第7回 「滑りについて」

≪ アズマ? メール・マガジン 7号 ≫
[ ≪ 滑り ≫について ]
第1章 ≪ 滑り ≫
§1.≪ 滑り ≫ スプレー & 塗布 
§2.≪ 滑り ≫ テープ & シート 貼り付け
§3.≪ 滑り ≫ ミシンの部品・アタッチメント
§4.≪ 滑り ≫ 対策 別の視点から。
第2章 技術ガイド ≪ ミシン針(2) DBx1「S」 ≫
  編集後記   
( 付表  リンク & ≪ 別表 ≫ )

第1章 ≪ 滑り ≫
≪滑り≫の悪い素材が増えています。
縫製時の対応策を集めて見ました。
 滑らない素材は、送りが不調で縫えません。
本縫ミシンは、生地が正確に送られることを前提にしております。
   ≪滑り≫が悪いと糸調子が成立しません。
   特に 高速縫いは困難になり、作業効率も大幅に低下します。

§1.≪ 滑り ≫ スプレー & 塗布  
〇 = 特性  ※ = ≪滑り≫対策 使用時にはご配慮下さい。

1. シリコーン ( スプレー )
最も 軽便・一般に行われている方法と思います。
  * キンバ・シリコーン・スプレー   420ml 
     さらさらした細かい霧のタイプのシリコーン・スプレー。
糸の潤滑にとても向いていると思いますが、
     デスク面などの≪滑り≫にも気軽に使いやすいです。
    ≪ ロング・ノズル ≫
     標準の噴射ノズルの他に、長いパイプの噴射ノズルが「替え」としてあります。
ミシンの狭い奥の部分・糸コーン1本だけに手元で吹き掛けたい時 などには便利です。
( 噴射も多少弱くなります。)
パイプは樹脂製ですので、使用に合せ適当な長さにカットすると、一層使い良いようです。
   ◎ 必要な方は、弊社営業社員に声をお掛け下さい。
  
  写真FILE  8710写:メルマガ-7-PK100 スプレー&リング押え 
MM7号 スプレー

             キンバ・シリコーン・スプレー 
 オザワ工業 F−16 :    : オザワ工業 一時硬化スプレー

* オザワ工業 : F−16 シリコーン・スプレー 430ml  
  縫製用に開発されたF−16シリコーン。 
滑らかさを必要とするあらゆる用途に。
  * 東レダウコーニング : トーレシリコーン・ジェット 420ml
     どちらかというと 糸の潤滑性に向いている。
キンバに似ている?タイプ。

〇 スプレーが、多種多様に販売され、非常に作業が楽です。
     ≪滑り≫が、かなり簡単に 改善します。
     糸の ≪滑り≫ の改善にも 活用。

  ※ コーティング素材など、密着・張り付き 滑らない素材もあります。
シミになるとかなり落としにくいのが、最大の欠点かも知れません。
     粘性が低いタイプは、シミにはなりにくいが、持続性に乏しいようです。

2.ミシン油 ( スプレー )
  塗布( スプレー )し、拭き取ります。 
  ウエスに染み込ませ、サビや汚れを落とすように擦りつけて、
乾いたウエスで空拭きします。
* オザワ工業 : SF オイル・スプレー  220ml 
     従来の油差しに換わって、手を汚さず注油出来ます。
* オザワ工業 : DB オイル 缶入り
   残念ですがスプレーはありません。
今回の目的には、SFオイルより適切と思われます。
    SFに比べて やや粘度が低いです。    
≪ 覚え ≫ ++++++++++++++++++++++++++
 オザワ工業 : ジャガー・オイル・スプレー
今回不向き:ジャガード機用潤滑オイル。
  オザワ工業 : グリン・ガード・ルーセン  
今回不向き:防錆・某556的オイル。
オザワ工業 : 「ドライコート」 
 今回不向き:持続性 高性能 添加剤系の潤滑剤。
   +++++++++++++++++++++++++++++++++

〇 シリコンで不可な素材の時、対応することが多い。
   手軽。安価。身近に存在。無駄にならない。
※ 場合によってはシミになり易い。(落とすのは、比較的「楽」?)

3.フッ素樹脂 ( スプレー ) 
   塗布( スプレー )し、乾いて(ドライ・コーティング)から使用します。
* ファインケミカル(三和化成 扱)
TFEコート・スプレー 420ml
  * 共栄化学産業  (三和化成 扱)  
TF−80 スプレー  420ml 
    三和化成様では,TF−80を扱い易いとして推奨。安価です。

  〇 ドライ・コーティング・タイプのため、シミが 出来にくい。
    やや 高価だが、効果が長持ちするようです。 目だった欠点が無い。
                               
4.「一時硬化スプレー」の潤滑剤としての使用
   ミシンテーブル表面に吹き付けると 微粒子表面が形成され、
≪滑り≫が 改善されます。
  * オザワ工業 : 一時硬化スプレー 365ml

  〇 特に、合成皮革の 縫製対策に お勧めです。
※ 白い素材などへの 汚れ付着などは、現在 未確認。
  必ず使用時には、テストをして、製品の安全を確認して下さい。
(スプレーに、注意書きの表示有り)

5.シッカロール・パウダー ( ベビーパウダー等 ) 使用
  〇 この方法以外、対応の出来ない素材があります。
※ パウダーが落ちにくく、「汚れ」になることが 多々あります。 
あくまで、絶対に 適応する素材にのみ使用する方が、無難でしょう。

§2.≪ 滑り ≫テープ & シート 貼り付け

1.≪ 滑り ≫ テープ   
オザワ工業
* シリコム・テープ・キット 
 5cm x 25cm  4枚セット 
+カッター・溶剤・ビニール板
 NIPPO  ( カタログ‘05 P.86〜7 参照 )
* ニトフロン・テープ(日東電工) フッ素樹脂 
   
   写真FILE 8724写:メルマガー7 奈良押え
MM7 押さえ

  NIPPO NT-18 テープ貼付  JUKI 純正。
 規格 ≪ 別表 ≫ 最終ページ参照 
   973UL   基材にガラス繊維  特殊用途。
   903UL   一般用:色に「黒」「ベージュ」が有ります。
* チューコーフローテープ    シリコーン系
   AGF−100  基材に ガラス・クロス  
芯貼り機ベルト補修など
   ********************
   ASF−110  一般用   長さ 10m
      厚さ 0.08 : 0.13 : 0.18 : 0.23 mm
    巾  13 : 19 : 25 : 30 : 38 : 50 mm :
        100 : 150 : 200 : 250 : 300 mm
* テフロンシート    「アロンアルファ201」を使用して、
押え金などに貼り付ける。
   厚さ 0.5mm 1.0mm 1.5mm 
 巾 25mm x 長さ 1m

2.≪ 滑り ≫ シート ( 面接着 )
* オザワ工業 フッ素樹脂テーブルブ Lサイズ(20x72cm)
Mサイズ(20x62cm) 
Sサイズ(20x52cm)

* オザワ工業 シリコム・テープ   30cm x 75cm
* NIPPO ペタロンシート( テフロン製品 ) 
      アイロンの底に粘付。 その他≪滑り≫を 必要とするもの。
厚 0.18mm  232mm x 150mm  6枚入りセット

§3.≪ 滑り ≫対策 ミシンの部品・アタッチメント

≪ 滑り ≫素材や、対策を施された部品・アタッチメントを選択・使用します。
   テフロン製の押え。 テフロン・メッキ・コーティング針板。等々。
≪ 滑り ≫に工夫を加えた押えが、発売されております。
   需要の点か、本縫い・薄物用・標準普通押えor段付きに限られる傾向。
また、§1.§2.を併用するのは、ともに有効です。
   シリコーン・スプレー & 低番手 ミシン油 塗布・磨き等々は、
押えのヒンジなどの潤滑、金属面のサビ ( シブ ) 落しにも有効。

1.針板・角板   テフロン・メッキ・コーティング
   日常の使用にも、≪ 滑り ≫対応のミシン部品は良い。
* NIPPO テフロン・メッキ・コーティング 針板(=3枚歯・4枚歯)。 
 同    角板  ミシン1台に1枚です。
安価 =<2005カタログ未掲載> 

2.テフロン製の押え金  
  ≪ 滑り ≫対策については、テフロン押えが普及しています。
  〇 テフロン押えは、各社から数多く出ていて、手に入りやすい。 
比較的、安価です。
    交換・加工用のソリ部品も、各種販売され、簡単に購入できます。
加工がしやすいのも特徴です(加工には、彫刻刀を推奨します)。
  ※ テフロンは、柔らかいので、ソリを厚く作って有ります。
     必ず、押え棒ダキの「糸掛け」の、高さ調節を行う必要があります。
( NIPPO NT-18は、通常の押えと同高で、ほぼ無調整で交換可 )。
    柔らかいので、メンテナンス 必須。
底に「送り歯」の溝ができます。紙やすりで平らにします。
減って薄くなったら、「ソリ」を交換します。

3.テフリー アルミ材に 硬質≪滑り≫メッキ。 嶋田機器工業?
  〇 ≪ 滑り ≫が良い。
    軽い為、押え圧力を弱く出来る。高速縫いに、非常に効果が高い。
     (注)ステッチ定規を取り付けると、「軽さ」は相殺されます。
    普通の金属押えと高さが同じなので、押え棒抱きの調節が不要。
  ※ ソリの底が減りやすく、硬質なだけに布にキズをつける恐れが
高いようです。
    交換は、メーカー送りが原則なので、手間と、時間、コストが
かかります。
     ( ソリの後端に 硬い金属を入れて、減りを防ぐ工夫をした
タイプもあります)

4.NIPPO ≪ 滑り ≫加工押え
 ほとんどが、本縫いの標準押えタイプ。または、同スキー押え。
( 針送り兼用を含む )
・ テフロン・メッキ・コーティング加工
・ 硬質テフロン加工
・ ハーフ・テフロン加工

5.スライド・リング 日本工研   NIPPO等 類似商品 発売。
   テフロン製の リングを テフロン製専用押えに取り付けてあります。
   構造上 送り歯は、4枚送りが適しています。 

〇 生地の動きとともに そのリングが、生地とともに回転し、
生地のズレを防ぎます。
    縫いズレ対策としては、大変 有効です。
    ≪ 滑り ≫の悪い素材でも、かなり 対応ができます。
※ 細かい部分には、形の制約がありますので使いにくいです。
地縫いなどに向いています。 
適合しない素材のときは、即、別の方法にしてください。
  底面積が広いせいか 不安定になる事があります。

6.テフロン系テープを ソリ底面に貼り付け ( §2.前述 )
   金属押えしか、存在しない押えは多数あります。それを活用します。
   ≪ 滑り ≫の良いテープを、ソリ底面に上手に貼り付ける事で
≪ 滑り ≫を実現する。

§4.≪ 滑り ≫対策 別の視点から。

1.4枚 送り歯  
4枚送りは、3枚歯より 送る力が強く安定しています。
    その分、 押え圧力を 下げられます。
         細かい歯の 送り歯を 使用出来ます。
≪ 滑り ≫対策には、(+)です。

2.補助具PPバンドor 紙やすり添え縫い。紙テープ伴縫い
   スライド・リングと同じ発想ですが、はるかに効果が大きいことが
多いようです。

3.針送りミシン & 上下調整差動送りミシン 
積極的な対応となり、対応力は かなり向上が期待できます。
   この種のミシンで、ラインが組めるほどには、所有しない工場様が
普通です。

4.押え圧力系の改善 「オイル・ダンパー」「エア・ダンパー」
= 自動車のサスペンションを考えるとわかりやすいと思います。
今まで、バネだけで「押え」に 圧力を掛けてきました。
その為、ミシンの回転が速くなると、送り歯に追従できなくなります。
  対策は2点でした。
 1.圧力を強くして、踊らないように抑えこむ。
2.回転を落とし、「衝撃の連続」のレベルを低下させる。 
  例示のダンパー2種は、何度も振動するバネの「不要な振動」を1度で押えてしまう
事によって、ミシンの送り機構のもつ能力を100%発揮させようとするシステムです。
  自動車で云うところの オイル・ショック、ガス(エア)・ショックと同じ考え方です。

「オイル・ダンパー」 
= 流体可変装置「ハイドロ・アジャスター HA−14」
?ハシマで 発売しております。 
現在 一般に手に入る 唯一のものです。
取り付け、調整に やや経験・知識が必要です。
*****************************
( HPカタログの一部分 )
1000〜3000回針の間では、押えが完全に同調しますので、
非常にスムーズで、能率的に縫製をすることが出来ます。
ベルベット・カシミヤ・ニットなどの素材の柔らかさや厚みに対しても、
押えの圧力が、ハイドロ方式でアナログ的な圧力のため、素材に優く、
キズを付けずにきれいな縫い上がり。
****************************
「エア・ダンパー」
現在 販売は確認されておりません。
工場自作で使われる例が増えております。
 オイルより 粘性がない分、ダンピング性能に優れる為、
高回転に対応します(検証未了)。
   エアの圧力を変える事により、微妙なセッティングも可能。
   弱めのバネとの組み合わせなど 数々のトライが、可能です。

8.一時硬化スプレーの硬化機能
   柔らいため、縫製が困難なニット素材などに、吹きつけて
硬化させるために使用します。
ぬれる程度 吹きつけ硬化させる事から、シミには厳重な注意が必要です。
特に、アイロンなどの工程が加わって、シミになった場合は最悪ですので
必ず使用時には、テストをして、製品の安全を確認して下さい。
(スプレーに、注意書きの表示有り)

第2章 技術ガイド ≪ ミシン針(2)DBx1「S」≫
    針の先形状「S*」
=「 ややスリム 」形状 & 針先端「J」ボール 

「S」ポイントと言い慣れた事で「ボール・ポイント」の大きさと
覚え違いしている方が多いようです。
  (「S*」の*は オプション仕様の意味で 著者加筆。)

1.「S*」の 仕様
針幹     : 番手 通り
針穴     : 番手 通り
  針先の形状  : やや スリム 形状  
針の先端   : 「J」ボール・ポイント 

 針先の形状  とは 先端(ポイント)を除く、針穴横の部分より針先までの形状
を言います。

「S」は、オルガン針様が 独自に開発した「 針先の形状 」
=「ややスリム」形状です。
針穴の 横の部分を含め、針先に向かって スリムにしました。
   素材に優しく、貫通抵抗に配慮しました。
   針先端「J」ボールの針だけを言います。 

2.「S」オプション = いわゆる「S」ポイントとは? 
 ・標準タイプ「R」の、全ての針に発注できます。
 ・「S*」の生産の無い針 
= KN/SF/NS の様に決まった仕様でシリーズ化された針。
=「J」以外のボール・ポイント針。
・単価も、標準針(元々の針)と同額です。安いです。
・入手面でも、「S」は、ほとんどの針に存在します。 
在庫が 圧倒的に多いので、手に入れやすいはずです。
( #19以上にも あります ) 

◎ 針の先端「J」ボールの針が必要な時には 
必ず DBx1「S*」を指定して購入しましょう。
DBx1「J」に比べ、リスクが軽減出来ます。
 デメリットは、ほとんど有りません
       もちろん KN/SF の購入を妨げるものではありません。

「 ややスリム 」形状 の本縫いミシン用の針 代表 4種類  
DBx1 「S*」 (針の先端「 J 」ボール・ポイント)
  DBx1−NY2「S*」 (針の先端「 J 」ボール・ポイント)
DBx1−NY2「R」 (針の先端「 R 」尖がりポイント)
  DBx1 「SPI*」 (針の先端「SPI」スリム尖がりポイント)

 「S*」が付けば DBxK5なども同じです。
    針柄のサイズ違いでも、DPx134など大半の針にあります。

≪ 蛇足 ≫ 以下の針は、標準で「J」ポイントになっていますが、
「J」表示が有りません。
針の管理面からも、『 S 』の購入を推奨します。
〇 標準で『 J 』ポイントになっている針。 
 * DBxnST シリーズは、「J」が 標準です。
(「S」も販売しております)
DBx5ST 全、 DBx9ST 全、 DBx1ST 全、 
DBx3ST 全、など
  * HP加工の #14以下の針(LPは なっていません )。 
〇 ロック用#11以下の針も、標準で「J」ポイントになっています。
  * DCx1。 DCx27。 DCx3。 DMx13。 
各記号 #11番以下の針。

  編集後記  
ご無沙汰をいたして居ります。やっと「メル・マガ」7号を発信できました。
梅雨も明けたようで、夏盛りの季節となり、暑さ厳しき日々ですが、
皆様には お元気でお過ごしのことと思います。 
岩手・宮城・青森 を中心に 2度も震度「6」の地震がおそいました。
被害にあわれた方々には、衷心より お見舞い申し上げます。

記事に限らず、お困りごと、疑問、質問、検証、購入など御用の際には、
弊社担当者に お声をお掛けください。

アズマ株式会社 縫製研究室 浅川幸夫   
    Tel 03-3865-7103, Fax 03-3865-7107
        東京都台東区小島2−1−1
付表  リンク & ≪ 別表 ≫   

オザワ工業?     http://www.ozawakogyo.com/index.html 
各種スプレー  http://www.ozawakogyo.com/product.html
******************************      
日東電工CSシステム ?  https://www.nittocs.co.jp/product_07.html 
ニトフロン・テープ     http://www.nitto.co.jp/product/datasheet/resin/003/index.html 
******************************
?ハシマ      http://www.hashima.co.jp/index.html 
 ハイドロ・アジャスターHA−14  http://www.hashima.co.jp/products-3-6.html 
 ******************************
オルガン針? http://www.organ-needles.com/japan/index.html 
    ミシン針 http://www.organ-needles.com/japan/product/index.html 
  電子カタログ http://www.organ-needles.com/japan/product/index.html 
******************************
嶋田機器工業?       http://www.shimadakiki.com ******************************

ニトフロンテープ

第6回 メールマガジン

平成19年12月
≪アズマ? メール・マガジン 第6号≫     

第1章 『 テンション・ゲージ 』の ご紹介
第2章 技術ガイド ≪ ミシン針 情報(1)DBx1−NY2 ≫
第3章 『 スレッド・マーカー 2、4、6 』の ご紹介
第4章 弊社よりの、『 お知らせ 』

第1章『 テンション・ゲージ 』の ご紹介。

ミシン調整  特に 糸調子を取る時に、必需品のテンション・ゲージ
 
1.扇形 テンション・ゲージ 
    測定時に 振動がひどく 測定しにくい。 
糸のセットに工夫がいります。
    バネに対して、糸を直角に維持するのが難しい。
   規格が小さい。 最大値で 10g〜500g まで。

2.棒型 ( 丸型 ) テンション・ゲージ 
    棒型 バネ秤を 精密にしたようなもの。(スタンダードタイプ )
    比較的安価だが、デジタル表示タイプなど、多種多様に出ています。
    ミシンの設定なら、スタンダードタイプで 充分実用になります。
    糸の取り付けが容易です。測定数字が読みやすい。取扱いが簡単です。

    グラムの器種については下記の種類がございます。

    10g 30g 50g 110g 200g 300g 500g 600g
    1.0kg 1.5kg 2kg 2.5kg 3kg 4kg 5kg 7kg
    10kg 15kg 20kg 30kg 50kg 100kgまで。

3.購入お勧め
          下糸用         上糸用
  ? 婦人薄物  30g         110g
(= JUKIセットとほぼ同様規格です )
  ? 中厚物   110g        200g、300g、
(500g、600g)

  縫製研究室 では、110g、300g、600g、 ( 1.0kg ) を保有しています。

棒テンションゲージ

◎ニュートン ( N ) 表示 ( 主流です )
◎グラム   ( g ) 表示 ( 多少 時間がかかります )
       1N = 100cN = 102g ( gf )

第2章 技術ガイド ≪ ミシン針(1)DBx1−NY2 ≫

オルガン針 本縫いミシン針 
DBx1−NY2 #9〜#18・#19 (注)
  優れていて、なおかつ DBx1と同価格という、
大変お買い得な『 針 』
  一般的な縫製にはお勧めです。  { (注) #19 針柄1.90mm です}   

§1.特徴
1)針幹が、テーパーブレード加工 
針ブレを防ぎ、目飛びを減らす。針折れを減らします。

2)針の糸取り部のエグリが、クリフスカーフ形状(*)になっています。
   釜の剣先の 糸取りを 確実に     ⇒ 目飛びを減らします。
   針で形成される 糸のループを 適正に ⇒   〃
  
*) クリフスカーフ形状とは       
 「 舟形エグリ 」ともいわれます。
普通のエグリが、笹の葉のようにスムーズなエグリであるのに比べ、
はっきり角度をつけて、エグリます。エグリが長いです。
     特に、針穴側は、糸のループが形成され易い形状になっています。
   
3)針先をスリムにしました。( =針穴横から先端に やや細くなるように ) 
    結果 J ポイントは、S ポイントと全く同じ形状になります。
「S」ポイントと発注して下さい。 ( オルガン針?様 要請 )
   「R」正規尖がり形状も、同様にスリム化。
生地に優しい。貫通性が高い。

§2.注意点
   2項のクリフスカーフ形状は、エッジが かなり明確についています。
その為 薄いデリケートな素材の時に 針穴が目立つことがあります。
 ゆえに、薄地・難素材に −NY2細番手(#9・10)の使用は
お勧めできません。

クリフスカーフ・エグリ&レギュラー  

第3章『 スレッド・マーカー 2、4、6 』の ご紹介。

 裁断パーツに 位置印を付ける事 (印だし)に、ご苦労される事が
多いと思います。
 目打ち跡を嫌う製品、印がつけにくい素材で、お困りの工場様に
特にお勧めしたい。

この道具は、裁断パーツへの 糸 ( 糸チャコ ) 通しが
合理的に行えます。 ( 2項 参照 )
直径1.2mm ( Type2 )の針を、無回転で手の力により 刺し通します。
  針跡の 最も残りにくい方法です。
  縫製作業寸前に糸に従い、簡単に印がつけられます。 
むしろ、糸を通して置く事によるメリットも、大きいと考えます。
  ≪ きりびつけ ≫として、糸をそのまま印に利用する方法も可能です。

型紙にて 1枚1枚 印付け (印だし) をすることに比べ、
時間が 大幅に短縮出来ます。
時間経過によるマーキングの薄れや、移動のこすれによる消失等を防げます。

§1.商品 諸元  
名称:Thread marker(スレッド・マーカー)2,4,6,
2インチ(約1.2mmの径で長さ10cmです)
=#19の針幹と同じ径です。
     4インチ(約1.6mmの径で長さ15cmです)
=#23の  〃   
     6インチ(約1.9mmの径で長さ20cmです)
=#24と#25の中間の径です。
     ◎ 購入時と別のニードルの種類が選べます。本体は共通です。
       針先の形状は同一です。#8番手糸まで使用できます。
発行元:日本イーストマンCRA株式会社 フィールドサービス

§2.動作の説明。 
  針に糸を通して 準備が出来ましたなら、 裁断パーツをセットします。
ハンドルを押し下げますと、底部に有るルーパーが糸をすくいます。
  ハンドルを戻し、糸を切りますと、印用の糸が裁断パーツに残ります。
糸を目当てに印をつけます。
  主に 綿糸、しつけ糸、スパン糸が、使用されます。
スパン糸の50番手、30番手、8番手等の、目立つカラーでの使用を
お勧めします。

§3.この道具を、お勧めしたい工場様。
  無回転の針で、裁断パーツに糸を通します。
生地へのダメージは最小限に抑えられます。
◎ ドリルが不可のデリケートな素材や、縫製基準で作業されている工場様。
◎ 粗い生地、ウール地などが多く、印が付きにくいなど
印が目立たない素材の多い工場様。
◎ 白、淡色の素材が多く、うかつに印をつけられない工場様。
◎ 集中裁断等により、裁断とラインが離れていて、
裁断物の移動が伴う工場様。

§4.不都合なケース
カットソー生地(ニット地)に対して、地糸切れの可能性が有ります。
残布でテストを行った後にご使用下さい。
CAM(目打ち機能が内臓)の工場様では、あまり必要性が無い
とのお話です。

スレッドマーカー 図3 図4

第4章 『 お知らせ 』

アズマネットショップ開設のご案内
弊社店頭課では、かねてより準備を進めておりました「ネットショップ」
を開設する運びとなりました。
アズマ?のホームページからお気軽にアクセスすることができます。
取扱商品を掲載しており商品カタログとしてもお役に立てればと存じます。
是非ご利用頂きますようお願い致します。
                                  
アズマ? 店頭課
HPアドレス http://shop.azuma-kinbasewing.net/index.html

  編集後記  
  メール・マガジンの雰囲気を変えて見ました。
もちろん『 テーマ 』に基づいた、既刊のタイプも発行したいと思います。ご希望の『 テーマ 』をお寄せください。
  記事に限らず、お困りごと、疑問、質問、検証 等々 ご用の際には
弊社担当者にお声をお掛けください。
または、弊社 HP上「縫製研究室」に eメールをお寄せ下さい。
アズマ株式会社 縫製研究室 浅川 幸夫

アズマ?HP内 http://www.azuma-kinba.com/contact/mail.cgi 
            Tel 03-3865-7103, Fax 03-3865-7107 
                東京都台東区小島2−1−1
                          

第5回 「ストレッチの縫製」

 平成19年5月 
≪ アズマ? メール・マガジン 5号 ≫
≪ストレッチ素材の縫製について≫

 最近の傾向として、ストレッチ素材が進歩・多様化したせいか、タイトなデザインも増えてきました。
また、ストレッチ素材も、けして特別な素材ではなくなりました。
 しかし、地縫いのパッカリング:ビトつき:袖付け工程:ファスナー付け 等々
依然として、「あなどりがたい」素材ではあります。
ストレッチ素材の製品と一言で言われますが、衣料の種類によって、求められる縫製の機能も
大きくわかれるため、次のように製品機能の分類をしてみました。

1.ストレッチ性を生かせる程度には、延び代が欲しい製品。
ストレッチ素材の ジャケット・コートなど
2.いざ力がかかった時に、糸が切れない方が良い製品。
タイト系の ブラウス、シャツ、ジャケット、& ストレッチパンツ など
3.縫い線を 充分ストレッチさせる必要のある製品。
  水着、スパッツなど
3項の、特にメリヤス・トリコットなどのニット素材は、環縫いミシン、千鳥ミシンが主です。
※ 今回は本縫いミシンに絞って研究してみました。

 ストレッチ素材(織布テキスタイル)を、本縫いミシンで縫製加工する時の「前段取り」を主体に
メモしてみました。 縫製の一助にお読み願えれば幸いです。

                   ‘07.5.14. AZUMA? 縫製研究室 浅川 幸夫 

ストレッチ素材の縫製で、発生しやすい問題点は、以下の4点であると考えました。

第1章 『 糸調子の乱れ・糸の選択 』  糸調子の乱れが、事後にも発生します。  
第2章 『 本縫ミシンの前段取り  』  縫いずれ、パッカリングが発生しやすい。 
第3章 『 縫 製 』      地縫いの注意点。
第4章 『 仕様・付帯作業 』  仕様・付帯作業に、特段の注意が必要です。   

第1章 『 糸調子の乱れ・糸の選択 』
                      
§1.「糸調子の乱れ」の発生
1. ストレッチ性の生地を 地縫いします。 
 2.生地がもとに戻る範囲(10前後%〜20%)で、部分的に又は、全体を 伸長します。
◎ 製品の有り方によって、範囲は変わります。
 3.張力が無くなり、布地がもどります。
 ⇒  下糸 「ミの字」状態に 糸が乱れる。「糸浮き」も出ます。
 ⇒  上糸  糸浮き・よれのような 糸の余る状態に乱れます。

                

原因  糸は 伸長した量の 100%は、収縮しません。
そのため、収縮しきれない長さ分の糸が、余りとして乱れ(浮き)をつくります。
      縫い目の糸も、縫われた通りに元には戻らない。伸ばしによって、偏ります。
   (注意) 伸度が大きい糸ほど、戻るということでは無い。糸の性能(ヤング率)です。

§2.ミシン糸が、求められる性能。
1. 生地の伸びに追従し、なおかつ切れない糸 = 伸びのあるミシン糸
2.パッカリングが発生しにくい糸 = 糸のモジュラス性。ミシンの調整(糸調子)。

§3.伸びのあるミシン糸の種類(一部)
? ポリエステル・フィラメント糸
    エースクラウン  伸度:23%
    ハイパー        31%
? ナイロン・フィラメント糸
    ユニロン        29%
    レジロン        35%    
? ウーリー糸 ( ナイロン or ポリエステル )
    高伸度タイプ
    低伸度タイプ
? 特殊ストレッチミシン糸
    エッフェル(ソロ系ポリエステル糸) 伸度:60%以上

§4.糸の選択 
素材はストレッチ・ブラウスを例にしてみました。
 1.細い針で使える 細くて丈夫な糸。(#50以下)
 2.限界伸度 25%以上が望ましい。 製品の有り方によりますが。
 3.縫った後も、多少 動ける 滑らかな糸が良い。
 4.糸は、太いほうが、縫った後の伸度に耐性がある。
糸同士の食い込みが関係するようです。
      #60・80より、#50が、伸ばした時に切れにくいようです。

◎ 1〜4より、フィラメント糸の選択になります。(スパン系は、選択の理由が無い。)
ナイロン系は、ほとんど該当します。 レジロン(35%):エッフェル(60%以上) 等々
    ポリエステル・フィラメント系で、30%以上の限界伸度を持つ糸は『ハイパー』です。
      { エッフェル=ソロ原糸ポリエステル・フィラメント糸= を除く。 }
テトロン他 ポリエステル・フィラメント糸は、23%前後。
一般的なジャケットやコートなら、問題ないと考えます。
下糸がウーリーなら、全く問題はありません。

§5.糸への負担
1.針目が、細かいと、伸びに多少強くなります。
  2.生地が柔らかくボリュームがあると、伸びには、非常に強くなります。
  3.普通の糸調子だと、下糸が先に切れます。 対策は 下糸を優先します。
        ウーリー(高伸)糸や、エッフェル糸などを活用するのが良い。

§6.下 糸 
 1.ウーリー(高伸)糸 = ストレッチを縫製する上で 最も重要な「 要 」になる糸。
     各社 ウーリーに  ナイロン糸 & ポリエステル糸 が存在。
        それぞれに   高伸度  &  低伸度    が存在。
  必要ならば ウーリー(高伸)。 エッフェル(=ウーリー糸がダメな時)。
                  エッフェルは、上糸にも使用は可能です。
 2.ウーリー糸だけは、布が戻っても、乱れ・糸浮きの形態をあらわさない、唯一の糸です。 
    特に高伸タイプは、カサが高いため、伸び戻り糸の乱れを防ぐ効果が高いです。
上糸の伸びを データ以上に 限界一杯まで 生かす事が出来ます。

 3.ウーリー糸(ナイロン)の弱点は何か 
   ? 擦過に弱そう。( 実証試験 未了 )= 形状からは言えそうです。
   ? 強力に 劣る。 = 強力を必要とする個所の検討。
      限界強力が弱い為、無理な力が1箇所に掛かるような所では弱さが出      る事があります。
       「上糸が切れると その衝撃で ウーリー糸までいっしょに切れてしまう。」            というケースが見られました。
   ?「熱(アイロン)に弱く、溶け易い。」 = 迷信に近い。:ポリエステルもあります。

第2章 『 本縫ミシンの前段取り 』

§1.試し縫ミシンの仕様 
ミシン(JUKI)DDL−5581N  針板  4枚歯−針穴1.4mm ( AZUMA )
送り歯 4枚歯−33 T ( AZUMA )
    針  DBx1KN #11   
                 押え   NT−18 ( NIPPO )

§2.押 え  
1.普通に 地縫い。 = 糸の持つ伸度に期待します。
  パッカリングを起こさないように、生地をスムーズに送る必要があります。
   また、生地伸びすると、上糸浮きに 即 つながるので、やはりスムーズに無理なく縫いたい。
  特に横地方向の 地縫いで、縫いズレによる、パッカリングが発生やすいです。
押え圧は、必要最小限にします。強いと 特に上布をしごいて、伸ばす傾向になります。
      エア・ダンパー押え。オイル・ダンパー押えは、有効(万能)です。
押えは、テフロン等すべりが良いものが適当です。スライド・リング押え等も推奨します。
      NIPPO  テフロン NT−1: −2: ―5: −18 など  
      日本工研 スライド・リング SR−DB−L:(R):W  

2.伸ばし縫い。 引っ張り縫い。
 充分に、ストレッチの機能を生かす。メリヤス・フリースのような生地向き。
  かなり乱暴な縫い方で、細かい丁寧な作業には向きません。
   糸のもつ、伸度に期待せず、生地が伸びた状態で縫い、糸は、布と伴に動きます。
   押えは、やや広幅の金属性が良い。押え圧力は、強目のほうが良い。
     伸ばし・引っ張り どちらにしても、手前には やや、強く布を引く加減があります。
     ミシンは、それに負けずに 生地を送る形になります。

§3.送り歯と針板
1.3枚歯と4枚歯の送り  
明らかに『4枚送り歯』の方が良いと思います。

          
                        
    3枚送り歯だと、上の縫い代が、左にずれて、浅くなり易いと思います。
 薄物の場合は、4枚歯では、縫いの安定度に、3枚歯の時と違いが感じられます。 
   ストレッチで、押え圧を弱くした場合などは、不安定になりやすいので、4枚歯は特に有効です

2.送りは、確実に、安定して、スムーズにと、なれば、
      4枚歯(4R)と テフロン・メッキ・コート針板が良いでしょう。

     送り歯 NIPPO NSA−914(27T=細目): NSA−914−SF(35T=極細目)

針板   NIPPO 4R−1026T〜1826T(1226Tは無い。備考)&4R−1430T~1830T
          (例 1026T = 針穴1.0mm : 針板厚 2.6mm : テフロン・コート )
       備考 NIPPO「4R−1226 & FDセット」 針穴1.2mm(33T=細目)コート無し 

 (注意)4枚歯は、(3枚歯以上に)製造ブランドにより、規格が異なりますので、
必ず同じ会社の、同じシリーズをそろえた方が安全です。

( フリースの試し縫い )                  
明らかに違いました。4枚歯では、美しく縫えますが、
3枚歯では、パッカリングのような、うねりが生じます。)
押え圧力の変化によって、表情が変わると思いましたが、ほとんど変化ありませんでした。
    むしろ 前述したとおり、3枚歯に変えたことにより、明らかに、ポコつきました。

§3.針の選択
1.薄物の、デリケートな素材が多い。 
  1.地糸切れは、即 穴の発生なので、Filament-Fiber(原糸)のレベルでも避けたい。
2.糸を引っ掛けると、糸引きを起こしやすいので、避けたい。
  という2点から、薄物には Sポイント又はKN(SF)の選択(先端『J』ボール)が賢明です。

 DBx1KN #8〜14 を推奨 : デリケートな素材の標準針と考えます。 
    針幹は、あまり細いと目飛びの恐れがあります。
針の太さ(番手#:針幹)は、生地・工程に合わせて下さい。
#50以下のフィラメントは#7の針まで、充分 縫製可能です。

2.中厚物のストレッチ素材は、針振れしやすい。= 目飛、針折れが出易い。
DBx1−NY2(Sポイント)がお勧めです。針ぶれしにくい 万能針です。
#12以上の針を 使用する素材には万能です。
一般的にも ほとんどの中厚物生地に、針先端(R)も含めて お勧め出来ます。

◎ 針は、ピンセットを使用して、正確にセットしてください。
(Astage式)= 指先で、針を針棒に取り付ける。ピンセットで、針のエグレの位置を挟んで、
カマとエグレ面が平行になるように修整する。

◎ ミシン針の詳細については、弊社『 「本縫いミシン針」配布試料 』をご請求ください。
    メール、または、担当営業持参にて 配布いたします。
      アズマ?HP トップ     http://www.azuma-kinba.com

第3章 縫 製 

§1.ストレッチ素材 + 普通素材 組合せ縫製
 伸びない素材との地縫い = 縦地と横地の縫い合わせも = は、特に難しいです。

 平縫い 
 ストレッチ素材を 下にする。― わずか伸びるが、コントロールのうちです。
   〃      上にする。― 押えにより、かなり伸びてきます。押えのセットによっては
                     かなり、普通素材が、イサリます。

 カーブの地縫い(縫合せ)の時に、縫い代がさばけない時があります。= 片押えが有効。
⇒ NIPPO 右細巾自由押え NP−10:右端縫い片押えNT−11 (テフロン) 
など試用して下さい。
(参考) NP-10の形に 普通のテフロン押えNT-1を加工するのが、使い良いと思います。
⇒ もちろん スライド・リング押え 日本工研 SR−DB−L も有用と考えます。

 いせ込み 
結論 : 本来の 縫製ポジションで良いです。= いせられるものは、下送り側にします。

 上 普通素材   下 ストレッチ(いせ)
    安定して、健やかには入りやすい。しかし 伸びる傾向なので、多量に入れるのは大変です。
    袖つけは、身ごろを下にしますと、上手くいきません。(= 後付け袖 )
     この状態は、『 袖付け 』の状態でもある。 = 普通と逆ですが、これが正しい。

 上 ストレッチ   下 普通素材(いせ)
    上にある ストレッチ素材を伸ばせば、必然として、いせは入ります。
      量のコントロールが難しい。:入りすぎます。
    下糸は、いせが多くなればなるほど、緩むので、糸調子、糸の選択が、限定されます。
    ギャザっぽいものを狙うのでなければ、お勧め出来ません。
    このケースでは、自然に いせが入りやすいが、その分操作しにくいです。

第4章 『 仕様・付帯作業 』

 ストレッチ素材の持つ、特性によりまして、気を付ける事が多くなります。

1.ファスナー付け  = 付け代にテープ芯をいれて下さい。

  ストレッチ性の基布を使用したファスナーは、存在します。
    但し、ファスナー部分に、ストレッチ性は無いので、かなり特殊な用途になります。
  むしろ、一般的なエフロンや、コンシールをいかに合理的に 美しくつけるかが、大切です。

  最近、付け代に 芯やテープを入れないで つける傾向が、特に コンシールで目立ちます。
   しかし、基本的には、コンシールでも、縫い代芯は必要です。
映りを嫌う向きもありますが、ファスナーの縫い代は 必ず映るわけです。
   むしろ、美しくファスナーが付くほうが優先されるべきでしょう。 (YKK様 談)

  ファスナー 縫い代テープ芯 = ストレッチ性のある、ストレート系の伸び止を使いたい。
   何も入れない   ⇒ アイロン折り・ファスナー付け地縫いで伸び、ステッチで不安定になります。
   硬いストレート ⇒ 反ったり、つれたりしやすく、ますます硬くなり、馴染みません。
   ハーフバイアス ⇒ 左右で、 違いが出やすい。 ヨレの生じる可能性があります。

2.ボタンつけ  = 釦付け糸が 表地1枚のみに負担をかけないようにします。

  ストレッチ素材は、1点に掛かる力に弱い面があります。
 ボタン付け力芯用(穴掛り兼用)の補強芯を入れます。 
力ボタンをつけます。
前立てなどは、「縫い代を広くしてボタン土台として生かす。」等の対策が必要です。

3.鳩目穴掛り  = 穴掛りの土台になる芯を入れたほうが、安全です。
  身ごろ芯もストレッチ性の時は、穴掛り補強芯を考えて下さい。
「先メス」で上手に美しく出来ない時は『 後メス 』を試してください。
     バイアス方向の穴掛りは避けたい。(多くはフラワー・ホール=飾り穴)
どうしても必要な時は、しっかりした補強芯が必須。 

4.芯張り  = 途中で芯を切ると、表情に出やすいのがストレッチの特徴です。
芯にストレッチ性がないと、はがれやすい。接着性の悪い素材も多く有ります。
     入れる部分をパターン設計に入れておく。たれや、表面への響きに注意が必要です。
 
   接着条件が、難しい。接着時のパーツ取扱でヨレ・ゆがみに気をつけます。
   温度での 縮み量 ・ 動き量の 大きい生地が多いと思います。
戻り量も大きいので、修整量にも配慮して下さい。
ヘムや キセなどで、動き量に、ゆとりのある対策をしておきます。

5.ドット釦(スナップファスナー) = 布がひっぱられると痩せるので、抜けやすくなります。
                    穴も当然 大きくなりやすい。
  下穴は、小さく明けます(スナップFでは、下穴不要)。 力芯を考えます。
  金属部(特に薄いエッジ)を直に、表地に触らせない。= 革・プラのワッシャーを噛ませます。
  打撃系ドッタ−より、人力又はエアなど 加圧系ドッタ−が適していると思います。
   YKKアタッチングマシンは、打撃系のみだが、問題ないという解説でした。
 「かませ代の広いデザインのボタンを選ぶ。」などの工夫・配慮が必要です。
  
 <蛇足> ドット釦・ドッタ− = モリト。
スナップファスナー・アタッチングマシン=YKKスナップファスナー(旧スコービル)

6.ルイス  = 裾ヘムなどの止め付けは、布の弾力のせいで、とても 表に響きやすい。
  糸は、すべりが良くて、細い糸を使用します。 糸調子は、「ふっくら」と充分ゆるくします。

◎ すくい目をあまり小さくすると かえってクボミとして目立つことが多い。過ぎたるは!
     クボミ(へこみ)が、目立つときは、色の合った細い糸で しっかりスクう手があります。
◎ 奥マツリミシンなら、なお良いのですが。

ルイス糸は、ハイパー・ロック(‘07.5  100色先行発売)が お勧め。 
     すべり(糸の走り)は、テトロン以上だが、素材へのなじみがよく、糸抜けには有利。
柔らかい糸だが、腰があって、目飛びなどに有利。
    ‘07.10月には、エース・テトロン 全色対応になるので、色の選択が、楽になります。
   ウール・ストレッチなど 天然系は、キンバ・スパン #120が、お勧めです。

編集後記
 
  今回の特集にあたり、 メーカー様、縫製会社様より、多くのご協力をいただき、
有難うございました。 
特に 山形県鶴岡市在住 O氏には、数多くの重要な技術情報をお教えいただきました。 

末筆ながら、御礼申し上げます。   縫製研究室 浅川 幸夫  

第4回 「ラメ糸をうまく縫うために」

                平成18年11月 
≪ アズマ? メール・マガジン 4号 ≫
≪ラメ糸をうまく縫うために≫

今、市場でラメ糸が、大ブレイクしています。
しかし「ラメ糸の縫製は難しい」との声が、弊社に多く寄せられています。
そこで弊社なりに「どうしたら縫いやすいか」を研究してみました。

【目次】 
§1.ラメ糸縫いの難しいポイント
§2.ラメ糸のための中厚用ミシン設定
§3.ラメ糸のための厚物用2倍ガマのステッチ・ミシン設定
§4.ラメ糸の縫い方
§5.アズマからのお知らせ

§1.ラメ糸縫いの難しいポイント 
? ザラザラしていて スムーズでない。引っかかり、滑らかに走らない。
⇒ 調子が乱れる。
? 硬い = 糸の銘柄により、かなりの差があります。
? 調子皿バネ(上糸テンション)を強くすると、糸がしごかれて
乱れます。

§2.ラメ糸のための中厚物用ミシン
(標準ガマ)の設定 
1.ミシンの準備(前段取り)
? カマ・上調子皿バネ・糸取りバネを厚物機種用純正に交換します。
     特に 太糸用カマは必須です。
? 針板・押えも、厚物用に設定します。
「参考ミシン機種」表 厚物機種番号参照。
? ?・?を実施しても #20まで?  
過大な期待はしないで下さい。
  針棒ストロークなど、ミシン本来の設計性能により限界があります。

参考ミシン機種:             中厚物  厚物機種番号
□□Brother  S−7200A      −403   −405 
□□       SL−1010      −3     −5     
□□三菱     LS2−1380    −M1T    −H1T
□□        LS2−1130    −MOB   −HOB
□□JUKI     DDL−5571    −N     −NH 
□□         DDL−5550    −N     −NH 

ミシン各社のHP(関係資料) 
Brother  http://www.brother.co.jp/product/ism/lineup/index.htm
三 菱  http://www.mtco-web.co.jp/misin/products/index.htm
JUKI http://www.juki.co.jp/industrial_j/products_j/model_j.html

2.中厚物ミシン(針軸取付け 針柄=1.62mm)につく、
太い針の上限。
  DBx1   #18     (針穴#18)   先=「R」  
  DBxA20 #19〜23  (〃 #19〜23)   〃   
  DBxK5  #18     (〃 #20)      〃   
  DBx5 ST #20・22 (〃 #21・24)先=「S」=推奨  DBx9 ST #18    (〃 #21)   先=「S」=推奨   
  [ 注意 ]  DBx1 #20以上 針柄の太さ 2.02mm
(#19 1.90mm)
         DPx5   全番手の針柄の太さ 2.00mm
 針板(針穴):2.0〜2.4mm 面取り有り(§2.1項?)
     使用する 針幹の太さのほぼ2倍以上の針穴が必要。

3.押え金 

  ステッチ・ミシン(厚物2倍ガマ)純正(写真B) 又は本縫厚物用
(写真C)
?針周りの穴が 大きいもの。= 多種・多様なので 注意が必要です。
?面取り必須。面取り溝が後ろまで突き抜けるものもあります(写真A)。
?各種押えも ??の配慮が必要です。 例= 段付押えなど。
?テフロン押えを利用し、面取りや針落ちを加工すると、楽で良いです。
?コバ・ステッチも、針・糸が太いので「太コバ」の指示が望ましいです。

押え金 各種 
  左側ほど 太糸 厚物に適用。
A) Brother 147328   B) Brother 145157   C) JUKI・D1524 555 DAO 

§3.ラメ糸のための厚物用2倍ガマのステッチ・ミシン設定    

 ステッチ専用(厚物用 2倍ガマ)を推奨します。
  注意: ジーンズ用=最大針目を4mm程度にして、回転数を向上させた
倍釜太糸用。ミシンステッチ用としては「針目長」
不足の可能性があります。

  各メーカー本縫ステッチ(厚物・2倍ガマ)専用ミシン
?Brother DB2−B746−8A(ステッチ)
?  〃             −7A(厚物用)
?三菱     LS2−1130−BOB
?JUKI   DDL−5600NL

  参考: 1番上のランクの太糸用カマに交換することを推奨します。
太めのラメ糸とミシン糸#6以上では必須です。(#8微妙)        
交換したカマは 整備して保管。糸かみ事故が多いので、修理迅速です。

§4.ラメ糸の縫い方
1.上糸使いの縫い方       
  ? 「下糸」は #30 又は #20 
(スパン & ポリエステル・フィラメント糸)
?ラメ糸は できるだけ巻きつけないで、針までもって来ます。
糸の銘柄によっては、ひどく抵抗のあるラメ糸があります。
指先で引っ張り、糸の抵抗を確認します。
?ミシンの設定は、やや上糸が締まる方向で調整する。
極端にやると結果が良くないです。
=上糸調子バネの負担を減らしたい。  
  ?上糸の下への多少の抜けは、許容しないと、
調子が取れないことが多いです。
   チョウチン事故は、当然 許容範囲外です。

2.ラメ糸 上・下使いの縫い方   
?下糸テンションは、(4−1)に比べて強め。糸によっては、
かなり強くします。
?上糸もその分糸調子は強い。   
?上糸に無理が掛かると、糸割れや糸切れの原因となります。
上糸の負担を減らすには、(4−1)項の 方向で微妙な調整を
します。
?それでも安定しない・糸割れ・糸切れなどが発生するときはどこかに
無理があります。
?糸が上・下使いに対応出来ないときは無理をしません。
上糸使い・下糸使いで対応を考えます。

3.下糸使いの縫い方
?針板の針穴以外はミシン調整と考えます。素材と相談ですが、
針穴は大きい方が良いです。
?下糸テンションは、安定が取れる限りゆるいほうが望ましいです。
?上糸は、細いほうが(#30)調整の負担は少ないのですが? 
試行して決定します。  
?針は、上糸に合わせますが、少し太めの選択が有利と考えます。    ?ラメ糸は 硬い糸が多いため、?・?項に反して、強い調子・
#20上糸にしないと、蛇行が止まらない糸があります。

ラメ糸を縫うための押えと針については、太糸仕様の応用になります。
HP「縫製研究室 これまでの特集」例 に、その記事が掲載されて
います。 ぜひご覧下さい。

1.<太糸の調整についての提案> では、#20ポリエステル・
フィラメント糸を使用した場合の、実際の対策の一例が、紹介されて
います。
2.<太糸用ミシン針の提案> には、太い糸に適する、ミシン針が、
一覧表形式にて、掲示されています。
今回提示いたしました針を含む、全体的な資料です。

§5.アズマからのお知らせ
  弊社では 話題のラメ糸[金/銀糸]を 下記ブランドで提供中です。
1.エンゼルキング
2.パールヨット
3.エース金・銀糸
4.グンゼラメ糸
5.キング金・銀糸
6.キンバステッチラメ糸
  ※ 弊社にて 可縫性、洗い加工に耐え得る ラメ糸を開発中です。

  文中の交換用のカマや針・針板・押えなども用意いたしております。
各営業にご下命ください。

編集後記  

 ラメ糸の検証作業や、試作をしながら、考えたことを、書いてみました。
 読んでいただいて、「なるほどね」と言っていただければ幸いです。 

 記事に限らず 困りごと、疑問、質問、検証 等々 御用の際には、
弊社担当者に お声を掛けてください。
または、弊社 HP上「縫製研究室 お問い合せ」に eメールを
お寄せ下さい。
   アズマ? HP http://www.azuma-jpn.com/

アズマ株式会社 縫製研究室 浅川幸夫
Tel 03-3865-7103, Fax 03-3865-7107
東京都台東区小島2−1−1

第3回 「下着縫製」

平素は、アズマ株式会社をご愛顧賜り、厚くお礼申し上げます。
縫製研究室メールマガジン担当の門脇と申します。縫製研究室では日頃お取り引きをさせていただいているお客様へ、さまざまな情報をお届けするメールサービスを発信しています。

第1,2号は「後加工とミシン糸の関わり」で発信させていただきましたが今回のテーマは「下着」です。下着といっても大きくランジェリー・ファンデーション・肌着に分かれます。特殊な分野であり、品質を保つために
独自の技術と縫製ノウハウを確立しています。先ずは、ランジェリー・ファンデーション・肌着の各意味を纏めてみました。上着(うわぎ)に対する語で、通常、上着の下につける衣類の総称としています。

着用目的によって?ファンデーションとよばれる補整着?ランジェリーとよばれる装飾下着?肌着の三種類に大きく分けられています。1970年代から下着類全般を総合的な総称としてボディ・ファッションというよび方に変わるようになりました。

?ファンデーション (foundation)
土台、基礎の意。体型を整え、美しいプロポーションをつくるためにつける、補整を目的とする基礎下着。あくまでも上につけるドレスのシルエットをよくすることが眼目、従って保健衛生のための肌着類や、ドレスの着こなしをよくするための中衣的なランジェリー類などとは目的を異にする。

?ランジェリー (lingerie 仏)
装飾性を高揚し、しかも柔らかい感覚の比較的嗜好(しこう)性に趣きをおく女性用の下着類一般、及び部屋着の総称である。ランジェリーというのは、元来、フランス語からきた言葉で、今や世界共通の用語となっている。

?肌着
主として健康衛生的の目的で肌に直接つける下着の総称。
たとえば、体温の保持または調節、あるいは皮膚に付着した汗やあかや汚れなどを吸収するなど清潔を保つことにつながる。(服飾辞典より)

〜・〜・ 下着  ・〜・〜

近頃、弊社の縫製研究室へストレッチ素材に対する検証依頼が多くなってきました。ストレッチ素材はその特徴をいかした縫製が重要です。そこで、伸びる素材をあたり前に対応している下着を思い浮かべ、下着縫製について取材した内容を纏めてみました。

?ブラジャー(brassiere)
乳房を支え胸の形を整えるファンデーション。ブラともいいます。
用途に応じて各種のデザインがある。ストラップがあり、後ろホック、ソフトカップのバンドブラジャーが一般的に用いられてますが、ストラップのないストラップレスブラジャー、ストラップの間隔が広いオフショルダーブラジャー、また下半身をすっきりさせるためにカップの下布がウェストライン近くまでいたロングラインブラジャー、カップの内側にパットが縫い込まれているパテットブラジャー、カップの間をVネック型にくくり下げたプランジングブラジャーなどがある。

?ガードル(girdle)
腹部から腰部の体型を整えるファンデーション。コルセットのように骨を用いず全体に弾性生地をいて身体の屈伸が自由に出来るようになっている。

?二面シャツ
首周りを二本環縫いにし、後首に月形の当て布をした半前割れの男子用シャツで長袖と半袖がある。前立てに額衿をつけてボタン付きになっている。

?コットンシャツ(cootton shirt)
平型織機(成型着)で編んだ成型肌着。名称はコットン式編着によって編まれたことに由来。形は二面シャツと同様で、ズボン下と組になっているものが多い。

?丸首、V首、U首シャツ(round-neck,V-neck,U-neck shirt)
最も一般的な男子用肌着で首周りの形状により分けられる。夏物はスライス編地、冬物は両面編地がく用いられている。

肌着 ニットの用途別製品解説

[][][][][][][][][] ファンデーション [][][][][][][][]
女子の体型を美しく整えるための下着の総称
[][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][][]
直接肌にまとうもので、皮膚の保温、吸湿、保護などを目的
[
バンドー型
二面シャツ
V首シャツ
パッテッド型ブランジング型オフショルダー型ロングライン型
ガードル
?ランニングシャツ(running shirt)
盛夏用の一般肌着で衿ぐりが深く袖なしで、スライス、両面、平織などの丸編ニット生地を用いる。
?ブリーフ(brief)
体にぴったりつく脚部のない前開きの男子ばき。
腰周りと股裾にゴム紐やゴムテープを用いて身体に密着するように縫製されている。
?腹巻
腹部に巻く保温帯。
?スリーマ(slimer)
女性用肌着の代表的なものでかぶり型のシャツ。衿ぐりは、U首、V首のものが多く、ラウンド・ネックの
下部にスリットをもうけ、ボタンなどで止めるものもある。
?シュミーズ(chemise)
肩からひざくらいまでを覆う女子用のゆるやかな肌着。
?パンティ(panty)
女子用下ばき総称。
?ショートパンティ(short panty)
脚部の無いパンティ。腰周りと股裾にゴム紐やゴムテープを用いて身体に密着するように縫製されている。
?スリップ(slip)
上衣のすぐ下に着るワンピース形の滑りのよいランジェリー。上衣の滑りをよくするためにまとう着丈の
長さまでの薄手の女子用下着。
?キャミソール(camisole)
上半身用のスリップ。スリップのウエストから上の部分の形をしていますが、トップへのヘムがチェストラインの
ところで直線的になっている点がややスリップと異なる。
?ペチコート(petticost, half slip)
スリップの下半身だけのもの。通常キャミソールと一緒に着用する事が多い。
?パニエ(panier)
スカートのふくらみを出すためのランジェラリー。フレアスカートなどの広がりを内側から支えるため、堅い張り
のある生地の上に薄地の生地をかぶせた物が多い。
一部の若い男性などが、肌着をつけずに直接ワイシャツなどを着用しているが、ワイシャツはもともと肌着であり、
その意味ではむしろ復古調と言える。また、和服用の肌着としては肌襦袢(こしじゅばん)がある・・・
★☆★☆ ひとり言 ★☆★☆
★☆★☆★☆★☆★☆★☆
★☆★☆★☆
   ★☆★☆★☆
スリーマ
パニエ
アイテム別に分けると縫目形式は以下のように使われている事が多いです。
1本針本縫いミシン本縫い千鳥ミシン扁平縫いミシン2本針オーバーロックミシン3本針インターロックミシン(仮止め等) (2〜3点) (2〜3本針)
ファンデーション縫製では縫目が直接肌に接する事から、着用での違和感が着心地に大きく左右されます。縫目はデザインや生地特性に合った構成で決定づけられ、それぞれの目的別と特徴から以下のように纏めてみました。(生地や糸調整でデーター通りにならない事がありますのでご了承ください)
※ 各縫製条件の縫目伸度は運針数により異なります。 
素材・糸・縫い機構

下着の生地は、天然素材の木綿が最適とされるが、他に、麻、ウール、化学繊維、及びそれらの混紡や交織交編ものが用いられている事が多い。体温保持、汗、あかの汚れ吸収を行い頻繁に洗濯をされる事から、形態安定や強度が強く、尚且つコストパフォーマンスが高いのがポリエステルです。縫目形式は下着の特徴から生地伸度に対し追従する環縫い(扁平、ロック)機構、さらに強度保持を生かした縫い方の本縫い(千鳥)機能が多く使われています。

◆ 本縫いミシン ◆
◆ 本縫い千鳥ミシン ◆
◆ 扁平縫いミシン ◆
◆ オーバーロックミシン ◆
◆ インターロックミシン ◆
本縫い機構
環縫い機構
◎ 一般的に使用される各部の縫製
※ デザインや仕様により条件が異なりますのでご了承ください。

下着縫製では縫製箇所がストレッチ生地に対する追従性を重要とし設計されています。着用することで直接肌に接し違和感を与えないような工夫や、肌への刺激も少なくすることが必要になってきます。一般的な布帛縫製では1本針本縫いミシンを基本として縫製を行います。しかし、下着縫製では千鳥シンや扁平ミシン、環縫いミシンを基本に使用することが多くなっています。
本縫い
千鳥縫い
扁平縫い
オーバーロック
インダーロック
ファンデーション縫製では比較的ナイロンフィラメントが多く使われています。
上記の理由から主に代表されるナイロン糸(ナイロン糸の特徴)
ナイロン特有の伸縮性があるため、縫製後の生地に対応しやすいです。(伸度約30%)下着縫製では比較的に使用される縫い糸は、綿・ポリエステルスパンが多い。また、ナイロンやポリエステルウーリーも環縫い機構などで使われる事が多いです。上記の理由から主に代表される縫い糸

◎ 各種スパン   番手構成 120/100/80/60/50/30/20/8
◎ 各種綿糸    番手構成 100/80/60/50/30/20/8
◎ 各種フィラメント 番手構成 120/90/80/60/50/40/30/20/10/8
◎ 各種ナイロンウーリー     番手構成 低伸度/高伸度
◎ 各種ポリエステルウーリー 番手構成 低伸度/高伸度

(スパン糸の特徴)
スパン糸は耐熱性が大きく縫製時のミシン針熱やアイロン熱に堪えられます。また、ミシンの高速化に伴い糸強度も要求され、更に価格対応をはかられるようになりポリエステルスパン糸が使用されています。

(綿糸の特徴)

(フィラメント糸の特徴)
絹糸に近い革命的な繊維として開発されたポリエステルミシン糸です。
糸の表面には光沢があり適度な伸度を持ち、絹糸に変わる高級ミシン糸として広い分野に使用されています。

(ウーリー糸の特徴)

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ミシン糸に付いて

◎ キングレジロン   番手構成 60/50       413色
◎ サタン         番手構成 60/50       82色/166色
ファンデーションの意味は『土台、基礎の意。体型を整え、美しいプロポーションをつくるためにつける、補整を目的とする基礎下着』である事から、縫い糸に対する要求は強度保持と伸度追従です。肌着の意味は『直接肌にまとうもので、皮膚の保温、吸湿、保護などを目的とします』の解説から、縫い糸に対する要求は肌に触れたときのソフト感や安定した可縫性とされています。

取材協力:
株式会社マツモトソゥイング 様
株式会社コーセル 様
滑脱(スリップ)による縫目ほつれを防ぐために縫目を締め付け、または、肌に直接触れた時にソフト感を与えます。綿は濡れても丈夫で弱くならず、むしろ湿潤時の方が強い。さらに、アルカリに強く洗濯や漂白がしやす
く、染色性が良いなどが上げられます。

      【マガジン通信先】
    発行 : アズマ株式会社
   東京都台東区小島2丁目1−1

第2回 「加工条件に適合したミシン糸」

= 加工内容と方法から =

各加工方法から目的を達成するための方法として薬品・洗濯機・温度の関係が深く関わることがわかりました。
図1は加工目的のための方法として中心的に影響する内容(薬品・洗濯機・温度)から加工別に位置づけました。

昨今、行われている加工は複合した加工方法が多く、技術的な進歩から加工別の位置づけが非常に難しくなっています。
図1は一般的な加工内容を基本に表にしてみました。

※表記内容は弊社独自で加工目的と評価を位置付けしました。一般的に評価基準の違いにより異なる場合が有ります。保証するのもでは有りません。ご了承いただきたくお願い申し上げます。

加工内容から各条件にに適合したミシン糸選定を行うことで、加工後に発生する問題を軽減すると考えます。
そこで、加工内容から各ミシン糸の影響と効果をまとめ、加工イメージと加工後の問題を軽減するべく加工別にミシン糸の特徴を纏めてみました。

= 製品加工の注意 =

製品加工の企画が増えている中で注意すべき点は、量産で品質のバラツキを少なくすることです。加工によっては生地が弱くなり問題が発生しやすく、あらかじめ仕上がり状態を想定した設計を行なうことが必要不可欠です。 必要事項としては製品の出来上がりイメージから縫製仕様、資材(芯地)といった仕様選定をすることが最も重要とし、依頼メーカー様は仕上がりイメージを的確に加工業者へ伝えることが最も重要です

◆ 加工状況(枚数、釜、時間、温度)による生地変化が大きいため、サンプルと量産製品に差が応じることがある。
◆ 大量の製品(数百枚)を一度に洗うために、可也の物理的作用を受ける事がある。
◆ 生地劣化し破れやすい。(特にバイオ・ブリーチ)
◆ タンブラー乾燥による生地の収縮やダメージがある。
◆ 加工方法によって付属などに化学変化が起こる場合がある。

※ 必要伝達事項
加工業者へは生地混率と共にミシン糸種別を的確に伝えることが重要で、加工後の事故最も最小限にする手段といえます。

 = ミシン針に付いて =

加工対応のミシン針は素材に合わせた形状を使用することが望ましいです。比較的、加工製品は綿素材(組成)が多いことから、最もミシン針に注意する必要があります。

基本的に綿は素材感が優れています。しかし強度が弱いことからミシン針で地糸にキズを付ける事が多々あります。 縫製後の外観からでは発見しにくいものですが、加工後(洗濯機使用)に素材が揉まれたり擦れたりする事で地糸切れを発覚する事故が後を絶ちません。

ここではポイント針のご紹介をさせていただきますが、一般的にニットやジャージで使用する針として認識していると思います。しかし、前述の理由より発生頻度が高い地糸切れ防止対策として効果が出ています。各種針の中から地糸切れ防止とされるポイント針を、いくつかご紹介させていただきます。

 = 各針形状 =

地糸切れに効果のある各針形状を紹介させていただきます。(図2)

針選定は図2表記のaとbが同等径にする事が基本です。

= 針形状と針先 =

※テーパー=相対する面が対称的に傾斜している円錐状の部分

【終わりに】
加工別にミシン糸やミシン針の特徴を理解することで、加工時に発生する問題を軽減することが目的です。皆様方が企画をする上で、参考にしていただければ幸いです。

第1回  加工種別の解説

製品加工とミシン糸は商品品質を保つために重要な
関係があります。
加工の特徴と目的を理解し適正なミシン糸や針選定を行なうことで品質安定に繋がると考えられます。

以下の資料は加工の目的と用途別に区分けすることで、加工からミシン糸の選定条件を導くために作成しました。

ワンウォッシュ = 製品の風合いとやわらかさがでる
バイオウォッシュ = 酵素が物質を分解する能力を利用して、繊維の風合い調整や表面処理などを行なう加工
ブリーチ = 生地色を抜き表情の変化をだす
ダメージ加工(ストーンウォッシュ) = 製品の古着感を出しアタリ感をだす
製品後染め(セルローズ再生繊維染色法) = 織物や編物生地に対し染色することで外観的価値を高める
プリーツ加工 = 布に耐久性のある折り目や襞(ひだ)をつける加工
シロセット加工 = 純毛のズボンやスカートなどの耐久性のある折り目をつける加工
皺(しわ)加工 = 布に皺を付与する加工

■【主な加工の種類と説明】

ワンウォッシュ 
   製品を水で洗ったもの。糊を落とし風合いを出す目的に使用。
   柔軟材や化学薬品(糊等)を落とし、残留縮率を少なくする事でサイズ安定を図ります。
   また、加工前の工程としても行なわれる。

2. バイオウォッシュ
   高温でなくても繊維の内部まで、収集の加工が出来る利点がある。
   生地をセルロース分解酵素(簡単に言うと生地を食べてしまう)で削げ落として古着感が有り
   少しの色落ちヌメリ感が出て風合いを柔らかくする。
   生地が脆弱(ぜいじゃく)化し弱くなる事があり注意が必要。

3. ストーンウォッシュ
   軽石やバレル石、プラスチック、多種多様の物を一緒に入れて洗い色を落としたり、
   洗いざらしや古着風にアレンジ出来る。
   近年は軽石に変わり人口セラミックや素材によってゴムボールも使用される事がある。

4. ブリーチ
   生地の色を抜き脱色する。
   中間色まで色落ちさせた状態をフェード、淡い色まで色落ちさせたものをブリーチと言う。

5. 製品後染め(セルローズ再生繊維染色法)
   織り上げられた綿の布は薄いベージュをしているが、合成繊維はそれよりやや白くなっている。
   また、糊が付いているためにごわごわして感触も良くない。染色工程とは、このように手を加えられ
   ていない未完成の織物や編物に色や模様を施すことで外観的価値を高めると共に着心地や感
   触的価値、耐久性などの使用価値を与るための加工工程。
5-1. オーバーダイ
   洗い加工後のジーンズをインディゴ以外で染める加工。色合いに深みが出る加工方法で
   着用後は自然褐色があり意外な変化を愉しめる染色方法。

6. 形態安定加工
   「プレキュア」と「ポストキュア」の加工があり、ポストキュアは繊維製品を縫製とプレス
   仕上げした後に、製品をハンガーにかけて形態安定加工を行います。従い、ミシン縫い目と    プレス後のプリーツ部分についても加工され、洗濯を繰り返してもパッカリング、プリーツにも   優れた耐久性を発揮します。

7. プリーツ加工
   加工方法には手加工法、マシーンプリーツ法、ハンドプリーツ法の3通りがありがあります。    また、プリーツの三大基本型として平型、箱型、アコーディオン型があり、これらを組み
   合わせることで様々な型が出来ます。

8. 防縮加工
   水洗いにより繊維同士が絡まり合いフェルト化して縮みやすいので、羊毛繊維表面を改質し   たり、繊維間を樹脂で結合して、繊維同士の絡まり合いを防ぐようにする
   セルロース系繊維では
   ?マーセリゼーション(※1)によって繊維構造の膨潤度を低下させる。
   ?繊維の非結晶部分に樹脂を固定もしくは架橋結合させ水による膨潤を防止する。
   ?サンフォライズド加工(※2)のように、織物の経方向に強制収縮を与え、濡れて膨潤しても収    縮しないようにする。
   ?羊毛の場合はフェルト収縮を防止するのが一般的。

9. シロセット加工
   羊毛繊維内部のシステム結合を還元剤によって解放し、
   生地に折り目を付けた状態で再結合させ永久セットを与える。
    CSIRO(オーストラリア連邦科学産業研究機構)が開発。

10. 皺(しわ)加工
   加工目的は独自の感性を重視したもの。合繊繊維の皺付け加工では板締め、袋詰め、
   箱詰め状態で熱水、蒸気、乾燥処理によって皺が固定する。綿織物の皺付け加工では
   アルカリ浴中で耐久性のあるランダム皺が固定できるが、通常の皺加工では耐久性を
   付与するために樹脂加工を併用する。また、液体アンモニア処理後、高圧熱水により
   固定する方法やニップ(挟み)ローラーによる物理的方法、タンブルドライヤー乾燥で
   自然な皺を発生する方法もある。

※1 綿糸または綿織物をテンションをかけず苛性ソーダによる処理(シルケット加工)
※2 デニム生地の収縮を解消するために考案され生地の段階で処置される。

これまでの特集例

アズマは、アパレルや縫製業界で発生した問題の解決に役立つご提案ができるように、独自の縫製研究室を設置し、「縫製を科学する」をテーマに活動を続けています。
研究のレベルもその活用の有用性も、お客さまとのコミュニケーションによって向上します。 情報の提供でお客様の課題が解決し、その事例を研究にフィードバックすることで、物づくりに重要とされる供給ノウハウの向上やアタッチメント・新商品・システムなどの開発に生かしていきます。

これまでの特集例:

地糸切れ対策 ( 32kb / PDF )
太糸の調整についての提案 (164kb / PDF )
太糸用ミシン針の提案 ( 48kb / PDF )