用の際、キャップを開けっ放しにして、インクが揮発し
てしまい、使用本数が増え金額がかさんだ方もいました。

・作業前に消えてしまったことがありました。

・イレーサーで消しましたが、浮き出てきたことがありました。

・輪じみになったものがありました。

・「消し忘れ」は現場で消し忘れた事も有ります。
しかし、チャコエースの場合は生地・素材によっては
時間がたっても消えず、[専用イレーサー]を使用しても
消えなかった例などが有ります。
「しみ抜き溶剤」を使用して消したようです。

≪希望機能≫
・紫(濃色)で、消えるまでの時間がピンク並みのマーカーも
欲しいです。

・ペンが、両端についていますが、液が少なくなると 
小文字側は使用出来ない。
太字のみにして、もう片側をイレーサーにすれば使い易い
と思います。

・チャコエースは3色しか無い為、色物が欲しいです。

・チャコペル、チャコエースのもう少し大きな物(割安になる物)が欲しいです。

・[専用イレーサー]の大きな物(割安になる物)

・消えないタイプ
? 油性マーカー(マジックペン)

■鉛 筆 型 

・消える(見えない)タイプ

? ルミマーカー

〇柄物生地等印付けにはブラックライトで浮き上がり解りやすい。
 通常の環境では、見えにくい。
●印そのものは、消えないので事故例が有る。
 アパレルより、使用禁止の指示が多いです。
 
≪使用上のご注意≫
・ルミマーカーをパンツのベルト部分(表)に使用。
 販売後、エンドユーザー様より、「ブラックライト設備の
 カラオケ店に行ったら、十数か所で光(発光塗料)が反応
 してしまった。」とのクレームがショップ宛に有りました。

・商品展示でブラックライトを使った先からのクレーム有り

・印付け時の痕は残ります。

・ルミマーカーのローはアイロン熱で落ちますが、
 発光塗料は目視で確認できなくとも残存し(生地にも拠りますが)、
 しみ抜き薬剤等で落とすなど仕上げが必要です。 

≪使用例≫
・通常のチャコエースなどでは消し忘れのトラブルも有り
ますが、ルミマーカーでは消し忘れても、ブラックライト
を当てなければ分からない事も有り、皆さん便利に使って
おります。

・玉縁・ポケットの印付けに使用しています。

≪希望機能≫
・ルミマーカーの替芯〜もう少し細いタイプが有れば良いです。

・ブラックライト割高(ライト・球含む)ですが、使用上は
 良しです。

・発光塗料が、アイロンで、ローと同時に落ちる商品が有れば抜群に良いで す。
工場様にとって抜群のロス軽減、コストメリットに繋がる
と考えます。

・ブラックミシンライトは、1万数千円と高価で有り、
 「欲しいが買い控える。」との経緯も有りました。
現在、通常のミシンライト=ナスコライト専用のブラックライト球が、
球だけで、安価に販売供給されています。

? チャコペル水溶性

〇水・スチーム等で消える
●やや割高
(書けない素材がある)
(消えない素材がある)

≪使用上のご注意≫
・シフォン系の生地には、チャコが付着しにくい、
付着させる為に強めに擦り、消した後、生地を見ると
跡が残っていました。
このような場合は、チャコエースを使用した。

・チャコペル水溶性とチャコ消しのセットで印付けを行って
いる方が多いですが、チャコ消しの価格が高い事で
コスト面も考え、生地によってチャコエースをと使い分けをしています。

・消えないタイプ

? チャコペル

○ペンタイプで使い易いです。手軽です。
〇人物チョークを削るより、鉛筆削り器で削れる方が
手間が掛からないので多用しています。
●消す為に[チャコ消し]を使っています。
[チャコ消し]は、いささか高価です。

≪ [チャコ消し] のご紹介 ≫

 ・チャコ・色鉛筆の残色を消します。
 ・鉛筆も、かなり薄く出来ます。
 ・油性のしみ抜きにも使えます。

≪使用上のご注意≫
・チャコペルは[チャコ消し]でも、素材により落ちない事も
有ります。

・チャコペンを使用する際、水につけて印をした為に、繊維に
入り込み、チャコ消しを使用しましたが消えなかった
例がありました。

≪希望機能≫
・以前と比較し付きが悪くなった感じがします。

・キャップ部分のハケが硬く、使いづらいです。 
歯ブラシのようなブラシ形状であれば消し
やすくて良いのですが…。
(安歯ブラシの毛の長さを1/2から1/3に
して使ってみてください。)

? クロバー ノック式チャコペル

〇アイロン熱で消えるチャコペン
●温度により色が復元してしまう事があり、現在は
使用していません。

? カリスマ シャープ・ペン

0.9mmのカラー芯を使用する、布地用シャープ・ペンシル。
7色の替え芯を提供。水溶性の素材です。 
消しゴムも、合わせて販売。 

? 色鉛筆
? 鉛筆
     
■ボールペン 型 

? イラストペン
? フリクション・ボールペン

■チャコ 型 

・消えるタイプ

? バニシングチョーク (ドイツ製)

・消えないタイプ

? 人物チョーク

扱い易いですが、欠けます、割れます。

・[チャコ消し]等で消しています。
(消えない商材も有ります)
・紳士オーダー服などで活用されています。

? 平和チャコ(小判チャコ

細い線を引く時などに使用しています。
チャコペンでは細さが出ない為です。

・印を消すとき簡単です。

≪希望機能≫
・平和チャコなどの、鉛筆タイプが有るとよい。

? 棒チョーク(棒クレヨン,チャコ)

棒チャコは、固めで長さが30cmほど有る為
適度な大きさに割って、割り口の鋭くなった箇所で、
細かい部分の印付けで重宝しています。
(人物チョーク 併用)

〇印を消す際も、エアーで飛ばす。又は、ブラシでも消える
ので、コストも掛りません。

■粉を使うタイプ

? チャコナー 

昔は使用していた工場もあったが、詰め替え用の粉の入手が
一時不能になり、販売停止と説明をしてしまった。

●上記商品は、印を付けた後に、重ねてしまうと下のほうの
印が、薄れてしまう問題が有りました。
(小ロット工場では問題ない)

? チャコライナー  

エアーで吹き飛ばせます。

●扱いづらいです。(ライン上で一定線が引けない)         

? ベビーパウダー

エアーで吹き飛ばせます。

・ラインではなくポイントして使用(肌理が細かい)して
います。使い方は工夫して下さい。  
 
■ローチャコ

? ローチャコ

ローが残るなどで使用ユーザーは少ないです。
(当方からも販売時に一言申し添えている)
紳士服、制服の縫製工場が多いです。
ローチャコに付いては特に問題なく使用中

≪使用上のご注意≫
PMCローチャコを、生地に強く書きすぎた為、蒸気でも消えなくて
困ったことがあります。

≪希望機能≫
・ローチャコのエンピツ形状(ペンタイプ)の物があれば良いかも…
・色物のローチャコが欲しいです。
・アイロン(熱・スチーム)で消したい
・生地の色によって使い分けをしたいです。

? チャコクリーンV? 

〇無地の生地(生成り・白・他)等に最適、
〇チャコエース?と比較し生地裏につかず好評との事。

・「チャコクリーンV?」は一色(=ピンク)しか無い為、
 色数が欲しいとの事。

? 袖山クロスマーカー
・水で消える話は聞いていましたが、使用先も無く、
 また現在、販売はしていません。

■転写紙 型 

? チャコ・ペーパー

■その他 いろいろ 

? 印付けドリル 

? 糸チャコ
 糸チャコを通すだけで重ねた布地をマーキング
  ・特徴
  ► 糸そのものが特許加工により、チャコの機能を持っています。
  ► 布地に糸を通すだけで重ねた布地のマーキングができます。
  ► 薄地・厚地・ニット等あらゆる素材に使用できます。
  ► 作業が簡単で、作業効率が大変よい。
  ► マーキングが落ちにくい場合もぬれた布地で簡単に拭き取れます。
   4色揃っております(赤・白・青・黄)
      

? 切びつけ:スレッド・マーカー <MM−6号 参照>

? 角ヘラ・目打ち

マーカー(印付け)について、考える事。
≪消し忘れ≫ 
全ての商材で、消し忘れ・消したつもりが残っていたとの
お話があります。

≪希望機能≫
・無理だと思いますが、素材に関わらず必ず決められた時間で
消えるマーカーが欲しいです。

・すべての素材で消えるタイプに改良を希望です。

・どんな生地でも「必ず消えるチャコ有れば」と、開発販売
したら如何かと各社から要望が有ります。

・どれも完全ではなく一長一短が有ります。そのため、
状況に寄って、多種多様な商品を提案していますが、
皆様、口を揃えて言うのは、オールラウンドな商品を
紹介してくれ。万能な物、完璧な商品を紹介して欲しい。
 とのご要望です。

・(紫外線等)自然界に有るもので消える商品があると
良いとの事です

・フリクションペンの様な商品で、色数が多く
時間が経てば自然に消えるマーカーを望んでいます。
「消しペン、溶剤を使用するのは、手間暇がかかるので。」
と話しを聞います。

・よく言われるのですが、チャコ消し自体すぐに液が無く
なるので詰め替えタイプのチャコ消しが有れば、コスト
面で助かるとの声が多いです。

・特に『消える』と銘打っている商品については、
お使いの現場に、誤解が無い様に『消えるのでは無く、
見えなくなるだけです。必ず端切れでテストして!』
と事前説明しています。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

第2章 ミシンが原因の上糸切れ など

 最近、海外で、糸切れの多発に苦慮するなどのご相談を良くいただきます。
その中でも、難題は、素材の変化に対応するためスパン糸を使っていた現場が、
フィラメント糸に切り替える時ではないでしょうか。
 その時などの一助となるよう、簡単ではありますが、
原因などを箇条書きにしてみました。

1.ミシンの「釜キズ
  上糸の切れる(特に糸割れ)、大半の原因です。

写真出典:JUKIウェブミシン博物館

 ===+++===
 ミシン頭部を起こし、左端にある「釜」を確認します。
 ?「釜の剣先」に、減り・つぶれ・キズが無い事。
    正確には、ルーペなどで、確認します。

 ?釜の外周の鉄板の、特にエッジの部分に傷が無い事。
    外周に「指爪」を立て、引っ掛かった所がキズです。
   (注) 指先の皮膚部分では、感じません。

  ◎ 傷は、ミシン油を付けた、「細棒状の油砥石」か
   「耐水紙ヤスリ:#180(やや粗)・#400(細)」で
    消します。
     この方法は、全ての金属のキズに有効です。

2.針板の針孔や、押え金の針孔に、キズが無い事。
    特に、針板の針孔周辺の、ミシン針衝突のキズは、
    「糸割れ」を起こしやすい。
    針板の針孔は、細番手で、針幹の2倍。太番手で
    1.5倍必要です。

3.ミシンの糸道
 ? 糸の通し方に間違いのない事。(糸を、全て通し直すと良い。)
 ? 糸道に傷の無い事。(最近、あまり見ませんが。)

4.針と、釜の剣先の、出会いの「隙間とタイミング」を、
標準に合わせる。

  釜の調整が出来るように、練習が必要です。
 ? 隙間がなく、接触していると、糸切れが生じます。
   また「針折れ」が頻発します。
   釜剣先の減りも急速に進行します。
 ? 隙間が、規定より少ないと、縫いが、布地より外れた途端に
   「糸切れ」します。
 ? 隙間が大きいと、当然「目飛び」の最大の原因になります。
 ? 出会いのタイミングは、標準に、無条件で合わせて下さい。
   「針棒の高さ」を、確認してから作業して下さい。
    上がっていることが多いです。

5.ミシン針の取り付け、選択
 ? 針の「エグリ」が、釜と、平行になるように、正確に取り付けます。
   「目見当」では、かなり難しい。ピンセット使用します。
 ? 針の先端の異状:針先端の潰れ・曲がり。
   「R」(=正規尖頭:普通の尖がり)や、
   「SPI」は、先端が細く繊細。特に注意が必要です。
   「J」(=最も小さいボールポイント)は、異状が出にくい。
     最初から、尖った部分が無いので、寿命も長い。
     素材的に問題無い範囲では、先端が「J」ボールの
     DBx1「S」や「‐KN」を標準に使用されることを
     推奨します。

     問題が出た場合は、
     「R」では「−NY2」シリーズ:硬い素材など
     「SPI」では「−NS」:デリケートな素材など
       と比較・検討して下さい。

≪蛇足≫ ===+++===

縫製中に、ミシン針が頻繁に折れる(ひどい折れ方が多い)場合は、
針の止めネジの不良である可能性が高い。
止めネジの先端面(針止め面)に、針軸原因で付いた「溝」状の凹みや、
先端面の不規則な「減り」が出来ていることがあります。
その時は、「針止めネジ」を交換して下さい。(擦り直しは難しい)
太いドライバーで、針の取り付けをしますと、簡単に「溝」状の凹みが
出来ます。

     +++===+++

6.糸調子バネ 
   糸調子バネは、3点あります。
 ? 糸切の残り糸の長さを決める、一番最初についている
    第一糸調子。(無い事もあり)
     弱くして置けば、問題の少ないバネです。
      =緩すぎると糸が挟まり事故になる。
 ? メインの糸調子バネ(サザエ状のバネ)
    これで、上糸張力を決めます。
     ポリエステル・フィラメント糸では、「下糸張力」の、
      4〜7倍程度の張力設定。
 ?糸取りバネ(ピンピンバネ)
   重要なバネですが、忘れられているバネです。
  ・ゴミが絡まり、滑らかに動かないと、糸の乱れ・切れが
   頻発します。その分、全体の糸張力を強くしがちです。
  ・振れ幅は、ミシンの標準値にします。
  ・決まった上糸張力の時、90〜95%の振れ幅の時が適切です。
    85%以下 = 強すぎる。
    95%以上 = 柔らか過ぎる。

7.押え金の圧力・送り歯の高さ
  素材に合わせて、送り歯・押え金を選びます。
 選択にあわせて、
 ? 押えの圧力 : 薄地・ストレッチ地 =弱くします。
    弱くする時、調圧ネジが抜けて飛ぶ事があります。
    注 意押えや針板の滑りは、良いほうがよい。
 ? 送り歯の高さ: 薄地・ストレッチ地 =低くします。
    普通本縫では、通常 「0.4〜1.0mm」の範囲になります。
    細歯の送り 0.3mmも可の時有り。
    4枚送り歯は、婦人素材では、必須といえます。

 ≪編集後記≫ ************************************
 お待たせいたしました。
おかげさまにて、研究室担当 浅川 も、3月より、完全ではありませんが、
復帰をいたしました。「これからも宜しくお願いいたします。」と申しております。
 季節は、異常な寒さで、3週間以上遅れた「梅」に続き、桜舞い散る春本番となってまいりました。
 皆様には、ご苦労される状況が続いておりますが、ファッション産業にも、新しい息吹を感じる活動も見え始めております。
 震災の傷は深く、政治経済の停滞は未だ・・・でありますが、前向きに
活動していきたいと思います。

      平成 24年 3月   
         アズマ株式会社 生産課 鵜木 隆嘉

第10回 「ミシン糸 張力測定の記録・可視化の実現」

この度の東日本大震災により被害を受けられました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。皆様の安全と一日も早い復旧を心からお祈り申し上げます。

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≪ アズマ? メール・マガジン 10号 ≫
    
<ミシン糸 張力測定の記録・可視化の実現>
                         平成23年8月19日

今まで、生地・針・糸等の相性・調整などを経験と勘で行っておりました。
この「糸張力測定装置」では、記録・可視化をすることができます。
弊社で糸・生地等をお預かりして、最適と考えられるミシン設定・糸選択設定、計測データをお届けできます。 
縫製不調の原因解決の一環としてこの装置による分析は有益です。
ぜひ皆様と共にデータ解析等に活用して最適な縫製を実現し、効率化を図っていきたいと思います。
ミシン糸も素材、種類、染料、オイリング種別・条件等々計測を行い、問題解決して参りたいと考えております。
皆様からのお問合せをお待ちしております。

**********************************

「糸張力測定装置(デジタルテンションメーター)」


1.開発目的
薄く織られた生地、細い糸で織られたオーガンジー、コーティングされた布地のように縫製困難なテキスタイルやニットが、次々開発されています。
そのような素材を美しい製品とするのに、勘と経験だけで対応するには、かなり困難な現状があります。いままでは、糸調子の重要な要素である、縫糸の張力測定には、バネ式テンション・ゲージを使用するしか無く、はなはだ曖昧で現実的には、作業員の経験と勘に頼らざるをえませんでした。
(弊社メルマガ第6号参照)
【知的縫製研究会】にて、この曖昧さを無くすべく、デジタル化・数値化できる機器が開発されました。
一定の条件の下で、ミシン糸の張力設定を再現する事もできる測定装置です。

特 徴
 ・測定数値がデジタル表示され、記録されます。
 ・表示を見ながら、下糸・上糸の張力設定が出来ます。
 ・糸が動いている(=動摩擦の)状態で、張力測定されます。
 ・USBでPCに接続して、データの記録が容易です。
 ・PC上でのグラフ化により、分析対象の把握・比較が容易になります。
 ・縫製作業のミシン糸の張力管理に最適です。

お勧め
 ・試し縫い、見本縫いのミシンの糸張力を数字で測定・記録する事が
  できます。
   海外の工場などでの、製品安定・品質向上に使用の実績があります。
   協力工場への縫製指示が、具体的に可能になります。

 ・職人技を、数値化して保存できます。
   記録された最適な糸張力値に合わせることにより、同条件に近い再現
   が可能になります。

2.標準的使用法

○下糸張力の測定
普通本縫ミシン用ボビンケースに入れた下糸を、使用に最も近い状態で測定出来ます。
測定しながら、ドライバーを使い、ボビンケースのテンション・バネを調整して設定することもできます。


       [下糸張力 測定 画像]       

○上糸張力の測定 
◎本縫ミシンは、下図のように、上糸の張力を測定します。
  糸の通し方は、ミシンメーカーの標準が望ましいです。
  工場の統一標準があれば、それでも可です。

       [上糸張力 測定 画像]

※デジタルテンションメーター小売価格198,800円/台

150gf以下の糸張力を、直接測ることが出来ます。
ロック等 環縫ミシンの大半 など。

☆「縫い糸の滑り」比較分析

 ・比較分析ですので、固定された糸調子(テンション)圧で、全ての
  対象ミシン糸を計測します。
  (「上糸張力の測定」に準じますが、【糸取り(ピンピン)バネ】は、
    通さない方が原則です。)
 ・1種1本測定の場合は、同種類(Petフィラメント:Petスパンなど)、
  同じ番手(#30:#60など)の糸を基準として比較測定します。
 ・測定は3段階以上のテンション設定で測定します。

今回は、3段階のうち、1段階のデータのみ結果を表示しました。

■ 実際の測定結果の、1段階のみの一例です。
 (基準糸:複合糸Bを25gになるように、負荷を設定した場合のみ。)

◎計測値グラフ化

各タイプの糸の分散値や平均値が自動計算されます。
その結果、複合糸Bの最小値及び平均値が小さく、分散値が小レベルだったので着目し、以下の通り特性をまとめてみました。

(複合糸B)=『ACECROWN HYPER® -SOFT』

ハイパーソフトミシン糸は、文化ファッション大学大学院テクノロジーコースを中心に産学協同研究により、開発されたミシン糸です。「デジタルテンションメーター」を使用して縫製条件のデータ化と縫い目バランスの良い縫製研究条件の法則を研究致しました。    
    
○開発目的
熱セット性、収縮性に優れる帝人のハイパー原糸を使用
・やわらかい、薄い素材に対応したい。

○開発評価
 先に行われた岐阜産業技研センターの知的縫製研究会で、文化ファッション大学院大学の稲荷田教授より、ハイパーソフトで縫製・加工された写真や現物を見ながら、ハイパーソフトの特性説明と、使用制作した製品を現物で紹介しました。撚りを既存より甘くし、スナールがほとんどなく非常に縫いやすい。優れた平滑性と耐熱性でミシン調整の幅が広く一度設定されると乱れが少なかった。非常にきれいに縫いあがっていました。フィラメント糸(ハイパーソフト含む)は、スパン糸より細い針を使用でき、上糸・下糸ともに張力変化がすくない。また、毛羽が無く糸の太さが安定しています。

参考:縫製条件「デジタルテンションメーターで測定」
  下糸張力  5g
  上糸張力 30g(上糸張力は下糸張力の5〜6倍)
  ミシン回転数 1600回転
   ☆2010年12月1日 アパレル工業新聞掲載

≪編集後記≫*********************
前任の浅川から引き継いで弊社縫製研究室メールマガジンを編集いたしました鵜木と申します。
浅川は休職をしておりましたが、現在、非常勤として原則週1回出社しております。
物作りのサポートとして、縫製研究室では、お客様よりお預かりした生地の試縫い等をいたしまして、その素材に合った、縫製条件などの提案をさせて頂いております。(原則手数料はいただきません。)浅川が非常勤ですので、従来どおり即応は難しいですが、浅川へ取次ぎをいたしご返答いたしますので、若干ご迷惑をおかけいたしますが、今後とも変わらずご愛顧くださいますようよろしくお願い申し上げます。 

   メールによる 各種 お問合せ・お申込(含:縫製研究室) 
   http://www.azuma-jpn.com/cgi-local/feedback/mail/form.cgi

        平成23年8月19日   アズマ株式会社 生産課 鵜木 隆嘉

第9回 「機能縫糸」

≪ アズマ? メール・マガジン 9号 ≫

       〜〜 【 目次 】 〜〜
第1章 機能 『 縫糸 』

 §1.可縫性を高めようと開発された縫糸  
 §2.性能スペックを特定の目的のために高度化した縫糸  
 §3.快適衣料のための機能を持たせた縫糸
 §4.光により、際立つ縫糸
 §5.糸そのものが、際立った装飾性をもつ縫糸
 §6.熱を加えることにより変化し、機能を発揮する縫糸
 §7.マシンの特性に合せて開発された縫糸
 §8.雨水などの対応のために、開発された縫糸

第2章 技術ガイド ≪ ミシン針(4) 「DBxn STシリーズ」 ≫ 

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*別表にて、機能糸一覧表をご用意いたしました。
合わせてご利用いただければ幸いです。
  機能糸一覧表 ←ここをクリック
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第1章 機能 『縫糸』

 特定の性能・目的のために開発された「縫糸」を機能縫糸と言ってみました。
 基本的には、
一般的な地縫い等に使用される、ポリエステル・スパン糸、ポリエステル・
フィラメント糸、ナイロン・フィラメント糸などを除いた、
主に衣服の縫製に使われる縫糸になります。
≪手引き ≫ *******************************************
 文中「糸」の表現が使われますが、適宜「縫糸」と読み替え下さい。
 糸色表示  DN(黒紺)・FB/F黒(フォーマルブラック)
       主に、礼服等に使用されます。
 引用資料の関係で D(デニール)/dtex(デシテックス)を混用しています。
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§1.可縫性を高めようと開発された縫糸

1.複合糸 
 コア・ヤーン糸 (コアスパンヤーン)(有芯紡績糸)
 フィラメント糸を芯糸にして、回りに、綿糸、ポリエステルなどの
短繊維でカバーするように巻きつけた構造の糸。 
・巻きつけた短繊維の風合いを持ちます。
 綿で包んだ糸は、肌に優しい。 耐熱性に優れる。
・染色性・脱色性などを綿素材にあわせられる。(カバー糸が綿糸の場合)
・芯糸の機能性を持つ。高強力でハードな縫製、洗い加工に最適。

製品紹介  
?「カバー:綿 /芯糸:ポリエステルフィラメント」のコア・ヤーン

* キンバコア   
  #30:#20:#6  49色 + 白・黒・生成
  #8   8色 + 白・黒・生成
  #3   7色 + 黒・生成
* F.T.C.エスコア  
  #70:#50   白・黒 のみ
* グンゼコア      
  #50:#30:#20    147色 + 白・黒・生成
  #8:#6:#4:#3    受注生産 のみ
≪ 参考資料 ≫ *******************(キンバコア・資料より。)
  番手  構成     強力   伸度
 #30  20/1x2(Z) 20.3N  20%
 #20  20/1x3(Z) 29.0N  23%
 # 6  14/1x4(Z) 71.5N  23%
  各社 混率(構成比率)の違いにより、強力が異なります。

?「カバー:綿 /芯糸:ナイロンフィラメント」のコア・ヤーン
* グンゼ ナイロンコア
 #40(220D/1x2)( 485 dtex.)生成だけ在庫。147色・白・黒は受注生産
 #30(220D/1x3)( 725 〃 )  〃
 #20(220D/1x4)( 935 〃 )   〃
 # 8(220D/1x5)(1,450 〃 ) 受注生産 のみ。
  
?「カバー:ポリエステルスパン /芯糸:ポリエステルフィラメント」の
 コア・ヤーン

* キンバTTコア
  #30:#20  11色 + 黒・生成
  #8       生成 のみ

 T/C混 
  ポリエステルと綿の混紡糸
  ・両者の良さを合わせ持ちます。
  ・染色堅牢度は「綿」と同水準になります。

製品紹介  
* 金竜 T/C : 日清紡 ( ポリエステル・綿 混紡糸 )
  #80  17色 + 白・黒
  #60  22色 +  〃
  #50  14色 +  〃
   (注意)色糸は、無くなり次第「廃色」。

2.新複合糸 
 難素材に対応するため開発されました。
 ポリエステル・フィラメント糸の強度と、スパン糸の可縫性を併せ持つ糸。
  見た目 フィラメント糸に近い糸と、スパン糸に近い糸が有ります。
  「JIS」に規定が無いため、番手(呼び)が 各社 独自です。
   互換・併用で使用する際には、注意が必要です。

製品紹介
 耐熱性ポリエステル・フィラメントに、異収縮ポリエステルを複合し、
  糸の表層部に均一なループを形成する。
 パッカリングに対するミシンの調整幅が広い。
  縫製後のパッカリングに対しても消去セットが効果的である。
* ハイパー 
 #80:#60:#50:#30:ロック
 全ての番手 428色+白・黒・HTP(生成)・DN(黒紺)・FB(漆黒)

* ユーゴ
 #60:#50:#30 418色 +白・黒・生成・MB(漆黒)
 #100:#80    「別注」扱い。

 
製品紹介
 フィラメントと短繊維の混繊糸
  スパンミシン糸と フィラメントミシン糸の長所を併せ持ち、
  ミシン機種、素材を問わず広い汎用性を持っている。
 抜群の可縫性が得られ、目飛び、糸切れが大幅に減少する。
  均整な縫い目が得られ、耐久性に優れている。
  シームパッカリングが発生しにくい。

* マナード−S
  F60:F50:F30  479色 + 白・黒・生成
  F80          136色 + 白・黒・生成
◎ 糸の番手表示が独自です。太さに注意して、確認の必要があります。
≪ 参考資料 ≫******************************
1.マナード番手        メーカー推奨の見做(な)し
   F30= 510 dtex    F:#30  S:#30
   F50= 290 dtex    F:#50  S:#60
   F60= 190 dtex    F:#60  S:#90
   F80= 160 dtex    F:#80  S:#120
             ( F:フィラメント糸  S:スパン糸 )
2.エースクラウン・テトロン / 同・ハイパー / カタン番手(紡績糸、S
  糸)
   #30= 501 dtex = 468 dtex = 600 dtex
   #50= 234 dtex = 234 dtex = 360 dtex
   #60= 168 dtex = 168 dtex = 300 dtex
   #80= 134 dtex = 134 dtex = 222 dtex
  #100                 = 184 dtex
《 例 》 マナード F−60を使う。
 糸の実質の太さは1〜2項のデータで解るように、ハイパー#60〜50
の間になります。
(筆者) 見た目には、毛羽がある分、太く見え、嵩(かさ)も高く、
     エース・テトロン#50やハイパー#50と同等程度の糸に
     なります。
 

製品紹介
・ ハイマルチ・ポリエステル・フィラメント + 起毛加工
  (ハイマルチ=細い原糸[Filament−Fiber]を使い、同じ太さの糸でも、
   構成繊維の本数が多い。)
・ 従来のフィラメントに比べ糸質がソフト。短繊維を含まない。
・ 起毛加工なので、糸質が均一で毛羽の脱落も少ない。
 糸質がソフトで、パッカリング防止に有効。
 均一な糸質で連続縫製に最適。

* ファイン‐ミュウ (Fine−μ) (dtex)
 #80(156):#60(180):#50(234):#30(501) 
        = 399色 + 白・黒・生成
#100(122) = 200色 + 白・黒・生成 
 #20(705):#8(940) =受注生産
* フィット (dtex)
 #60(156):#50(234):#30(468) 
        = 412色(含 白・黒・F黒・生成 )

3.ボンド糸(樹脂コーティング糸)
  糸を樹脂でコーティングした糸。
? 耐摩耗性・防水性・撚り戻りの防止を目的とします。
? ポリエステルは、耐久性を特に要求されるときに使用。
  シートベルト。エアバック。セールクロス
  (帆布:ヨット・ウインドサーフィン・ハンググライダー翼など)
  などに使用される事が多い。

製品紹介  
* MBT
 画期的に進化した“ボンド糸“
 ・ 生産過程で溶剤を使用しない。
 ・ 撚り戻りしない!!!
 ・ 粉が落ちない。 糸の中心側(今までは外側)から樹脂バインディング
   (接着結束)した糸。
 ・ポリエステル・フィラメント糸同様の外観と風合いを保ち、縫い上がり
  が美しい。
 ・コーティング剤の剥離による異物(カス)の発生が少なく、ミシン等の
  目詰まりトラブルが起きない。
 ・抜群の結束性・接着性により、2本針ミシン、多方向縫いミシン等にお
  いて糸割れしません。
 ・『撚り』の移動が抑制されるので、撚り溜りがありません。
   ループ形状が安定し、目飛びなどのトラブルが起きません。
 ・糸を切ったときに、糸が開かないので、針穴糸通しが容易です。
++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++
 #20 (255 dtex/1×3)( 765 dtex) /2,000m
 #8 (167 dtex/2×3)(1002 dtex) /1,000m
 #5 (280 dtex/2×3)(1680 dtex) /1,000m
 #1 (280 dtex/3×3)(2520 dtex) / 600m
 #0 (280 dtex/4×3)(3360 dtex) / 500g
 #00 (280 dtex/6×3)(5040 dtex) / 500g
                 ポリエステル 100%

* サンエス・ボンド糸

ナイロン・ボンド糸 (dtex)
 #40( 351): #30 ( 470):#20( 705): # 8(1,053):# 5(1,410):# 2 (2,115): #0(2,820):#00(4,230): #01(5,640):#02(7,050):#03(8,460)

ポリエステル・ボンド糸 (#番手/dtex)
 S/30(#40/420): S/46(#30/560): S/69(#20/840):S/92(#8/1120): S/138(#5/1680): S/207(#2/2520)  

◎ 両糸とも #40〜#5 58色+白・黒 / #2〜#03 生成のみ。

* グンゼ・ボンド糸
 
 ナイロン・ボンド糸 
 #30(210d/2) #20(210d/3) # 8(105d/3×3) 20色+生地、白、黒
 ポリエステル・ボンド糸 
 #4(1500d/1)3,000m #1(2000d/1)2,000m 生地のみ

§2.性能スペックを特定の目的のために高度化した縫糸

1.高伸度糸 
 伸度の高い素材に追従するなどの機能を持つ。

ウーリー糸(伸縮加工糸) 
 素材:ナイロン、ポリエステル
  非常に張力に対する反応が高い。それだけ扱いには丁寧さが必要。
  伸びたあとの戻りもよく、縫い目の乱れが目立たない。
  高伸縮縫糸と低伸縮縫糸があります。

  伸度と伸長率 
・『伸長率』は、ウーリー(特に高伸)糸で、かさ高状の糸に、軽く加重を
 掛け、クリンプが伸びた状態になるまでの伸び率。
・『伸度』はクリンプが伸びた状態から、糸が切断するまでの伸び率。

製品紹介 (ナイロン・ウーリー)
* グンゼ・ウーリー(ナイロン)(糸巻量=200g/本)
  糸種     (dtex) 強力g 伸度% 伸長率%  色数
 #210(高伸)(122/x2)1,000g 33%   80% 301色+白・黒
 #211(低伸)(122/x2)1,000g 0〜6%  80% 301色+白・黒
糸巻き量 200g(約 8,000m)
  ************************************
  ナイロン特有の優れた発色性を持っています。
  (注意)ナイロン素材の特性として、「黄変」の可能性があります。
  染色堅牢度は、JIS「普通染」に合格しています。
  #211(低伸)は、針糸(上糸)に使用が可能です。
  #210(高伸)は、通常、下糸・振糸に使用が限定されます。
  ウールの風合いで、伸縮性に富み、ソフトで弾力性のある美しい縫目。
  生地の伸びにフィットした、強い縫い目に仕上がります。

* グンゼ・クリスタル・ウーリー(ナイロン)
                     (糸巻量=200g/本)
糸種      (dtex)    色数
#0(高伸)  (110/x2)   生地
#1(低伸)  (110/x2)   生地   

* キング・ウーリー・ナイロン  (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数  
#110B(高伸)  (122/x2) 316色+白・黒・生成
#110A(低伸) (122/x2) 316色+白・黒・生成

* KBウーリー(ナイロン) (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#110E(高伸) (122/x2) 313色+白・黒・生成
#110L(低伸) (122/x2) 313色+白・黒・生成

* アサヒ熊ウーリー(ナイロン) (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#110(高伸)  (122/x2) 482色+白・黒・生成
#110(低伸)  (122/x2) 別注 扱い。

* コベス・ウーリー(ナイロン) (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#2000 (高伸)  (122/x2) 482色+白・黒・生成
#2100 (低伸)  (122/x2) 受注生産

* コベス・ウーリー・ファジー(ナイロン)
                      (糸巻量=334g/本)
糸種       (dtex)    色数
#2000 (高伸)  (122/x2) 10色+生成
#2100 (低伸)  (122/x2) 10色+生成

* 東洋ウーリー(ナイロン) (糸巻量=200g & 400g/本)
糸種       (dtex)    色数
#110[200g](高伸) (122/x2) 307色+白・黒・生成
#110[400g](高伸) (122/x2) 白(常備)。他は、受注生産

* ホシカブト・ウーリー(ナイロン) (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#555(高伸)  (122/x2) 420色+白・黒・生成
#888(高伸)  (122/x6) 白(常備)。他は、受注生産

製品紹介(ポリエステル・ウーリー)
 「黄変」に対し、優れた抵抗力を持つ。
 アイロン温度も綿素材などの高温マーク(210℃)表示に耐えます

* ポリーナ(ポリエステル) (糸巻量=200g/本)
  糸種      (dtex) 強力g 伸度% 伸長率%  色数
 #110(高伸) (110/x2) 875g  30%  80%  400色+白・黒
 #111(低伸) (110/x2) 875g  30%  0〜6% 400色+白・黒
 #151(低伸) (167/x1) 740g  26%  0〜6% 120色+白・黒
糸巻き量 200g(220dtex =約9,000m)(167dtex =約12,000m以下)
    [#151]は、主として、サージング用。
   ************************************
 染色堅牢度は、JIS「堅牢染」に合格。
 ポリエステルのもつ耐熱性とグンゼ独自の油剤処理により糸切れが減少。

* キング・ポリエステル・ウーリー (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数  
#110(高伸)   (110/x2) 297色+白・黒・生成

* マイン(ポリエステル)  (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数  
#100(高伸縮) (110/x2) 297色+白・黒・生成

* パールクラウン・ウーリー(ポリエステル)
                      (糸巻き量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#300(高伸)  (122/x2) 304色+白・黒・生成

* ロゴス・ウーリー(ポリエステル) (糸巻量=200g/本)
糸種       (dtex)    色数
#100(高伸)  (110/x2) 300色+白・黒・生成

 PTT糸 
・素材:ポリトリエチレンテレフタレート(ポリエステル系)
  本縫いの上糸として使えます。
  伸びが、非常に大きな糸です。
  縫いスピードは、一定に保って縫って下さい。低速縫いを推奨。
  薄地は、糸調子を慎重に決めないと、パッカリングが発生します。

製品紹介
* キンバ・ソロスパン
  ・スパン縫糸では、最も伸度の大きい糸のひとつです。
  ・ストレッチ性を有する製品に使用可能な縫糸。

  限界強伸度  平均伸度%   平均強度N    
  #50    35.1%    7.4N  
  #30    40.9%   11.0N
  #20    43.8%   17.1N
  # 8    47.7%   24.0N
    生産は 全て受注生産。(色糸も受注染色)

* エッフェル
  ・フィラメント縫糸
  ・非常に伸度が大きい。=60%を越える。
   (ナイロン糸でも30〜35%前後。)
  ・ストレッチ素材を縫製しても伸縮性を阻害しません。
  ・ナイロンに比べて「黄変」や「光劣化」の抵抗に優れています。
  #30 (501dtex) 白・黒・RW(生成) +200色
  #50 (252dtex) 白・黒・RW(生成) +200色
  #60 (180dtex) 白・黒・RW(生成) + 10色

* キング RSS50
  #50/2000 (249dtex) 生地、白、黒

2.製品染用縫糸
  綿素材の製品染めに対応するよう開発された縫糸です。
  後染めは、試染色してご確認の上ご使用ください。

製品紹介   
* K.V.C. [KINBA VINYLON/COTTON SEWING THREAD]
                         (パンフレット 抜粋)
 縫製時、及び染め加工後の、糸切れ・目飛びを減少させる。
 ・ 引っ張り強力は、綿糸の1.4倍。ポリエステル・スパンとほぼ同等。
 ・ 綿糸とほぼ同じ染色性。 
 ・ 混率 綿 65% + ビニロン 35%
 ・ 「オフ白」1色の設定です。
 番手 構成         強度(gf) 伸度(%)
 #50 50/3  /5,000m  1,250   9.10
 #30 18/2  /5,000m  2,130   8.08
 #20 18/3  /4,000m  3,330   9.80
 # 8 18/4  /3,000m  4,490   10.30
 # 6 18/2×3 /1,000m  ――    −
 # 3 18/3×3 /1,000m  ――    −
 ≪ 注意 ≫ ******************************
 ・ ビニロン繊維・綿繊維は、酸性溶液に浸漬すると強度劣化を起こす
   場合があります。
 ・ 酸性染色(絹・ウールなどの方法)では染色できません。  

* シキボウ・カタン糸(綿糸)「白 鳥」 
  1.HB:蛍光晒(過酸化水素、蛍光剤 使用)、柔軟剤、
       平滑剤、固形ワックスを付着。
  2.生 :洗剤で洗い、柔軟剤、平滑剤、固形ワックスを付着。
  3.精錬:漂白し、柔軟剤、平滑剤、固形ワックスを付着。
  4.後染め用:「3.精錬」と変わらないが、染色性を高めるため、
    アルカリ性を若干上げています。
    柔軟剤、平滑剤、水溶性ワックスを付着。
  5.無蛍光晒:「3.精錬」と類似しています。
    管理面で、染色釜の洗浄回数を増やし、「巻き」は、蛍光剤が
    入らない様、特別室で行っている。
    ************************************************
 #120、 #100(銀白鳥:HB・黒だけ)、 #80、 #60、
 #50、 #40、 #30、 #20、 #8、 #5、
    #60別≪ラ・モルフェ≫(無蛍光晒・色)
 ◎ 「後染め」に使用する場合は、
   「3.精錬」「4.後染め用」「5.無蛍光晒」が、適しています。
 ◎  一般のカタン糸として、黒・色糸(一部、堅牢染め)も有ります。

* 東洋カタン糸 (HW)
#120、 #80、 #60、 #50、 #30、 #20、 
* 日清紡カタン糸 (無蛍光)
  #80、 #60、 #50、 #30、 #20、
* KBカタン糸 (生地)
 #120、 #80、 #60、 #50、 #40、 #30、 #20、 #8

3.強力糸

 パラ系アラミド縫糸 
非常に強度の強い糸です。産業素材としても多く使用されています。
フィラメント糸・スパン糸 両方存在します。
近年、染色性の悪さが改善されつつあります。
耐熱性 =高温下においても、溶融、収縮せずに炭化する。:自己消火性
耐寒性・耐薬品性・高い切創抵抗
高強度・高弾性ミシン糸(伸び難い:戻りがよい)。伸度は低い。 
  ・防弾チョッキ。安全手袋。等
  ・自動車ブレーキ摩擦材。コンクリート補強材。
  ・紫外線による変色・劣化しやすいので、直射日光等より保護の必要。
  ・酸による劣化がある。(強酸には、溶融)
  ・結節強力が小さい。

製品紹介   
* グンゼ・ケブラー
  ・デュポン社「パラ系アラミド繊維」ケブラーを素材にした
   ハイテク時代のミシン糸です。
  ・「超高強力」「低伸度」「難燃性」「電気絶縁性」を持っています。
  ・素材は、ケブラー自体の「黄色い色」ですが、独自の特殊加工で、
   カラー展開をしています。
S:スパン糸
 S50(400dtex):S30(600dtex):S20(900dtex)
  この3種については、受注生産にて「色対応いたします。」
 S 8(1,200dtex): S 5(1,800dtex):
F:フィラメント糸
 F50(220dtex): F30(445dtex): F201(835dtex)
 F 5(1,110dtex) 
     
* カナガワ・ケブラー(フィラメント糸)
・色は 素材色の「黄色い色」だけです。
#30(200D/x2):#20(200D/x3)
# 8(200D/x4):# 5(400D/x3)
* エースクラウン・テクノーラ (フィラメント糸)
 ・帝人「パラ系アラミド繊維」テクノーラを素材にした
  超強力のミシン糸です。
   #30 : #20 : #8

 ポリアリレート縫糸 
製品紹介
* ベクトラン   (フィラメント糸:dtex./ )
 #50(110/x2)、  #40(110/x3)、  #30(280/x2)、
 #20(280/x2)、  #8(560/x2)、  #5(560/x3)、
 #1(1100/x2)、  #0(1100/x3)、 #00(1670/x3)、
 #000(1100/2x3)、 #0000(1670/2x3)、
  糸色は 「生地」

≪ 参考資料 ≫ 強力糸の強伸データ **********************
        強度(g/D) 伸度(%) 融/分解点(℃) 資料糸
アラミド(パラ)23-26.5  2.4-3.6 約500  (トウレ)ケブラー(F)
ポリアリレート23.0-25.9  2.7-3.8 400-以上 ベクトラン(UM-HT)X  
********+*********
アラミド(メタ)5.0-5.5  35-45  400-430 コーネックス(レギュラー)
********+*********
ポリエステル  4.7-6.5  20-50  255-260(コーネックス資料参照)
ナイロン−66 4.5-7.5  25-60  250-260(コーネックス資料参照)

4.難 撚 性 糸 

メタ系アラミド
防炎性
耐薬品性(特に 耐酸性)
高強度の縫糸。
・消防服。防災服。レーシングウェア等
・電気絶縁材。プラスチック補強材。
・直射日光は避けて下さい。

製品紹介
* エースクラウン・コーネックス
 ・素材自体が、高度な耐熱性、防炎性を有します。
 ・溶融やドリップ(しずく状に滴り落ちる)せず、炭化します。
 ・耐薬品性に優れています。
 ・取り扱いが簡単で、一般のミシンで縫製でき、針熱による糸切れが無い。
   #50/3,000m 4色:NB2(ネイビー)・OR(オレンジ)・GR4(グレー)・
              GR8(グレー)
   #40/2,000m  生地 + 3色:NB・OR・OD3(グリーン)
   #30/1,500m  生地 のみ
   #20/1,000m  生地 のみ 
   #10/ 500m  生地 のみ
 
≪ 参考資料 ≫ コーネックスの防炎性 ************************
ベンゼン核を、アミド結合で結んだ構造のため、化学的に安定。
ベンゼン核が、重なり合って密な構造となる為、溶融しにくく、既存の有機繊維に比較して、熱分解温度が著しく高い。
また、分子内に、酸素が入り難い為、非常に燃え難い性質を示します。
引火点・発火点も高く、高度の防炎性を持っていることが分かります。

* カナガワ・アラミド
   #20/2,000m 生地 のみ 

* フジックス「なんねん」
耐熱性にすぐれた難燃性素材(アラミド繊維)を使用。
 *日光や蛍光灯などの光に長時間さらしますと、変色することがあります。
家庭用駒巻/200m 色は「生成」
40s/1x2(280dtex.) 強力:11.3N 伸度:13% 

≪参考資料 ≫ LOI値 **********************************
素材が燃える為に必要な最低の酸素濃度を示す指数で、数値が高いほど難燃性の度合いが高い。空気中の酸素濃度は約21%なので(LOI=21)以上だと、空気中では燃え難い。
一般に 限界酸素指数(LOI値)が (26)以上で
あれば防炎性(自己消火性)を有しているとされます。

≪ 参考資料 ≫ 各種繊維の引火点、発火点、LOI値 **********


******************************************
※ 引火点
可燃性物質が、近づけられた炎や熱などによって、瞬間的に燃えだす
最低温度。
※ 発火点
可燃性物質を空気中で熱したときにそれが発火して燃焼を起す温度を発火点
という。

 フッ素繊維 
耐化学薬品の抵抗性が大きい。摩擦係数小(大変滑りが良い)。撥水性が強い。
生体反応性(アレルギーなど)が小さい。

製品紹介
* アサヒ熊 トヨフロン縫糸
保護服・耐熱カーテン・各種ろ過フィルター専用糸として、耐化学薬品性、耐熱性、非粘着性など、他の繊維には見られない優れた特性を備えています。
 ******************************
#8 タイプ―1/1,000m 400D/x3 強度:2,150gf 伸度:23.8%
#8 タイプ―2/5.000m 400D/x3 強度:2,000gf 伸度:38.5%
     色は タイプー1、2 とも 「焦げ茶」のみ。

* FTC PTFE
耐薬品性、耐候性や非粘着性に優れ、耐熱性もー200℃〜260℃での
連続使用が可能です。
 ******************************
440 dtex/1?3  強度 47.2N

§3.快適衣料のための機能を持たせた縫糸

1.静電気帯電防止糸
糸に 導電性を持たせ、静電気の帯電を防止する機能を持つ。
繊維(Filament−Fiber)合成時に、銅・カーボン・白色金属化合物を混入
・塗布させる方法があります。
ほとんどの合成繊維と組み合わせ可能です。
カーボン(炭素)混合繊維は、「白色」がありません。
○ 各社 糸の名称が、微妙にことなります。
 * 除電 =帯電する静電気を放電する。
 * 制電 =静電気の帯電を防止する。
 * 除去 =静電気を除去する。
 * 防止 =静電気発生を防止するとともに、放電により帯電圧を低下させる。

製品紹介
* ミレーヌ・サンダーロンSP(アクリル) 徐電 (スパン)
 ?規格 アクリル 15%  ポリエステル 85%
      #60/2,000m  濃色31色+黒 
 ?規格 アクリル 3%  ポリエステル 97%
      #60/2,000m  淡色 5色のみ
 ?    #90/10,000m  グレー+黒

* アンゼルスST 制電 (スパン)
  ポリエステル 100%(ホワイトベルトロン使用)
  #90/3,000m;#80/2,500m;#60/2,000m;#50/1,500m
    19色+白+生成+黒

* キングせいでん 制電 (スパン)
  ポリエステル 100%(東レ:ルアナ使用)
  #90/5,000m (105dtex/1x2) 7色+グレー+黒
  #50/3,000m (105dtex/1x3)  同上

* エレカット 除電 (スパン)
  ポリエステル 100%( クラカーボ使用 )
  #60/5,000m  8色+グレー+黒

* プリベントE 防止
  ポリエステル 100%( 白色金属化合物使用糸 )
  スパン糸    #60/3,000m(別注24本) 400色+白+黒
  フィラメント糸 #50/3,000m( 同上  )   同上

2.防臭・消臭糸
消臭機能を持つように消臭機能剤を、塗布または混入加工した糸。

製品紹介

* キンバ消臭糸(ウーリーナイロン タイプ)
 ・KINBA消臭糸は消臭成分を化学反応結合させた消臭糸です。
 ・汗臭、体臭に含まれるアンモニアを急速に吸着し中和消臭します。
 ・消臭能力が格段に高く、洗濯により消臭機能が欠落することが
  殆んどありません。
 ・汗臭・加齢臭・足臭に含まれるアンモニアを強力消臭しますが、
  香水・アロマなどの香り(芳香)は消臭しません。
  ***************************
糸種 (200g本)        (dtex)  色数  
ウーリーナイロン#110(低伸) (110/x2)オフ白・黒(色は受注生産)
     強力:10.95N  伸度:30%

* キンバ消臭糸(綿 タイプ)
 上記タイプと、同様の製法にて、製造いたします。
 受注生産ですので、糸色、呼び番手(太さ)は、
 発注に従い、製造出来ます。

* スイトールC
 ・コアヤーン・タイプ 
 ・汗や尿などの悪臭をスピーディに消臭。
 ・消臭効果は洗濯するたびに回復。
 ・糸に縫糸としての強力があり、ハード使用に優れています。
   コアヤーン仕様。綿カタン糸の1.5倍の強力。
  #60:#50:#30  99色

* スーパーアニエール
 ・生活悪臭(体臭・ムレ臭など)を化学的中和反応で消臭。
    アンモニア臭・イソ吉草酸臭に、消臭機能を発揮。
 ・消臭機能は、半永久的(洗濯により効果は回復)
 ・人体に安全(化粧品などの使用物質を主成分)
 ・人にも環境にも優しい天然繊維の綿糸での展開:綿カタン糸
 #60/5,000m:#50/5000m 綿100% 白・無蛍光(色糸は別注)

* ムッシュ (スパン糸)
 ・東レ消臭繊維 COSMEL 使用
 ・「誤魔化す」ではなく、臭いを「とらえる」!
   アンモニアなどの悪臭を化学的に吸着・中和し、分解します。
 ・繰り返される洗濯にも消臭効果は衰えません。
 ・優れた消臭性能!悪臭成分の吸収量が多く消臭性能に優れています。
   また、洗濯し、乾燥させることによって、消臭機能が回復します。
 ・強力がある!本縫ステッチは、勿論、環縫い、扁平縫いにも
  使用できます。
 #50/3.000m(50s/1x3) ナイロン66 100% 「生成」のみ

* クリーンダッシュ
 ・アンモニアなどの悪臭を素早くクリーン脱臭
 ・消臭機能は洗濯・乾燥により何度でも回復
   122dtex/1×2 200g ウーリーナイロン   生成のみ

◎ 消臭糸は、素材・製造方法などの違いがあります。不明な点はお問い合わせください。

3.抗菌加工糸・アレルギー対策糸
銅・銀・薬品等を、塗布または混入して抗菌性を持たせた糸。
アレルギー物質を極力除去し、加工された、肌に優しい加工の施された糸。

製品紹介  

* アルパック
アレルギーの原因物質を使用しない肌に優しい素材です。
この技術を応用した縫糸を開発。
(アレルギー性皮膚炎に治療効果を示すものでは有りません。)
 ・ノンアレルゲン加工剤による仕上げ加工。
  原綿に含まれるペクチンなどのワックス成分を除去し、
  加工剤で仕上げ。
  また、保温・静菌効果があり、肌に優しい縫糸です。
 ・厳選された染料を使用
  最も皮膚刺激性の少ない厳選された基本染料を使用。
  蛍光増白剤は、使用していません。
 ・吸水性が良い。
  従来より、吸水性の良い加工剤を使用し、
  肌に優しい縫糸に仕上げました。
 ・従来と変わらぬ可縫性。
 ◎ 同 加工の生地との併用が、より効果的です。
  ***********************************
 #50・#60 /5,000m C#生地 (200本より別注生産)

*ラ・モルフェ
肌が過敏な方のための優しい素材。
健康問題情報には、必ずアレルギー問題が取り上げられます。それほど身辺に、多くのアレルギー症に苦しむ人達が、増えていることが分かります。
中でも衣服による≪ アレルギー性接触皮膚炎 ≫は、毎年増え続けています。
アレルゲン・コントロール素材(ラ・モルファ)を開発し、皮膚が過敏な人達が安心して着られる衣服を実現しました。
 ・ノン・アレルゲンとして確認された加工剤を使用。
  「ラ・モルフェ」には構造が明らかな、安全性の確かな加工剤を使用。
 ・アレルギー抑制剤や、皮膚炎治療剤などは、全く含みません。
 ・素材は、吸湿性、通気性のよい コットン100%を使用しています。
 綿カタン #60/5,000m 21色 (無蛍光/12,000m)

*ミューファン
・純銀をポリエステルフィルムで加工し 酸化、塩化による黒ずみ
  を解消した特殊糸
  #60/3,000 #30/2,000 生地

§4.光により、際立つ縫糸

1.蓄光糸
  光りを蓄え、暗いところでは、色を帯びて鮮やかに光ります。

製品紹介
* エメライト(刺繍糸) 
  (120D/1×2) 240D/1,000m 16色(黒・濃色は、生産してない。)

* WAGON印 蓄光糸
  (210D/1×2) 420D 生成 1色

2.UV発色糸
通常は白色ですが、紫外線が当たると、鮮やかに発色します。
  例えば、白いTシャツに刺繍を施し、外に出て紫外線に当たると
  カラーが浮き上がります。 室内に入ると、また白に戻ります。

製品紹介
* WAGON印 UV糸 
 #50 (120D/1×2) 240D 7色
   
3.リフレクター糸(REF. 再帰反射糸)
 一方向の光束が当たると、その光りを反射し、華やかにくっきり光ります。
 ( 写真:左上はフラッシュの反射で強烈に光るコーン巻きの糸です。)
光を強烈に反射するので、デザインのアクセントになります。
視認性にも優れています。
ポリエステル/低融点ナイロンを芯糸とし、再帰反射フィルムをカバー
リングした、丸撚り糸。

製品紹介
* アズマ・リフレクター糸
   #5/1,000m乱  別注(23本単位)
************************** *************************
リフレクター糸          上)段カラー 中)撚り杢 下)ラメ (x15)

  
************************** *************************

§5.糸そのものが、際立った装飾性をもつ縫糸

1.段カラー糸(レインボー・カラー糸)
 短い区間で、何色かに繰り返し染め分けられた糸。

製品紹介
* エース・段カラー糸
 ・ポリエステル 100%  L=淡色  D=濃色
 ・フィラメントとスパンがあります。
フィラメント糸  #60:#50:#30:#20:#8
スパン糸     #60:#50:#30:#20

* キンバスパン・レインボー糸
・ポリエステル・スパン糸 100%    
・#30:#20

* キングクロコダイル・レインボー糸
・ポリエステル・スパン糸 100%  
・#60:#50:#30:#20:#8

2.三色撚り杢糸
  別々の色の単糸を、撚り合わせた糸

製品紹介
* アズマ・三色撚り杢糸
  #20/3x3 (2,700dtex) /460m 常備5色。

3.ラメ糸
金色や銀色・金属光沢にしたアルミ箔(銀箔も少数ですが存在)を、透明フィルムで、保護し、極めて細そく 裁断した材料で作った糸。
レーヨン素材の刺繍糸が主でしたが、最近はステッチ糸としてポリエステル製の物が増えてきました。
製品の性質より、「肌」に直接触れる部分への使用は避けていただきたい。
ジーンズでも多く使用されるようになりましたが、ハードな洗い加工では
フィルムが切断されてしまうのでワンウォッシュなどソフトな加工をお薦め
します。
 耐洗ラメ糸も、開発されておりますが、薬剤・ストーンを使った洗い
 加工をされる場合には必ず、事前に試験して下さい。

製品紹介
* エースクラウン・金・銀糸 (ポリエステル100%)
   #1 (100D.)/3,000m 金・ライトゴールド・銀
   #3 (300D.)/1,500m    〃

* エンゼルキング・ステッチ&ステッチ (ナイロン100%)
  #30(約420D)/1,000m 金・銀+8色
  # 8(約1,100D)/ 500m   〃

* エンゼルキング・ラメステージ(ナイロン22%ポリエステル78%)
  (約190D)/3,000mと1Kg巻  162色  

* フジックス・ラメ  (ポリエステル100%)
  4本合わせ/800m オーロラ色+4色
  8本合わせ/500m    〃

* フジックス・スパークル・ラメ(ポリエステル100%)
  3本合わせ/400m 11色

* キング・メタリック (ポリエステル100%)
  1号 : 3号  金・銀

* グンゼ・ラメ  (ナイロン 100%)
  RM8 (1,248dtex)/500m   9色

4.ミシン刺繍糸
  レーヨンなど艶の強い糸を着色し、ラメ糸風にした糸も有ります。
  ポリエステルなどの素材の糸もあります。
  甘撚り、双糸が 比較的多い。

製品紹介 (ごく1部を参考に掲載)
* パールヨット・ミシン刺繍糸
 1.レーヨン    (120D/1x2)240D 756色
 2. 〃      ( 75D/1x2)150D 748色
 3.ポリエステル  (120D/1x2)240D 330色
 4. 〃      ( 75D/1x2)150D 330色

§6.熱を加えることにより変化し、機能を発揮する縫糸

1.ホットメルト糸(熱接着糸)
熱により溶融し接着する材料で作った糸。下糸として(仮)接着に使用します。
○ 全て、溶ける糸でつくり、上糸がはずれるタイプ。
○ 中に、溶けない糸を撚り入れ、縫いが解けないタイプ。「引揃え」

製品紹介
* メルター
  原則的に下糸にご使用下さい。
  各 100g/本      /長さは参考(約m)
1号(細): 335 dtex(330dtex.x1)/3,000m 白、ダーク(暗灰) 2色
2号(中): 665 dtex(330dtex.x2)/1,500m   〃
3号(太):1,000dtex(330dtex.x3)/1,000m   〃
 各号に「引揃え」が あります。
各号とも 上記の基本的な溶融接着ナイロン糸に、溶けないポリエステル・フィラメント糸#60(160-200 dtex)1本を撚り交ぜた「引揃え」糸があります。下糸の機能などを持ちます。
色は各号とも 「白のメルター糸」に「白の引揃え糸(#60)」、
 以下 同様に 白に黒(#60)、ダーク(暗灰)に黒(#60)の 3種です。

2.熱収縮糸
 加熱により、糸が収縮します。 20〜30%前後。
 ・縫った部分を加熱すると、糸の収縮により、ギャザに近い表情が出ます。
 ・過熱収縮した糸に、相当に強い伸力を加えると戻る性質があります。

製品紹介
* エースキュート
  熱処理によって収縮します。ギャザーやシャーリングの縫製に効果的。
  ポリエステル100%なので、一般ミシン糸と同様に縫製が可能です。
  ギャザー縫製後に熱処理することで、ギャザーを固定できます。
   生成  33% 収縮 (110℃/15秒 スチームセット後)
   色糸  20% 収縮 (   〃             )
  生地の厚さにより効果がかわります。事前に確認下さい。
  熱処理の条件により、収縮率は変わります。
   2秒程度の加熱でも8割程度の収縮は生じるようです。
  278D /3,000m 白・黒・生成 
色糸 6本単位/エース・テトロン見本帳 全色より選択発注。納期2週間

* エースボタン
 ・ボタン付けに使用し、巻きや足のしまりを良くします。
 ・糸のほつれによる、ボタン落ち防止に有効。
 ・根巻きボタン付けでは、ボタンがしっかり立つ。
 #40/ 500m 42色 + 白・黒・生地
  

§7.マシンの特性に合せて開発された縫糸
 特定の機能要求や企画に基き、開発された糸。
  *************++++++++++++**************

1.ハンドステッチマシン専用糸
  糸の≪滑り≫や≪割れにくさ≫が大切。

製品紹介
* 絹ハンド・ステッチ 
   #8/ 150m 31色+白・黒
  #40/ 400m 46色+白・黒

2.「ボタン付け根巻き」マシン専用糸
  糸のしまりが大切。糸の終端のほつれ防止に有効な糸。

製品紹介
* ザ・ベスト
 #8/ 700m  45色+白・黒

§8.雨水などの対応のために、開発された縫糸

  *************************************
・針跡穴が残るので、完全に水漏れを止めるのは、糸だけでは困難。
・糸が、水を含み難いので、乾きが早いというメリットがあります。
  *************************************

1.撥水糸

製品紹介
* グンゼ・撥水糸  (ポリエステル糸)
   フィラメント糸 #50/ 3,000m  受注生産
    スパン糸   #50/ 3,000m   〃

2.防水糸

製品紹介
* ツキヤ・ビニロン
#30/ 1,000m 17色+白・黒

☆ 今回は機能糸のレギュラー品を掲載しましたが、この他にも特殊機能繊維の別注加工等も出来ますので、お気軽に問い合わせご用命下さい。

**********************************
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第2章 技術ガイド

≪ ミシン針(4)「DBxn ST シリーズ」
◎ 「ST」シリーズとして長く愛用されています。特別な規格の針が多い。
◎ 本縫用ミシン針。「DBx1」規格 / D(針元〜針穴上)=33.8mm
普通ガマ用(針柄 1.62mm直径)/ 2倍ガマ用(針柄 2.02mm直径)
◎ DBxn STは、針先端「J」ポイントが準正。(一部「R=正規尖頭」)
(筆者) ニット用というより『 つぶれ・欠け』防止か?
DBx9ST #9、#11は、ニットの太糸用針としても大変有用。
◎ 針幹の太さにたいして、針穴が大きい=太糸の使用が可能。
(参考)
「LE」規格 =2番手 表示より針穴が大きい。
「LE」#10 = 針幹#10 & 針穴#12
[DBx1] は、[−LE表示] ではなく [DBxK5] と表記しています。
◎ 袋表示 ⇒ 「針幹・針穴を書き加える」と解かりやすい。誤使用対策。
◎ コーティング加工針や「S」タイプは入手困難な模様。
「オプション」対象ですが、在庫・納期の確認は、必須です。                 
普通釜本縫用(針柄 1.62mmφ) 先端「J」ポイント
DBx5 ST  #16    #20     #22       
   針幹     14     18      21
   糸穴     18     21      24

    ********************************
DBx9 ST #9  #11 #14 #16 #18  
   針幹  表示同寸
   糸穴   13   16  18  21  21
    ********************************

布帛専用DBx7ST #9〜21=正規尖頭:「R」(針柄 1.62mm) 
 針穴が縦長に大きく(0.8mm上方に広がる)、エグリの位置が上方向に移動。
(筆者)多くの場合「カマ合せ修整」が必要になるので推奨しない。
DBx7 ST  #9 #11 #12 #14 #16 #18 #21 
         「R」ポイント   ニット用「J」「S」は、在庫が?
  針幹  表示同寸    針柄 1.62mm 
  糸穴  超 縦 長 = 通常の ほぼ2倍の長さ 
            = 0.8mm 穴上端が 上がる。
              (⇒ 針棒を0.8mm下げる。)
              (⇒ カマ剣先のタイミングを早くする?)

倍釜本縫用(針柄 2.02mmφ) 先端「J」ポイント 
DBx1 ST #20  #22
  針幹     18   21
  針穴     21   24
 **********************************
DBx3 ST #11 #14 #16 #18 #20 #22
  針幹      9  12  14  16  18  21
  針穴     12  16  18  19  21  24
  エグリ = 特殊エグリ&幹形状 エグリがすごく長くなっています。

********************************
◎お知らせ
 私事ですが、健康上の理由により、6月より当分の間 休職になります。
 其の間 縫製研究室は 鵜木隆嘉が代行いたしますので
 ご迷惑をお掛けいたしますが、宜しく御願いいたします。

         アズマ株式会社 縫製研究室 浅川 幸夫  

           111-0056 東京都台東区小島2丁目1−1
           Tel 03-3861-7103 Fax 03-3861-7107 
           Home-Page: http://www.azuma-jpn.com
           (お問い合せの“E-mail“は、HPから)

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説明文は、東京糸問屋協同組合 発行「縫糸ハンドブック」から、多く引用させていただきました。
販売価格 @ 3,900_(税・送料 込み) 残部 僅少 
————————————————–
ミシン針の説明につきましては オルガン針?様に、多大なご協力をいただいております。
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第8回 「縫い糸の基本など Q&A」

≪ アズマ? メール・マガジン 8号 ≫   
     
≪ 目次 ≫
第1章 縫い糸の基本など Q & A
        簡単なことから、奥深い?質問まで。
≪ 種 類 ≫
Q1.ミシン糸(縫糸)の素材にはどのようなものがありますか。
≪ 物 性 ≫
Q2.スパン糸とフィラメント糸は 何が違うのか。

Q3.ミシン糸の太さと番手
Q4.ナイロン・ウーリー糸は、何M巻きですか。
Q5.ミシン糸等は、どの位の温度まで耐久できるのですか。

≪ 製造工程 ≫
Q6.ミシン糸の製造工程 概要
Q7.色が染められる糸は、綿糸しかないのですか。
Q8.後染め(製品染め)とは
Q9.カセ染色とチーズ染色とは何の事でしょう。
Q10. ダンカラー糸は、どのように染めているのですか。

≪ 良いミシン糸 ≫
Q11.理想的な ミシン糸とは
Q12.縫いの評価には、どんな項目が有りますか。

≪ その他 ≫
Q13.ミシン糸と手縫い糸 
Q14.ロックミシンや3本針ミシンなどには、シリコーン液を入れる
上糸給油器が付いていますが、使用した方が良いのはどんな時
ですか?

第2章 技術ガイド ≪ ミシン針(3)「各部名称」
≪ 参考文献 ≫
≪ 編集後記 ≫

++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

第1章 縫い糸の基本など Q & A
      簡単なことから、奥深い?質問まで。

Q1.ミシン糸(縫糸)の素材にはどのようなものがありますか。
 天然繊維 
  1.植物繊維 = 綿、麻類、
  2.動物繊維 = 絹、
  3.鉱物繊維 = 現在 縫糸として流通していません。
 化学繊維 
  1.再生繊維 = レーヨン、ポリノジック
  2.半合成繊維 = 現在 縫糸として流通していません。
  3.合成繊維 = ナイロン、ポリエステル、ビニロン、
           ポリプロピレン、
  4.アラミド繊維 = 芳香族ポリアミド の総称
     パラ系アラミド繊維 = ケプラー、テクノーラ、トワロン、
     メタ系  〃    = ノーメックス、コーネックス、
  5.炭素繊維 = 静電防止糸などに撚り込んで利用。
  6.無機繊維−金属繊維。ガラス繊維、他

Q2.スパン糸とフィラメント糸は 何が違うのか。
【スパン糸】 
 短繊維を 紡績して作った ミシン糸。
・「絹」以外の天然繊維は、動物性(獣毛)・植物性を問わず全て短繊維であり、
紡績糸として作られます。
・ 天然繊維ミシン糸の代表は、綿カタン糸です。 
エジプト綿、並びに 毛足の長い良質綿によって作られています。
・ 衣服縫製ミシン糸として、代表的なものにポリエステル・スパン糸があります。
・ モデルの「綿カタン糸」同様の風合いに、表面が毛羽立っております。 
38〜51mm程度にカットされたポリエステル短繊維(ステープル)を紡績して
作られます。
毛羽の効果で、摩擦熱防止効果が高く、縫製時の針の温度低減に役立ちます。
  オルガン針様発表では、#50フィラメント糸に比べ #50スパン糸による
同条件縫製で、針の温度が50℃前後 低下することが測定されています。
  布地へのフィット性も高く、ルイス纏(まつ)りの糸抜けなども抑えらます。
【フィラメント糸】
天然繊維には、「絹」以外に長繊維は存在しません。
・ 絹糸のように、1本が、1,000m以上の長い繊維からなる糸。
    = 化学・合成繊維は、実質エンドレスです。
・ 通常、長繊維の撚り糸(マルチ・フィラメント糸)として製造されます。
単糸(モノ・フィラメント糸)も存在します。 (例) 釣り糸 など
・ 合成繊維の生産に伴い、絹糸をモデルにした、フィラメント糸が作られました。
・ 外観上は、「絹糸」同様に光沢の有る風合いになっております。
・ スパン糸に比べ、
同素材・同じ太さの場合には、引っ張り強度が高く、伸度も大きい。
表面に毛羽立ちなどは一切ありません。
その分≪滑り≫が良いため、ルイス纏(まつ)りの抜け等には不利のようです。
・ デリケートな素材にたいして≪滑り≫が良い分 絡みや摩擦がなく、引き傷を
つけたりする事故の発生の確率は、下記と相まって、かなり低いと思われます。
また、丈夫な分 細い糸 そして細いミシン針を選択出来ることは、婦人服で
難素材を加工する上に、大きな長所と言えます。

スパン#20(x150)


フィラメント#20(x200)

Q3.ミシン糸の「太さ」と「呼び(番手)」=糸の太さの比べ方。
(「縫糸ハンドブック」参照)
?.繊度(太さ)
  糸の太さは、「長さ」と「重さ」の関係で表します。
 *表示方法は、長さを基準にした「恒長式」と
          重さを基準にした「恒重式」があります。
○ 恒長式   フィラメント糸の「呼び」です。
 1.デニール(D)
9,000mの長さで 1gの重さの糸を 1デニール、
             2gの  〃   2デニール。
 2.テックス(tex)  テックスは、国際単位(ISO)です。  
1,000mの長さで 1gの重さの糸を1テックス、
             2gの  〃   2テックス。
 ☆ 通常は、1/10の単位『デシテックス(dtex)』で用いられる例が多い。
10,000mの長さで 1gの重さの糸を1デシテックス、
              2gの  〃   2デシテックス。

○ 恒重式   紡績糸の「呼び」です。
1.英式綿番手(E C C)  (主に綿糸・化学繊維の紡績糸に使用)
 1ポンド(453g)の重さで
   840ヤード(768m)の長さの糸を1番手、
   1680ヤード(1,536m)  〃 を2番手。
2.英式麻番手  (麻糸に使用されます。)
 1ポンド(453g)の重さで 
   300ヤード(274m)の長さの糸を1番手、
   600ヤード(548m)  〃   を2番手。
3.メートル番手  毛番手(主に毛糸・ウール・紡毛糸に使用)
 1000gの重さに対して
   1000mの長さの糸を1番手、
   2000m  〃   を2番手。

?.呼び(番手)のこと。
 日本工業規格(JIS)が定めた糸の太さを表す単位。
 フィラメント糸、紡績糸の各々について、「呼び」の総繊度の範囲が規定されて
います。
フィラメント糸と紡績糸では、同じ「呼び」でも、総繊度が異なります。
    = 太さが違うという事です。注意が必要。
『フィラメント糸の「呼び」と 総繊度』                                                                           
 呼び   総合繊度(dtex)
    # 8   978〜1100
    #20   660〜801
    #30   440〜534
    #50   220〜267
    #60   155〜190
    #80   117〜150
    #100    99〜112

『カタン糸(紡績糸)の「呼び」と「総繊度」』
○ 呼び(カタン番手)の計算法。

    原糸番手60番で3本撚の場合 60x3/3 = 60番手。 
      〃  40番で2本撚でも  40x3/2 = 60番手です。
                   ( 下記 一覧表も 参照 )

○ 但し、「呼び」は日本だけの表示です。
例えば、コーツでは「Ticket No.」で表示しており
日本の60番手は、Ticket No.#120
   50番手は、   〃    # 90 
   30番手は、   〃    # 60 に相当します。

○ 総繊度(dtex)の算出

    「呼び」  =カタン番手(紡績糸番手)
    「原糸番手」=英式綿番手
    「合糸数」:双子=1x2  三子=1x3  四子=1×4(or 1x2x2)
 ++++++++++++++ *************** ++++++++++++++++
  呼び   原糸番手(dtex) 合糸数  総合繊度(dtex)
  #8    20s 300      4    1200
  #20   20s 300      3     900
  #30   30s 200      3     600
  #40   40s 145      3     435
  #50   50s 120      3     360
  #60   60s 100      3     300
  #80   80s  74      3     222
  #100  64s  64      2     185

Q4.ナイロン・ウーリー糸は、何M巻きですか。
    約 8、000 m / 200g
     ポリエステル・ウーリー糸は 比重が重い分 短くなります。

Q5.ミシン糸は、どの位の温度まで耐久できるのですか。
 素材の溶融点・軟化点により、スパン:フィラメント糸に関係なく決定されます。
 溶融点=溶ける温度 が問題になりますが、縫糸としては軟化点=軟らかくなる温度 のほうが重要と思います。

Q6.ミシン糸の製造工程 概要 (「縫糸ハンドブック」)
? フィラメント品種 =(下)撚糸 ⇒
「Filament−Fiber」を引き揃えて右(S)撚り⇒「単糸」をつくる。
    ⇒ 合糸→(上)撚糸 ⇒ 撚止め ⇒ 染色工程

? スパン品種 =紡績(カーディング・コーミング→練条→粗紡・精紡等)= 
ステープル引き揃え,右(S)撚りを加えて紡績 ⇒「単糸」
    =(下)撚糸 ⇒ 合糸→(上)撚糸 ⇒ 撚止め ⇒ 染色工程

? ウーリー品種 =加撚→セット→解撚 ⇒ 合糸→撚糸 ⇒ 染色工程
          嵩高性を付与。
合糸→(上)撚糸 
   下撚り:右(S)撚りした「単糸」を数本合わせ、
   上撚り:左(Z)撚りして、(染色前の)縫糸にします。
    (説明における撚り方向は、ミシン糸の例です。)

『染色工程とその後』
◎ 現在 主流になっている、ポリエステルの染色方法で説明します。
<染色>  糸形態 = チーズ巻 ( または カセ )
  ↓    染料 = 分散染料 = 高圧染色機で、130℃
  ↓    時間は、白・パステルカラー:10分 〜 濃色・黒:60分 
  ↓
<R/C 処理> 表面に残留した染料等を洗浄。
  ↓
<染色機中のオイリング>  静電防止や平滑性を付与します。
  ↓
<色合せ>   目視判定   C C M 判定   
  ↓
<分巻き>  巻きながら、オイリング
  ↓
<製品に整え> ラベル貼り。袋入れ。箱入れ。

Q7.色が染められる糸は、綿糸しかないのですか。
・ ほとんどの糸は、染色されて、色糸になります。
・ そのことからいえば、染められない糸は、よほど特殊な糸になります。
炭素繊維・アラミド繊維(最近、染色糸が発表されました)など。
・ 一般的に「後染色」するアイテム。洗濯で脱色する狙いの製品。後加工を
企画する場合には、木綿素材(デニム地等々)を使用することが圧倒的に
多いのも事実です。そのため 縫糸も同じ素材である綿糸を使用します。

Q8.後染め(製品染め)とは  
・ 製品に仕上げてから色を染める方法のことです。
・ 後染め(製品染め)に使用される縫糸は、基本的には製品と同素材(繊維)の糸であれば染色可能ですが、試験染めを行ってからの使用をお勧めします。
下記 染料と繊維の染色性を参考にしてください。

Q9. カセ染色チーズ染色とは何の事でしょう。
☆ 糸を染色する時の染色法です。
<カセ染色> 
・ カセの状態で、染色剤浴をするように染めます。
  カセ染色のほうが、染色法としては、基本的に無理がなく、その分、
収縮率・染色性、含有率などに、均一性が高いとされています。
・ ただ、工業的には、生産性の向上が図りにくい。
<チーズ染色> 
・ 糸コーン(正確には染色に適した巻き方です)のような形状の糸に、
ポンプなどで染料を強制循環する形で染色します。
・ 染色均一性では、一歩譲りますが、生産性が高く、工業用糸には欠かせない
手法です。手作業の工程などが少なく、また一度に、大量処理が可能なため。
・ パッケージの形状、巻密度さらに透水性の変化などを考慮して、ポンプ圧や
流量を保つことにより、染色ムラや風合い不良等を防止し、均一性の向上が、
図られています。 
・ 現在、ミシン用縫糸は、多くがこの方法によっています。
   
Q10. ダンカラー糸は、どのように染めているのですか。
<ダンカラー> 一本の糸が 数センチごとに いろいろな色に染められて
います。(レインボー・カラー)
         スパン糸 フィラメント糸 各種番手があります。
         詳しくは、営業社員にお問い合せ下さい。
『 いくつか方法があるようですが 』 
・ 代表的な方法は、
 1. 枷(カセ)にした糸を、平面に並べ、
 2. その上に数センチに仕切られた枠を載せ、高圧釜にいれます。
 3. それぞれの仕切に、染料を入れ、
 4. 高温・加圧して、染色する。
・ 染めたくないところを、糸でしっかり縛る「絞(しぼり)染め」のような手法も
あります。

Q11.理想的な ミシン糸とは (「縫糸ハンドブック」参照)
1.糸切れしないこと。
2.縫製中に調子が安定していること。 
3.目飛びしないこと。
4.物性、色相、平滑性の経時変化が無いこと。
5.外観が美しいこと。
6.パッカリングをおこさないこと。
7.熱収縮が少ないこと。
8.縫目強力の劣化が無いこと。
9.色落ちしにくいこと。
◎ 適度な「伸び」があること。
◎ 適度な「しなやかさ」があること。
◎ スナールやキンクが不適なほど発生しないこと。
  (参考)スナール:糸の撚りが、強すぎたり、アンバランスなため、
           糸がくるくると絡まるようにもつれる現象。
キンク :糸が硬いため 小さい玉を形成し、針金が折れたように
           なってしまう現象。
 ☆ 低伸度の綿カタン糸が理想とされることが多いようです。

Q12.縫いの評価には、どんな項目が有りますか。
(「縫糸ハンドブック」参照)
1.パッカリング       2.縫いずれ
3.縫い伸び         4.布よじれ
5.地糸切れ         6.縫いやすさ
7.糸切れ          8.糸締り
9.ルーピング        10.縫い傷
11.縫い目の美しさ      12.目飛び
13.空縫い
◎ ミシン糸の「可縫性」について
?パッカリング、?糸切れ、?糸締り、?ルーピング、?目飛び、に関係があり、
主に ?糸切れ、?目飛びが無く 縫い目が美しいことを
「可縫性」が良いといいます。

Q13.ミシン糸と手縫い糸
 ミシンに掛けて用いる糸を「ミシン糸」
  縫製目的により、異なった種類のミシンがあり、ミシン糸もこれらの性能に
適したものが要求されます。
  太い糸を使うものは、バッグ・靴・自動車シートなど。
高速縫製の布帛やメリヤスなどには、細番手スパン糸が多く使われます。
  細い糸が好ましい婦人服には、細番手のフィラメント糸が使われます。  
 手縫いに使用する糸を「手縫い糸」  
  多くは、ミシン糸に比べ、カード巻きや少ボビン巻きとなり、利便性を図って
います。
 ≪ 基本的な違い = 撚りの違い ≫
  ミシン糸は、左(Z)撚りが 基本です。
   稀に 2本針ステッチ用として、右(S)撚りのミシン糸も見られますが。
  手縫い糸は、右(S)撚りが 基本です。
   右手で、運針した時に 撚りがさばきやすいためと言われております。
   「ミシン糸」で、手マツリ作業などをしますと、絡みやキンクが生じ、
使いづらいのは ここに起因していると言われています。

Q14.ロックミシンや3本針ミシンなどには、シリコーン液を入れる
上糸給油器が付いていますが、使用した方が良いのはどんな時
ですか?

基本的には、上糸とミシン針の潤滑と針熱の冷却が目的です。
 針熱が上昇しますと、ミシン糸のみならず、生地の地糸も素材によっては、
 溶断し、地糸切れも起こします。ニット系素材は、重大事故になります。
糸、針が潤滑ですと、貫通抵抗なども減少し、縫いの安定にも繋がります。
 この装置が付いているミシンは、対象がデリケートな素材や、高速縫の
 機種であると思われます。
出来れば 日常的にオイルを使用されたほうが良いと思います。
難素材・高速縫いをする場合には、積極的に活用すべきでしょう。
  ・ 注意すべきは 過剰な添加による「油シミ」です。
  ・ 日常使用していないミシンでは、タンクに注入しただけでは、必要分
    染み出ません。 糸・針の触るフェルト部分にも、直接注油します。
  ・ ロックではオイル・タンクが複数付いているのが普通です。
注油忘れの無いように。

第2章 技術ガイド 
≪ ミシン針(3) 「各部名称」

前2回を 読み返して見ますと、針に付いての、基本的な説明が無い為、
解かり難い部分がありました。今回 遅ればせながら、このテーマにさせて
いただきました。(=オプションの設定)
針は、現物をルーペで観察しましょう!! 

≪ 針 柄(え) (針 軸)(シャンク)≫  Shank   
ミシンの 針棒に差し込む取り付け部分です。 通常 最も太い部分になります。
「針軸」は「針幹」と混同しやすいので「針柄」というほうが好きです。

≪ 針 幹(かん) (ブレード)≫    Blade 
俗に「針の軸」などとも言う、針の基幹となる部分。
「表溝 Long-groove」 
糸の通る溝です。針穴まで通ります。
糸に合った針を選ぶとき、「針穴」と共に、大切な要素です。
「裏溝 Short-groove」 
環縫(ニット用)主体に開発された針は、エグリ側にも溝があります。
環縫では、ループ形成に、「裏溝」が糸の通り道として必要なためです。
溝のない針に比べ、2番手程「曲げ強度」は落ちます。
「テーパーブレード」 
針幹がテーパーにしてあります。「−NY2」「DCx27」等、増加方向。
 針振れが少なく、目飛び・針折れ・針温度に有利。
「針幹が標記より細い針」 
「KN」「SF/NS」は、針幹が、標記より約0.8〜1.6番手細い。

≪ 針 穴(糸 穴)≫   Needle eye
 糸に合った針を選ぶ上で、最も大切な要素です。
 「LE」は、標準より2番手大きい「針穴」の針です。

≪ エ グ リ(スカーフ)≫   Scarf 
 エグリ部位で形成される糸ループを、釜の剣先で取らせるための重要な個所です。
各社が、技術と特長を持ちます。  Ex. クリフスカーフ = 舟形エグリ

≪ 針 先 形 状 ≫  Needle point
針穴横の部分より針先までの 針の形状を 言います。( 針の先端を除く )
オルガン針?の特長が現れています。
「標準( レギュラー )」形状  
DBx1の 標準の「針の先形状」
「ややスリム」形状 
 針穴上部から針先までを、やや細くなるように絞込み、スリムにした。
DBx1「S」  = 針先端は「J」ボール・ポイント
DBx1「SPI」=「S」ポイント同形:針先端は「SPI」
「スリム・ロング」形状 
針穴横から針先までを1番手以上細くし、かつ延伸して、貫通抵抗を抑える。
   DBx1―KN / ―SF ( 針先端「J」 ) 
―NS( 針先端「SPI」 ) シリーズなど。

≪ 先 端 部(ポイント)≫   Tip of the Point
文字通り 針の最も先の部分。 生地を貫通し、針と糸を導く、重要な部分です。
「尖(とん)がり形状」 
「R」= 標準の針で 全ての針の原型になっております。 
正規形状(レギュラー・ポイント)
 「SPI」= 先端部が スリムで鋭い。= 「NS」「SPI*」  
「ボール・ポイント形状」 
 「J」= 実質 一番小さいボール・ポイント =「S*」「KN」「SF」
 「B」「U」「Y」=太めの糸で編まれるニット地に使用されます。
 「Q*」= 先端が欠けにくい、尖がり先端「R」と考えた方が安全。

≪ 針の主要寸法  ≫
 A : 針柄(針軸)の直径(φ)寸法  
 D : 針軸頭頂部より 糸穴の上端までの 長さ
  A・Dが一致していれば、ほぼ同じグループの針と言える。
    環縫い系の針でも本縫で使えることが多い。
    逆は、リスクが有ります。( 針幹項「裏溝」参照 )
 N : 針柄の長さ。長いほうが、針振れが少なく目飛びしにくい。
 E : 針の全長。 環縫いミシンでは、糸取りタイミングに関わる。

 ミシン針 各部の名称 参照図

≪参考文献 等≫ ******************************
「縫糸ハンドブック」平成12年 第2刷 東京糸問屋共同組合 発行
  大変 優れた参考書。ミシンやニット編み。織り組織など、あらゆる項目を
  網羅。著者も編集スタッフもその道のプロ。 発行元、残部僅少。
    A4版 290ページ @¥3,900_(税込み・送料込み)
    お申込は弊社営業社員に!!( 支払手数料は、ご負担願います。)

「オルガン針? 赤表紙」=ユーザーカタログ
「ミシン針の話」は継続したいと思います。
日常の参考資料にも、大変役立ちます。弊社営業社員にお申付け下さい。
近日中には、オルガン針?様より、新しいカタログが発行予定です。

「オルガン針? 様  HP 」    
http://www.organ-needles.com/japan/index.html 
  同 ミシン針・電子カタログ
http://www.organ-needles.com/japan/product/index.html 

≪ 編集後記 ≫ **********************
  今回は社内外の『糸に付いての疑問に、解かりやすく?答える』特集
という「メル・マガ」にしてみました。
しかし 残念ながら、字が多く
『大変解かりづらい』特集になってしまいました。ご勘弁下さい。
  糸の話には、専門家レヴェル?の話も入っています。
“薀蓄(うんちく)話”にどうぞ。

  新年を迎えたと思いましたら、「あっ」と、言う間も有ればこそ。
桜花・桃李も遠くなり、周辺では、ツツジ・藤花も過ぎました。
いよいよ菖蒲(あやめ)・杜若(かきつばた)の季節が廻り来ました。

大変な時節ではありますが、未来に向けた芽も、いくつか探せる今日この頃です。
  皆様には、お体を大切に、元気よくお過ごし下さい。

また 物作りのサポートとして、縫製研究室では、お客様よりお預かりした
生地の試縫い等をいたしまして、その素材に合った、縫製条件などの提案を
させて頂いております。(原則 手数料はいただきません。)
また お急ぎの場合は、電話・メールによる相談もお受け致します。

物作りに必要な情報を、お客様と共有いたしまして、問題解決の一助と
なれれば幸いです。

 アズマ 株式会社 ホーム・ページ
        http://www.azuma-jpn.com/
     縫製研究室 ブログ
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     メールによる 各種 お問合せ・お申込(含:縫製研究室) 
    http://www.azuma-jpn.com/cgi-local/feedback/mail/form.cgi

     平成21年5月 アズマ株式会社 縫製研究室 浅川 幸夫