第33回 第一部「木材(製材業)の縫製」

資源の有効活用 円筒LVLの将来性レポート
≪アズマ 縫製研究室 メールマガジン 第33号 第一部≫

今回は、株式会社渡辺事業所様(以下渡辺事業所様)の木材の縫製加工の取り組みを取材して参りました。

渡辺事業所様は、天然秋田杉や神代杉を中心とした木材の製造加工を生業としています。
同社所在地は、秋田県能代市。
能代市は東京駅から新幹線で5時間弱(秋田駅まで約4時間弱、 秋田から能代まで約1時間)にあります。
能代市は人口約5万2千人、世界遺産白神山地を望み、能代工業高校はバスケットボール全国大会58回の優勝を果たし、バスケの街づくりを推進しています。
明治期には、秋田木材株式会社が東洋一の規模を誇り木都能代の名が知れわたりました。
渡辺事業所様は昭和30年に創業し木都の一角をしめました。今新たに力をいれているのが、円筒LVL(Laminated Veneer Lumber)です。

円筒LVLは、木材をスリットして板状にしたものを、ミシンで縫って長い巻物にします。


円筒LVLは、縫われた長い板を、
スパイラルワインディング法で
円筒に巻き付け、
直径が大きなものから細いものまで
自由設計ができる強度のある
円筒を作り出すことができます

円筒LVLの開発は、秋田県立大学木材高度加工研究所(木高研)が約20年前に開発し、渡辺事業所様に技術移転され、厳しい品質基準を設け、自在に加工する技術を同社が育て上げ、現在に至っています。

円筒LVLの実績、使用例

円筒LVLは、中空ながらも従来の柱材と同等の弾性率と強度を誇るため、資源の有効活用として注目をあびています。
中空であることから、配線などの工程短縮にもつながっています。

スパイラルワインディング法は、紙管をつくるときに用いられている技法です。
円筒LVLは一層ごとに巻き進む方向を変えているので、単板の繊維方向が交錯し、中空ながら粘り強く、従来の柱材と同等の弾性率と強度を持っています。

衣類(布地)にスパイラルワインディング法を応用したらどうなるでしょうか?
同じ厚み(重さ)でも強度があるものができないか想像しています。

板を縫うことを応用し、板で 袋物・バッグ も作っていました。

衣服の供給から、それを発展展開させるライフスタイル全般への提案が昨今広まっています。渡辺事業所様のとりくみが活かせないものだろうかと思考しています。

一方で、弊社ではミシン糸を使わない衣服の組み立て研究に参加していますが、逆の展開として、ミシンで縫う対象のものを布や革にとどまらない可能性を、渡辺事業所様や木高研から教えて頂いております。
今後もいろいろな方から知識を学習し、知恵に変えて皆さまへ提案して参ります。

内容につきまして質問、ご意見等ございましたら、弊社担当者または返信にてお気軽にお問い合わせください。

取材協力 :株式会社 渡辺事業所 渡辺 恒様
所在地  :秋田県能代市河戸川

末尾になりましたが、ご多用のところ貴重なお時間とご教授くださいました渡辺事業所渡辺恒様へへ深謝申し上げます。

メール配信停止をご希望の方は、お手数をおかけいたしますが、返信くださいますようお願い申し上げます。

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アズマ株式会社 縫製研究室
鵜木 隆嘉
Tel 03-3861-7103
URL: http://www.azuma-jpn.com

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